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MarkeZine Day 2020 Autumn Kansai(AD)

サイト管理の"当たり前"を覆す!誰でもノーコードで簡単にWebサイト運営ができる「BMS」とは

 デジタルマーケティングを進めていく上で欠かせない、Webサイト運営。CXプラットフォーム「KARTE」を提供するプレイドは、そのWebサイト運営に革新を起こすべく「Block Management System(BMS)」というコンセプトを打ち出した。「MarkeZine Day 2020 Autumn Kansai」では、BMSを体現するプロダクト「KARTE Blocks」とともに新しいWebサイト運営の形を紹介した。

Webサイト管理にニーズあり

 KARTEは、Webサイト訪問者を数字ではなく一人の“人”として立体的に可視化できるSaaSプロダクトだ。顧客がいつ、どのページを見ているのかなどがリアルタイムにわかり、それに基づいてその人の今に合わせたメッセージを送るなど、一人ひとりに合わせた最適な体験を提供することができる。

 「より良いCXを提供する」というビジョンをもつプレイドでは、ビジョンを実現するにあたってWebサイトそのものの運営に課題を感じていたという。「これまでのWebサイト運営では、どこに何を置くべきか、お客様が入りやすく滞在しやすいサイトがどうあるべきかを考えても、開発に工数がかかりすぐ検証することができません。より簡単に運営したいという根本的なニーズが明らかになってきました」と大東氏は説明した。

株式会社プレイド<br />Lead Customer Experience Designer 大東寛明氏
株式会社プレイド
Lead Customer Experience Designer 大東寛明氏

Webサイト管理における3つの制約

 現在、Webサイト管理にまつわる課題について、大東氏は以下の3つをあげた。

Webサイト管理にまつわる「3つの制約」
Webサイト管理にまつわる「3つの制約」

 1つめの「システムによる制約」とは、Webサイトにスクラッチ開発、CMS(コンテンツマネジメントシステム)、A/Bテストツールを利用している部分など、様々なシステムが使われているために起こる制約だ。「簡単な文言の修正なのに、数週間かかる」という場合も多いという。

 2つ目の「組織構造による制約」は、前述の「システムによる制約」のように1つのWebサイトに様々な技術が使われており、それぞれを扱う部署が異なるために起こる制約だ。「CMSで管理しようとしても、運用を進めると最初のカバー領域では足りないことがよくある」といい時間や工数を考えると「やりたいこと」より「やらない理由」が浮かぶという状況になっているようだ、と大東氏続けた。

 そして、3つ目の「ケイパビリティ(企業や組織が持つ能力)による制約」は人材不足が主な要因だ。開発やデザイン、アナリティクスやマーケティングツールの活用と様々なところで人が不足している。「量的にも質的にも人がいない。この問題は5年連続で深刻化している」と大東氏は「IT人材白書」(独立行政法人情報処理推進機構 社会基盤センター)の調査を引用した。人材不足と同時に、サイト管理が複雑化する分、求められるスキルも多様化しており、よりケイパビリティ改善の難易度が上がっているのが実状だ。

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 「この3つの課題がWebサイト管理の”当たり前”になっている。我々はシンプルに、直感的にWebサイトを管理、運営できる環境が必要と考えている」と大東氏は続けた。そのビジョンが「Block Management System(BMS)」であり、それを具現化したプロダクトが「KARTE Blocks」だという。

Webサイトをブロックで管理するBMS

 BMSはWebサイト管理の3大制約の解消を目指すものだが、具体的にはどのようなものか? 大東氏は、「Webサイトにタグを1行埋め込むだけで、あらゆる要素をブロックとして認識し、その管理、整理、パフォーマンスの向上を簡単に実施できるシステム」と説明する。

 BMSを用いたWebサイト管理の流れは、スクラッチ開発やCMSなどが混在するWebサイトにタグ1行を貼り付けて設定するところからスタートする。これによりWebサイトを1つ1つのブロックに分解し単一の管理画面で管理できるようになる。

 分解したブロックごとにクリックの回数などのパフォーマンスが自動集計され、簡単に把握できる。

「Webサイトやページごとの分析ではなく、さらに踏み込んで文言やバナー単位でパフォーマンスが簡単にわかるようになります」(大東氏)

 また、Webサイトの編集と更新も直感的にできる。リッチエディタを使ってブロックの編集や公開スケジュールの設定がノーコード、ローコードでできるという。特別なエンジニアリングスキルは必要ないため、これまでは担当部署に依頼していた文字を変えたり色を変更したりと言った作業がチーム内で完結するという。さらにコンテンツ更新計画機能も備えている。どのタイミングで何をどのように更新するのかなどの整理ができるため、実践を幅広く進めることが可能だ。

 このような基本的な管理機能に加えて、KARTE BlocksではA/Bテストやパーソナライズなど「グロースハック」に該当する作業もサポートする。「CMSでは改善をA/Bテストで実行していますが、この場合の管理が分断されてしまいます。これらが一気通貫でできるのもKARTE Blocksの魅力です」と大東氏。直感的に触りながらパターンを作り、管理画面上に登録したコンテンツに対して置き換えのパターンを指定して比較できるという。

「ZOZOTOWN」などのサイト更新に関わる工数を短縮

 これまでKARTE BlocksはKARTEの導入顧客向けにクローズドベータとして提供されてきた。先行導入した企業はどのような機能を使っているのだろうか?

 主にカスタマーサクセスを担当するプレイドの栗山玲依氏はまず、Webサイトの整理・管理・更新の効率化を目的に採用したZOZOを紹介する。日本最大級のファッションECサイト「ZOZOTOWN」などを運営する同社は自社内にエンジニアを抱えているが、Webサイトの更新や運用に工数がかかるという課題を抱えていた。

 そこでトップページの特集コンテンツ更新部分にKARTE Blocksを導入し、開発チームがバナー、テキストリンクの管理配信をより効率的に実施できるようになった。 ゆくゆくはマーケティングチーム単独で実現できるよう準備を進めているところだ。簡単にコンテンツの編集と更新ができるようになっただけでなく、ファーストビューでも表示速度への影響がないという。

 PCメーカーLenovoの法人向けサービス「Lenovo Pro」は、サイトの運営や更新は本国の確認が必要という運用体制をもつ。それまではセミナー情報などを掲載するとなると、仮の情報をもとにリリースして内容が固まった後に本リリースを行い、実際のページの更新作業は本国側に依頼書を出していた。KARTE Blocks導入により、日本側で更新作業までできるようになった。こうしたことにより日々の日常業務・リソース・コストの削減に成功したと栗山氏は述べた。

株式会社プレイド Lead Customer Experience Designer 栗山 玲依氏
株式会社プレイド
Lead Customer Experience Designer 栗山 玲依氏

サイトの最適化が簡単になるだけでなく、日々の意識が変化

 サイトパフォーマンス向上に役立てている企業が、TechAcademyなどプログラミング教育事業を運営するキラメックスだ。それまでのスマートフォンのLP画面は入力フォームにたどり着くまで長くスクロールしなければならなかったが、KARTE BlocksでLPのコンテンツ量のA/Bテストを行うことでこれを最適化した。キラメックスはまた、サイトパフォーマンスの向上もKARTE Blocksで行っている。それまではどの流入経路でも同じLPが表示されていたが、特定の流入経路の場合には文言を変えたものを表示することで、単一のLPでキャンペーンのソースに合わせた訴求が可能になった。

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 パーソナライズでは、山野楽器も来訪回数に応じてコンテンツ量を調整する取り組みをKARTE Blocksで行っている。「初めて訪問した人と10回以上来訪しているロイヤリティの高い顧客では、伝えるメッセージが異なります。ページの要素を書き換え、場合によっては削除することで、必要な情報を優先的に届けることができています」と栗山氏は説明した。

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 KARTE Blocksは2020年11月よりオープンベータとして、誰もが利用できるようになった。栗山氏は最後に、「KARTE BlocksによりWebサイトの運営がシンプルに直線的になります。日々の業務が変わるだけでなく、意識が変わるという声をいただいています」とし、「デジタルマーケティングにおいて、BMSが当たり前のシステムとなるようにサービスと開発を進めていきたい」と語り、セッションを締めくくった。

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この記事の著者

末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)

フリーライター

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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/09 10:00 https://markezine.jp/article/detail/35320