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サステナブルが前提?メルカリをよく使う?「Z世代のショッピング実態調査」から得られた3つの発見

Z世代のショッピングはオンラインとリアルを行き来する?

 まずは仮説1「Z世代のショッピングはオンラインとリアルを行き来する?」についてです。

 ショッピングの冒頭、みひちゃんはロフトへとアイライナーを探しに行きました。化粧品のコーナーまで来るとどれにしようか悩み、ある商品を手に取って写真を撮ったみひちゃん。そして、この日はそれを購入することなくロフトを出ました。なぜ写真を撮るだけで買わなかったのかを聞いてみると、一度家に帰って本当にそれでよいのか吟味するとのことです。とても慎重な買い方をしているように見えるみひちゃんですが、普段どのようなステップで購入まで至るのか尋ねてみました。

みひちゃん:お買い物の第一ステップはYouTubeやインスタ(Instagram)です。YouTube、インスタを見ていて欲しいと思うものがあったら、実際に店頭に行って実物を確かめます。店頭で写真を撮ってメモがわりにし、日を置いてじっくり吟味することもあります。実物を見て本当に欲しいと思ったら、その場で買うか、メルカリやネットの方が安く売っていればオンラインで購入します

 みひちゃんはひとつの買い物に対して、オンラインとリアルの世界を行き来していることがわかりました。ネットやSNSを使いこなして買い物をしているみひちゃんですが、この特徴はZ世代全体に当てはまるものなのでしょうか?

Z世代の購買ステップは「インスタ→ネット→お店→ネット」

 他のZ世代は一体どのようなステップで購入まで至るのか、Z世代会議で詳しく話を聞いてみました。23人に話を聞いてみたところ、ショッピングにおいて普段からネットやSNSをよく活用していると答えたのは20人。大半は買い物のプロセスにネットやSNSの工程が含まれているようです。オンラインを活用している20名の中でも、主にInstagramを使うと答えたのは18名と大多数。では、具体的にInstagramをどのように役立てているのでしょうか?

第一ステップはインスタ

 Instagramを活用していると答えた18名が、ほぼ同じ使い方をしていることに驚きました。Instagramはものを買うきっかけとなるような存在のようです。

大学3年生・Rちゃん
「インスタのストーリーやおすすめ欄を見ていて、こういうの欲しいなと思うことが多いです。インスタの中で検索することはあまりなくて、インスタはインスピレーションを受ける場所です」

大学3年生・Tくん
「インスタで買うものを決めるわけではなく、インスタを見ていて『こんな感じのいいな』と思って似たものを探し出します」

大学2年生・Aちゃん
「インスタではブランドのアカウントを見ているのではなく、個人のファッション系アカウントを見ています。インスタでインスパイアされてお店に行き、投稿と似ているものを買うという感じです」

 ショッピングでInstagramを活用すると言っても、欲しいものを能動的に検索するというよりは日々インスピレーションを受けていて購買意欲の発端となるのがInstagramのようです。

 そんな、Instagramから始まるZ世代のショッピングですが、ネットの情報に関してはどのように位置付けているのでしょうか?

正確な情報はネットから

 Instagramからインスピレーションを受けて、そのまま街に出かけるという人もいますが、お店に行く前に正確な情報が欲しい場合はネットで検索するようです。

大学2年生・Kちゃん
「インスタでこういうものが流行っているんだというのを知って、実際にどういう商品があるのかはネットで調べます」

大学4年生・Tくん
「インスタは軽い気持ちで見ているので信用度は気にしていなくて、信頼できる情報が欲しい時にはネットで検索します

大学2年生・Hちゃん
「インスタを見て可愛いと思ったらとりあえず保存して、値段やお店の場所などは検索エンジンに飛んで調べます。いきなりネットから入ることはないです」

 Instagramやネットなど、オンライン上でかなりの情報を得ているZ世代。購入もそのままオンラインを駆使するのかと思いきや、お店に行かずにものを買うことには抵抗があるようです。

購入は目で確かめてから

 最近買った身なりに関するもの(洋服、化粧品、携帯品など)を思い浮かべてもらい、それをネットで購入したか実店舗で購入したかdotメンバーにアンケートを採りました。すると、30名中20名が実店舗で購入したとのこと。オンライン上で商品情報を得る人が大多数の割に、購入はリアルでする人が過半数という結果です。なぜ、オンラインで購入しないのか聞いてみました。

大学2年生・Mちゃん
「オンラインで洋服を買った時にサイズ感や生地感で失敗したことがあるので、洋服はオンラインで完結させないようにしています。実際にお店で見て買うか、お店で見た後にネットで買うかです」

大学4年生・Tくん
「洋服をオンラインで完結させることはないです。写真では本当の色味がわからないからです。オンラインで商品を調べてお店で買ったり、お店で見てオンラインで買ったり、オンラインとリアルの融合が多いです」

大学2年生・Mちゃん
「情報はインスタから得て、買うのは店頭です。コスメは特に実際に肌に乗せてみないとわからないので」

 SNSを使いこなし、オンラインの便利さも怖さもよく理解しているZ世代。だからこそ、慎重によりよい買い物をしようとした結果、オンラインとリアルを何度も行き来しているようです。

【発見1】

Z世代のショッピングはリアルとオンラインを行き来する。Instagramでインスピレーションを受けて、正確な情報が知りたければネットで検索。購入するときはお店で実物を確かめてから、そのまま買うorネットで買う。

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Z世代のショッピングはサステナブルが前提?

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この記事の著者

渋江 みのり(シブエ ミノリ)

1998年生まれ。青山学院大学心理学科4年。
2018年からdotで活動を始め、現在はdotのメディア部として活動中。大学卒業後、dotに入社予定。
 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/12/02 07:00 https://markezine.jp/article/detail/34756

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