Webサイト管理にニーズあり
KARTEは、Webサイト訪問者を数字ではなく一人の“人”として立体的に可視化できるSaaSプロダクトだ。顧客がいつ、どのページを見ているのかなどがリアルタイムにわかり、それに基づいてその人の今に合わせたメッセージを送るなど、一人ひとりに合わせた最適な体験を提供することができる。
「より良いCXを提供する」というビジョンをもつプレイドでは、ビジョンを実現するにあたってWebサイトそのものの運営に課題を感じていたという。「これまでのWebサイト運営では、どこに何を置くべきか、お客様が入りやすく滞在しやすいサイトがどうあるべきかを考えても、開発に工数がかかりすぐ検証することができません。より簡単に運営したいという根本的なニーズが明らかになってきました」と大東氏は説明した。
Webサイト管理における3つの制約
現在、Webサイト管理にまつわる課題について、大東氏は以下の3つをあげた。
1つめの「システムによる制約」とは、Webサイトにスクラッチ開発、CMS(コンテンツマネジメントシステム)、A/Bテストツールを利用している部分など、様々なシステムが使われているために起こる制約だ。「簡単な文言の修正なのに、数週間かかる」という場合も多いという。
2つ目の「組織構造による制約」は、前述の「システムによる制約」のように1つのWebサイトに様々な技術が使われており、それぞれを扱う部署が異なるために起こる制約だ。「CMSで管理しようとしても、運用を進めると最初のカバー領域では足りないことがよくある」といい時間や工数を考えると「やりたいこと」より「やらない理由」が浮かぶという状況になっているようだ、と大東氏続けた。
そして、3つ目の「ケイパビリティ(企業や組織が持つ能力)による制約」は人材不足が主な要因だ。開発やデザイン、アナリティクスやマーケティングツールの活用と様々なところで人が不足している。「量的にも質的にも人がいない。この問題は5年連続で深刻化している」と大東氏は「IT人材白書」(独立行政法人情報処理推進機構 社会基盤センター)の調査を引用した。人材不足と同時に、サイト管理が複雑化する分、求められるスキルも多様化しており、よりケイパビリティ改善の難易度が上がっているのが実状だ。
「この3つの課題がWebサイト管理の”当たり前”になっている。我々はシンプルに、直感的にWebサイトを管理、運営できる環境が必要と考えている」と大東氏は続けた。そのビジョンが「Block Management System(BMS)」であり、それを具現化したプロダクトが「KARTE Blocks」だという。