2020年、シェア拡散された施策をランキングに
こんにちは。スパイスボックス事業統括責任者の森竹アルです。今回は、2019年も実施した、2020年、国内広告・PR施策の「SNSシェア拡散ランキング」をお届けします。これは、エンゲージメント数(※)を指標として、2020年に注目を集めた国内広告・PR施策をランキング化したもの。ランキングに入った2020年の特徴的な施策の解説の他、2021年のトレンド予測を行いたいと思います。
※エンゲージメント数とは
いいねやシェア、コメント、リツイートなどFacebookとTwitterでの総アクション数に加え、対象コンテンツについて取り上げた記事に対するSNS上における口コミなどの総数。スパイスボックスの独自ツール「THINK」にて計測。
プロモーション目的の広告・PRが激減した1年
まずは下の図を見てください。こちらは、2020年に企業から発信された広告・PR施策(テレビCM・Web・SNS投稿・グラフィックなど形式を問わない)のソーシャルメディア上におけるエンゲージメントボリュームを計測し、ランキングにしたものです。
最もエンゲージメント数が高かったのは、テレビCMでも流れていた日本赤十字社の「ウイルスの次にやってくるもの」。日々、新型コロナウイルスの恐怖にさらされる中で、本当に恐いのは偏見や差別によって人が人を傷つけ合う状況であるとして冷静な対応を呼びかけるものです。「こうはなりたくない」「できるだけ多くの人に見て欲しい」といった願いが重なりエンゲージメントが高まりました。2020年を象徴する事例だったと言えるでしょう。
他にも、ランキング上位を見ると2020年は純粋なプロモーションを目的としたものは激減。未曾有のソーシャルイシュー(社会的な関心事)である新型コロナウイルスにまつわる情報が軒並み高いエンゲージメントを記録しました。日本赤十字社の動画をはじめ、丸富製紙、味の素冷凍食品、アパホテル、水木プロダクション、東京ディズニーリゾートなどトップ10の半数以上が新型コロナウイルスに関連した発信によって共感・賛同を得られたものでした。
業態にもよりますが、2020年の上半期はマーケティング活動を抑える企業が多かったことに加え、生活者の興味・関心事が新型コロナウイルス(および生活環境の変化)に集中していたことが影響していると言えます。そのため、今回のランキングでは広告らしい広告は少なく、シンプルな情報発信でも「生活者に寄り添った情報」が例年以上に共感を集めた年となりました。