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『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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MarkeZine Day 2020 Autumn Kansai

単なる仮説から“確信”がある施策に モノタロウがコロナ禍に取り入れた、さらなる顧客理解への取り組み

 2000年の創業以来、事業者向けに間接資材を販売する通販サイトとして急成長を続けるMonotaROは、データを徹底活用して顧客体験の向上に成功。コロナ渦にあってもさらに力強く成長している。「MarkeZine Day 2020 Autumn Kansai」に、MonotaROのデータマーケティング部門 CXプロデュースグループ グループ長を務める米島氏が登壇。ニューノーマル時代に適応した同社のBtoBマーケティング施策を解説した。

同一チームに専門家を集め、施策をスピーディーに

 事業者・個人向けに間接資材(ヘルメットなどの工具や消耗品)を扱う、MonotaROが運営するECサイト「モノタロウ」。

「モノタロウ」トップページ
「モノタロウ」トップページ

 主な顧客層は製造業、建設・工事業・自動車整備業で、各現場で利用される道具・資材のほとんどが同EC上で揃えられるという。医療、飲食、学校、農業向けの商品も展開しており、現在品揃えは1,800万点以上、顧客数は484万にのぼる。

 幅広い品揃えながら、UXのわかりやすさで多くのユーザーから支持を得ているモノタロウは、創業当初から一貫して次の課題の解決に取り組んできた。

 「間接資材は多種多様で、商流通は複雑、買うのに手間がかかる。見積もり、交渉が必要で、適正な価格でタイムリーにモノが買えない。探すにも時間がかかる」

 顧客にとって適した商品を探す時間、購入するまでの時間をいかに短縮できるのか、そこに徹底したデータドリブンマーケティングを主軸に追求している。

 データドリブンマーケティングを担うのは、米島氏が所属するデータマーケティング部門だ。

 米島氏によれば、同部門には5カテゴリの専門家が在籍している。PM(プロダクトマネージャー)から、ITエンジニア、データサイエンティスト、マーケティング、UIUXデザイナーまでが同じチームに所属しているのだ。通常多くの会社ではそれぞれ部門として独立しているが、モノタロウではなぜこのような体制になっているのだろうか。

 米島氏は、あえて同一の部署に集約することで、1つの事象を複数の専門的な視点から捉え、意見交換しながらアイデアをブラッシュアップし、スピーディーに施策を展開できる体制を構築していると述べる。

10年連続+20%成長の秘訣は「時間を買える」強み

 こうした体制と、膨大な顧客データの分析によって、UX改善に努めてきた同社は、10年連続で+20%成長という驚異的な成長を続けている。リピーターが多いうえ、1回あたりの平均購入金額も右肩上がりだという。

 興味深いのは、初回注文した顧客の2年目以降の購入単価が増加する傾向にあるという点だ。初回に買った年の10年後、購入金額が倍増する顧客の割合が多いという。長く利用している顧客の比率が高く、かつ長いほど単価が高くなっているのは、優れた顧客体験を提供できている証拠だろう。

 「ネジや工具など、現場作業に必要な資材を購入しようとなった場合、まずは営業担当に連絡して、コミュニケーションしながら適した商品を探します。商品が見つかったら価格交渉して、見積もりをとって……とかなり時間がかかるのが当たり前でした。

 モノタロウは、必要な商品がすぐに見つけられて、すぐに買えて、すぐ届く。ECサイト上ですべての商品価格を公開しているので、見積もりをとる必要もないですし、企業によって価格が変動することもありません。そうして購入にかかる手間をできる限り排除することで、お客様の時間を守っているんです。モノタロウを使えば、商品だけでなく時間も買えるのが、最大の差別化ポイントですね」(米島氏)

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この記事の著者

水落 絵理香(ミズオチ エリカ)

フリーライター。CMSの新規営業、マーケティング系メディアのライター・編集を経て独立。関心領域はWebマーケティング、サイバーセキュリティ、AI・VR・ARなどの最新テクノロジー。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/05/27 07:00 https://markezine.jp/article/detail/35182

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