東京ヴェルディが注力するデジタル施策とは?
平地:東京ヴェルディでは総合クラブ化にあわせてデジタル活用も推進していると聞いています。どのようなことを行っているのでしょうか。
鈴木:ファン・サポーターへの情報発信やコミュニケーション強化として、デジタル活用に力を入れ始めています。最近の例ですと、パートナーのアカツキ様と、その子会社であるCRAYON(クレヨン)様と共同で公式アプリ「TOKYO VERDY OFFICIAL FAN APP」をオープンしました。コアファン向けの情報発信ツールとして、普段見ることのできない選手の試合以外の姿を中心にお届けしています。
鈴木:また、投げ銭サービスの「pring(プリン)」を活用し、ファンやサポーターの方と様々なコミュニケーションをとっています。pringの中で「オンザピッチ」と「オフザピッチ」というグループに分けて、「オンザピッチ」ではホーム・アウェイ問わず、試合日にその試合のスレッドを立てファン・サポーターの方からコメントを頂戴する企画を、「オフザピッチ」では、グッズ開発案など様々なアイデアを募集し、企画に役立てたりしています。
さらに、アカツキ様のご協賛・プロデュースで、ユニフォームのコンセプトムービーや試合前の煽りムービーなど、動画コンテンツにも力を入れています。この映像を公式SNSやYouTubeチャンネルでも流すことで、オンラインでの盛り上がりにもつなげています。
デジタルに強い企業とコラボレーションしながら、東京ヴェルディのデジタル化を推進している最中です。
平地:デジタル化が進んでいくと、そこに掲載するクリエイティブも重要になってくると思いますが、どういった点が重要になると思いますか。
伏見:デジタル化が進むと発信する情報量が増え、関わる人も増えるため情報の統一感が失われるリスクがあります。そのため、ブランドの統一感が保たれているかをチェックしたり、画像や動画作りも各競技の担当者の方と連絡したりして、品質のコントロールを行っています。
コロナ禍が総合クラブとしての取り組みを推し進めた
平地:最後に、直近のコロナ禍における取り組みをご紹介いただけますか。
鈴木:東京ヴェルディと日テレ・東京ヴェルディベレーザでチャリティTシャツを販売しました。また、東京ヴェルディクラブの各チームの選手らにもプロモーションに協力いただき、チャリティTシャツの宣伝を行いました。
費用を除いたすべての収益をホームタウンの稲城市、多摩市、日野市、立川市、板橋区の5つの自治体に寄付する形だったのですが、テーマもデザインも好評で、2週間限定販売で、合計約356万円を寄付することができました。
また、Jリーグが再開するまでの間、なかなか前向きになれるきっかけがなく、社会全体が重たい空気に包まれていましたので、何か東京ヴェルディとして明るい話題を打ち出せないかと考えていました。
そこで、「UNITE for FUTURE」というコンセプトを創り、全てのステークホルダーと共に結集し、明るい未来を創っていくんだという想いを言葉に乗せ、3rdユニフォームを作ることも決定しました。そのユニフォームも、ファン・サポーターとの共創型プロジェクトとし、「明るい未来を想像した写真」を皆さまから募り、それユニフォームの柄の要素に加えてデザインしました。
鈴木:その他にもリモートマッチの開催、YouTubeライブや、メンバー外選手によるZoomトークショー、17Liveを活用したオンライン配信など、デジタルを駆使した取り組みを積極的に展開してきました。正直、新型コロナウイルスの影響がなければ、ここまで様々な取り組みは展開することはなかったと思うので、成果は今後の糧にしていきたいと思います。
伏見:チャリティTシャツも普段着で使えるものを提案するなど、企画段階から東京ヴェルディ様と協力して作ることができています。今後は、我々にスポンサーしていただいている企業様との共創ビジネスも推進し、情報発信していきたいと考えています。
