SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

SNS起点で生まれるマーケティングトレンド

2020年「最もシェア拡散された広告・PR施策ランキング」 から見るコロナ禍の各企業の成功事例

注目度の高まる個人クリエイター

 ここからは企業の発信する情報ではなく、個人が発信する情報に対するエンゲージメント傾向を探っていきます。

 下の円グラフを見てください。こちらはTwitterアカウントのフォロワーが10万に満たない規模の個人アカウントに絞ったエンゲージメントランキング上位30件のうち、イラストや多様なジャンルの造作を投稿する「個人クリエイター」が含まれる割合を2019年と2020年とで比較したものです。

2019年/2020年のTwitterアカウントフォロワー数10万未満の個人アカウントにおけるエンゲージメントランキング上位30の内訳を比較
2019年/2020年のTwitterアカウントフォロワー数10万未満の個人アカウントでの
エンゲージメントランキング上位30の内訳を比較
出典:株式会社スパイスボックス独自のソーシャルリスニングツール「THINK」集計
(調査期間:2020/1/1~2020/12/9)

 個人クリエイターの含まれる件数が2019年は4件だったのに対し、2020年は9件に増加しています。「鬼滅の刃」ブームによる二次創作やステイホーム時間の増大などが影響しているのかもしれません。いずれにせよ上位陣は驚異的な規模のエンゲージメントが発生しています。

 寄せられているコメントを見ると、完成度の高さや意外性に対する「驚き」の反応が多い傾向。他にも「もっと有名になれ」といった個人クリエイターを拡散して応援する目的の人もいるようです。

2021年はインフルエンサーマーケティングの新たな可能性が試される年

 フォロワー数が多く影響力のある人物=インフルエンサーに依頼するインフルエンサーマーケティングはもはや鉄板の手法となってきましたが、フォロワー数が少なくても大きなエンゲージメントを生むポテンシャルの個人クリエイターと共創する手法は大きな可能性があります。

 フォロワー数が多い人は、あくまでリーチできるボリュームが多いというだけで高いエンゲージメントを生み出す保証はありません。フォロワー数が少なくてもエンゲージメントするコンテンツを作ることができる人と、リーチするボリュームが多い人とが協力し合う仕組みが機能すると、より大きなエンゲージメントを生むポテンシャルがありそうです。

 たとえば政治にまつわる例を挙げると、「#検察庁法改正案に抗議します」は、これ自体が生活者の興味・関心の強い拡散力のある情報ではありますが、これをリーチできるボリュームが多い有名人がハブとなり拡散したことも相まって大きなムーブメントにつながったとも言えます。

 インフルエンサーに対して発信する内容も含めてすべてをお任せするやり方だけでなく、生活者の興味・関心の高いテーマをお題としてセットし、ポテンシャルの高い個人クリエイターと共創してコンテンツを作り、賛同してくれるインフルエンサーにハブとなって広げてもらう。このような組み合わせによるモデルが次々試され、インフルエンサーマーケティングの新たな可能性が広がっていくことを期待しています。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
SNS起点で生まれるマーケティングトレンド連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

森竹 アル(モリタケ アル)

 スパイスボックス 取締役副社長 事業統括責任者。2006年にスパイスボックス入社。プロデューサーとして大手自動車メーカー、食品メーカー、ゲーム会社等のデジタルマーケティングを支援。2013年、プロデュース局局長就任。すべてのクライアントワークを統括。2016年以降は、ソーシャルメディアを中心に「共感」と「話題」を...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2021/01/18 09:00 https://markezine.jp/article/detail/35266

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング