HubSpot Japanは9月22日〜24日、年次イベント「INBOUND 2020」を開催。同イベント内で、営業支援ソフトウェア「Sales Hub」のEnterpriseプランの機能を拡張し、様々な従業員規模の企業が活用できる営業支援CRMプラットフォームとして進化させていくことを発表した。
同社が6月に実施した調査では、世界の営業責任者の約76%が「自社の組織はCRMの機能のごく一部しか活用できていない」と考えており、約50%は「現在利用中のCRMは扱いが難しい」と考えていることが明らかになっている。複雑なデータ構造や直感的に使いづらいユーザーインターフェース、慣れるのに時間が必要なレポート作成機能は、営業責任者や担当者の負荷が大きく、「会社の資産である『顧客との関係の記録』が正確に蓄積されない」「マーケティング部門やカスタマーサービス部門がデータに基づいて正しい行動を取れない」など、営業組織を超えた企業全体の問題にもつながる。
これらを背景にHubSpotは、今回の機能拡張を実施。正確な顧客情報を社内で一元管理するとともに、HubSpotのオールインワンプラットフォームにおいて、Marketing HubやService Hub、CMS Hubと連携可能になった。
今回加わった主な機能は以下のとおり。
カスタムオブジェクト
HubSpot CRMに初期設定されている「コンタクト」「会社」「取引」「チケット」の4つのオブジェクトに加えて、不動産業であれば「物件」、広告業であれば「媒体」などの新規オブジェクト(カスタムオブジェクト)を追加することで、自社の事業特性に応じてCRM上で管理するデータの構造設計が行える。
セールスアナリティクス機能とフォーキャスト機能
セールスアナリティクス機能では、各営業担当者が新規見込み客を割り当てられてから最初に連絡するまでにかかった時間や、取引の各ステージにどのくらいの時間を費やしているかなど、営業組織のリーダーがチームメンバーの行動を把握し、目標達成に向けて適切な助言を与えるためのレポートを作成可能。またフォーキャスト機能では、チーム全体および個々の営業担当者の目標達成率やパイプラインの状況を即座に一覧表示できる。
連携型CPQ(価格見積もり作成)ツール
「カスタム提案書」や「カスタム見積もりテンプレート」を利用することで、デザイン性のある営業資料作成が可能に。また、NetSuite、QuickBooks Online、Xero、Nuboxのなどの会計ソフトをHubSpotに連携することで、HubSpot上から請求書作成等の操作が行える。
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