インテージは、全国約4,000店舗より収集している小売店販売データ「SRI(全国小売店パネル調査)」を基に、今年、日用消費財の販売にどのような変化が生じ、苦戦したカテゴリーがあったかを推定販売金額から振り返る「2020年、今年販売苦戦したランキング」を発表した(データは10月分まで使用)。
化粧品は10位までに5カテゴリーがランクイン
1位の口紅は、販売金額が前年比44%と半分以下になった。マスクをすることにより、口紅をつけないという人も増え、コロナ禍を代表するカテゴリーに挙げられることもありましたが、マスクにつきにくい口紅の開発などメーカーも対応をしている。化粧品では他にも苦しんだカテゴリーが見られた。4位・ほほべに(66%)、5位ファンデーション(68%)、6位・化粧下地(72%)、7位・おしろい(79%)と10位までに5つがランクインしている。
一方で、化粧品の中でも比較的売り上げが落ちなかったのが基礎化粧品。苦境の中でも全体で90%をキープし、クレンジングは92%、洗顔クリームに関しては100%となっている。また眉目料(眉や目周りに使われるメークアップ化粧品の総称)は全体で88%、アイブロウやマスカラなどは90%だった。
鎮暈剤(酔い止めなど)は移動や旅行の自粛が打撃に
市販薬のカテゴリーでも大きな変化が生まれた。2位の鎮暈剤(ちんうんざい)はめまいなどの症状を抑える薬で、酔い止めなどが入るが、こちらも前年比54%だった。特に非常事態宣言と、本来多くの人が旅行などに行くゴールデンウィークが重なった4月後半から5月上旬に関しては、前年の2割にも満たない週もあった。夏以降は感染が一段落し、Go Toトラベルなどの施策も打たれ、ある程度は回復する時期もあったが、全体としては前年の半分程度の水準となっている。
コロナの影響で海外との行き来が激減し、来日する観光客も大幅に減少したことが苦戦の要因となっているカテゴリーが多いのも市販薬の特徴だ。3位・強心剤、8位・鎮咳去痰剤(ちんがいきょたんざい・咳をしずめて痰を出しやすくする薬)、10位・ビタミンB1剤、24位・目薬なども、海外からの旅行者がお土産に買っていくなどインバウンド熱も高かっただけに、影響を受けたと言える。
外出機会の減少、在宅勤務などで、幅広いカテゴリーで変化
お菓子類の中では11位・チューインガム(82%)、28位・キャラメル(91%)、29位・キャンディ(91%)なども苦戦となった。在宅勤務や移動の減少で減ったことが推察され、14位のミニドリンク剤(85%)も都市部のオフィス街での売り上げが落ちたというデータがある。
12位・コンタクト用剤(83%)、18位・制汗剤(88%)、19位・スポーツドリンク(88%)、21位・使い捨てカイロ(89%)、23位・外用鎮痛消炎剤(89%)なども外出の減少や、スポーツやレジャーの機会が減ったことが理由に挙げられる。
【関連記事】
・Tポイント物価指数、2ヵ月連続上昇 上昇率が最も高かったのは60~79歳・男性/CCCグループ調査
・企業情報サイトランキング2020、ユーザー評価1位は2年連続サントリー【トライベック調査】
・高額商品の紹介が約2割に InstagramのインフルエンサーPRの実態【スナップレイス調査】
・11月度CM放送回数ランキング/寒い季節に備えたCMが多数ランクイン【ゼータ・ブリッジ調査】
・食品で最も惹かれるキャッチコピーは 「売り上げNO.1」。約半数以上が購入経験あり/ドゥ・ハウス調査