これからの動画活用に求められる“配信量”と“リアルタイム性”
――コロナ禍により企業と生活者のコミュニケーションは軒並み非対面、つまりデジタルへとシフトしました。デジタルコンテンツの利用など生活が便利になる中、動画を通じたマーケティングもより加速されると予測されます。御社では、動画マーケティングにおいて今後どのような変化が起きるとお考えでしょうか。
五十嵐:業種業界を問わず、動画による情報配信はより増えていくでしょうし、実際に様々な企業が関心を持っていると感じています。
五十嵐:各企業が大量の動画を配信するということは、ユーザーが見るべきものか取捨選択する機会が増えるということでもあります。特にSNSなどでは流し見されてしまうので、いかに届けたいターゲットに見てもらうか、覚えてもらうかが重要になってきます。そのためには、コンスタントに大量の動画を制作し配信していくことが必要です。
また、広く浅く誰にでも刺さりそうなコンテンツではなく、自社の顧客一人ひとりに合わせたコンテンツを作ろうという動きもより進んでいくのではないかと思います。自社が狙っているユーザーに届いているのかということを細かく見ていき、PDCAを高速に回していくことが大切です。
誰でも簡単に動画制作ができる、Video BRAIN
――御社が動画マーケティングを支援するツールとして展開する「Video BRAIN」はどのような特徴を持つツールでしょうか。
五十嵐:初心者の方でも簡単に動画制作ができるツールです。手持ちの素材(テキストや静止画、動画)をアップロードするだけでAIのサポートにより誰でも簡単にクオリティの高い動画コンテンツを作成することができます。プロクリエイターが手掛けたデザインフォーマットも用途別に数百種類用意されているので、素材を入れ替えてテロップを入力するだけの簡単編集。ものの数分でできあがってしまいます。
五十嵐:動画編集経験がない方でも直感的に操作ができるようにデザインされており、まるでパワーポイントでスライドを作る要領で編集していくことができるのも、ご評価いただいているポイントの1つです。
Video BRAINを使えば、従来は外注するか、専門知識を持つ人だけが専門的なソフトウェアを使って制作してきた動画制作を社内で誰もができるようになります。クリエイティブ職ではないマーケターや営業担当が自ら制作することも可能です。手直しも簡単なので、ABテストなども容易に行えます。
以前は外注して動画制作をしていたけれども、内製化してコストの効率化を図るという目的でVideo BRAINを導入される企業は増加の一途を辿っています。定額料金なので、どれだけ活用してもコスト増とならないことが導入の決め手となっています。
リアルタイムな投稿でエンゲージメント数を5倍に
――Video BRAINを活用した動画マーケティングの事例と成果についてお聞かせください。
五十嵐:SNSでのシェア数などを伸ばした事例に、地方で活動する観光推進機構のお取り組みがあります。同社では、それまで外注で動画制作を行ってきたのですが、制作に時間がかかるためリアルタイムに土地の旬な情報を伝えることができないというジレンマをお持ちでした。担当されている方々は動画制作未経験でしたが、担当者自身がVideo BRAINで動画を作成することで、旬の情報をリアルタイムに配信できるようにしようと、Video BRAINを導入いただきました。
現在は1ヵ月に4本ほどの動画を作り、FacebookやTwitterで配信されています。以前はテキストと写真のみの投稿でしたが、動画で配信するようになり、いいね!数やシェア数が増加し、Facebookについてはエンゲージメント数が5倍になりました。
投稿数を増やしセッション数を130%に
――SNSでの盛り上がりやレスポンスなどにも対応しやすくなりそうですね。
五十嵐:そうですね。たとえば毎日Twitterのトレンドに合わせた動画を作って配信することも可能になります。
新商品を発売した際にSNSに投稿されたクチコミの回答になるような動画をすぐに作ったり、「こんなコメントが寄せられました」というまとめ動画を作ったりして配信している事例もあります。すぐに簡単に動画を作れるVideo BRAINだからこそできる強みだと思います。
――導入企業が持つ課題には、他にどのようなものがあったのでしょうか。
五十嵐:アパレルなど多角的なビジネスをされている企業では、素材が限られていてコンテンツのバリエーションがなく、投稿数を増やせないという課題をお持ちでした。
Video BRAINを導入し動画を簡単に作れるようになったことでバリエーションが増え、タイムリーでコンスタントな投稿ができるようになりました。今では、1ヵ月に30以上の投稿をしています。
先述のようにSNSは次から次へとコンテンツが流れていくので、1週間に1度クオリティの高いものを投稿するというのはあまり意味がありません。毎日配信し続けることによって目に触れる機会を増やし、ブランドを忘れさせないようにしないと、認知が広がっていかないからです。そのためにも投稿のバリエーションを確保できたのがとても良かったと言っていただきました。
同社では3名体制で、10秒ほどの短い動画をたくさん作り、Instagramのストーリーズとフィードに投稿しています。ストーリーズに投稿したセール案内のセッション数は130%に上がったそうです。
――ストーリーズに投稿されているということは、縦型動画も作れるのですね。
五十嵐:はい、Video BRAINではワンクリックで動画のアスペクト比を変更できます。同じ素材からInstagramのフィード用に正方形で作り、YouTube用に横長で作るということも簡単にでき、とてもお客様にご好評いただいている点です。
動画制作の時間を5分の1に削減
五十嵐:グローバルに高級不動産仲介ブランドを展開する企業では、ハイクラス物件をオンライン上でよりリッチに紹介したいという課題をお持ちでした。不動産の購入や売却は大きなお金が動くものなので、その物件紹介を写真と文字だけでなく動画にすることによって、より魅力的に見せることができるようにとのことで導入いただきました。
以前から動画には取り組まれていたのですが、動画専用ソフトを使って編集していたため非常に時間がかかってしまい、他の業務を圧迫している状況だったそうです。そこで、教育コストもかからずに、直感的に編集ができるVideo BRAINを導入していただいたところ、動画制作の時間を従来の5分の1に削減することができました。
ビジネスの成長を目指し専任担当者がサポート
――Video BRAINでは動画制作がすぐに簡単にできるとのことですが、そのための機能面やサポート体制についてお聞かせください。
五十嵐:これまでお話したように、直感的な操作性とデザインフォーマットの活用により、初心者でもクオリティを担保した動画を制作することができます。また、AIが素材のマッチングや提案をするといったサポートもしてくれます。
特徴的なのは、私も所属する「カスタマーサクセス」が全ての導入企業に「伴走」することです。
動画の見せ方のポイントをお伝えするのはもちろんのこと、たとえば何秒以内という動画の長さから、頭の数秒で言うべきこと、画面上の色遣い、切り替わりのタイミングの秒数指定など、細かいところまでノウハウをお伝えして、一緒に動画をブラッシュアップしていくこともあります。
――サポート体制も手厚いですね。
五十嵐:そうですね。ただ、動画作成の支援はサポートの一部です。カスタマーサクセスグループでは、その動画をいかにビジネスに活かし、活性化するかというところをご支援しています。
動画の配信はそもそもマーケティングの一手段でしかないので、それらを活用してどういう目標を達成したいか、そのためにはどういう内容の動画をどれくらい作ったら良いかというところまで含めてサポートをしています。
弊社ではお客様1社に対し専任の担当者が就き、伴走体制をとっています。お客様が動画活用においてどのような目的を持っているかを明確にし、そのためにはどんな動画が最適なのかという根本的な部分からも一緒に考えます。
マーケティングやSNS活用をこれから始めるという初心者の方も多いので、そもそもマーケティングとはどういうことか、競合がどこになるのかもわからないというお客様もいらっしゃいますので、そういうときはベンチマークからお伝えすることもあります。
競合の分析を動画制作のヒントに
――導入企業から寄せられる相談には、どのようなものが多いですか。
五十嵐:他社事例を知りたいというものが多いです。動画のアイデアが出ないときには、他社事例をたくさん見たり、競合を調べたりするのが良いと思います。
Video BRAINの中にある「Insight BRAIN」というサービスでは、効果の良かった投稿を素早く分析・効果検証できるのですが、自社だけでなく競合他社のフォロワー推移と投稿データの相関性が確認できます。競合がどういう投稿をしたときにファンが増えたかということもわかるので、それを真似てみたり、あるいはまったく違うタイプのものにしてみたりという試行錯誤をしていくのも一つの手です。
五十嵐:投稿内容だけでなく、投稿のタイミングの検討にも役立ちます。「競合が毎週何曜日に投稿しているのでそのタイミングの投稿は避けよう」「自社では水曜日に投稿しているけれど、金曜日にエンゲージメントが高いから投稿を金曜日にしてみよう」と、分析・プランニングにも活用できます。
――Video BRAINをはじめとしたソリューションを通じ、今後企業のマーケティングをどのように支援していきたいとお考えでしょうか。
五十嵐:動画をマーケティングの手段として使いこなしていただけるように、導入企業と一緒に試行錯誤を重ねていくパートナーとして伴走していき、ビジネスの成功をご支援できたらと思っています。