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第107号(2024年11月号)
特集「進むAI活用、その影響とは?」

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MarkeZine Day 2021 Spring(AD)

鍵はCDPへの理解、上場企業の声から見えてきたマーケティングデータ統合・活用の課題と対策とは?

 顧客接点が多様化し、さまざまなデータが集まるようになっている。これに伴い、テクノロジーも多様化するなか、分散しがちなマーケティングデータを統合管理し活用できるか否かが、企業競争力の重要なポイントになりつつある。実際のところ、企業ではどの程度この取り組みが進んでいるのか。2021年3月3日に開催されたMarkeZine Day 2021 Springにて、上場企業に実施したアンケートをもとに、アンダーワークス代表取締役 田島学氏が実態と課題および、ハードルを越えるヒントを語った。

顧客データの統合・可視化のニーズが激増、その理由とは

 近年、企業と顧客との接点は年々増加・多様化している。自社ECサイトやアプリはもちろん、FacebookやTwitter、Instagram、TikTok、YouTubeなどのSNSも顧客との大切なチャネルとなっており、これらを通じて顧客の行動データやコミュニケーションデータも日々蓄積されている。

 こうした状況を踏まえ、マーケティングソリューション側からも、データ活用を支援するさまざまなテクノロジーが登場している。これらを活用している企業も多いだろう。

 マーケティングテクノロジーを分類した「マーケティグテクノロジーカオスマップ」を毎年発表していることでも知られるアンダーワークスは、2006年に設立されたデジタルマーケティング分野の知見を強みにするコンサルティング企業だ。

 「戦略から実行まで」の知見をワンストップで提供することで、企業のマーケティング活動全般を支援し、日本企業の海外進出プロジェクトを手がけることも多いという。同社に、ここ2~3年で多く寄せられるようになった声がある。それが「顧客データの統合」「顧客を可視化したい」というものだ。

 アンダーワークスでは、日々蓄積されるさまざまなマーケティングデータを適切に統合管理して活用する取り組みを「マーケティングデータマネジメント」と定義している。マーケティングデータマネジメントに取り組みたい企業が増えている理由を、同社代表取締役 田島学氏は次のように述べる。

アンダーワークス株式会社 代表取締役 田島学氏
アンダーワークス株式会社 代表取締役 田島学氏

 「顧客と接するデジタル接点は年々増えており、それに伴いデジタルの重要性も増しています。特にコロナ禍でオフライン接点がデジタルへと移行するなか、その傾向は強まっています。一方で、年々複雑化するマーケティングテクノロジーにより、ツールに蓄積されるデータは分散化、サイロ化する傾向にあります。これらを統合することで、マーケティング活動の成果が上がるのでは、という期待を持ちマーケティングデータマネジメントに取り組む企業、取り組みたい企業が増えていると考えています」(田島氏)

約9割がマーケティングデータマネジメントを重要視

 では、マーケティングデータマネジメントを行うことで、企業は具体的にどのようなメリットを期待しているのか。実際にどの程度取り組みは進んでいるのか。取り組みに当たっての課題は何か。

 こうした実態について深堀するためにアンダーワークスは、日経BPコンサルティングと共に国内上場企業約4,000社に対し調査を実施。約300社から回答を得た。ここからは、調査結果をもとに、マーケティングデータマネジメントをどのように実現していくべきか、田島氏が語った知見を共有したい。

 あちこちに分散しているマーケティングデータを統合したら、誰もが「何かいいことが起こるはず」と期待するはずだ。より詳細な顧客像の可視化や、レコメンドの精度向上を期待するケースもあるだろう。

 以前、田島氏が米国企業のCMOやCDOと話したところ、「将来的にAIが普及すると、自社のデータの量と質を担保しておくことが差別化につながる。今のうちに、自社のマーケティングデータをしっかり統合管理することが必要だ」との考えも多く見られたという。

 では実際に、企業内にはどのようなマーケティングデータが存在しているのだろうか。実施したアンケートで自社が保有しているマーケティングデータを尋ねたところ、上位3つは「Webサイトからの問い合わせデータ」「営業マンの商談管理や顧客応対データ(CRM)」「名刺データ」となった。

 平均すると6.4種類のマーケティングデータを保有しており、「少なくとも、6〜7種類のデータを何らかの形でリアルタイム連携していく必要がある」と田島氏は語る。

 なお、保持しているデータ種類は企業規模に応じて増えており、年商5000億円以上の企業になると、2桁以上の種類のデータを保持しているそうだ。

企業内に蓄積されたマーケティングデータの種類
企業内に蓄積されたマーケティングデータの種類

 この状況を踏まえ、「マーケティングの成果・向上に対し、マーケティグデータマネジメントはどれくらい重要か」を尋ねたところ、「非常に重要」が53%、「重要」も34%で、合計すると87%が「マーケティング成果において、データマネジメントが重要」と考えていることがわかった。

 ただし、重要度については業種によってバラつきがあり、「コンピュータ製造業」「情報通信業」は大多数が「非常に重要」と回答している反面、不動産業や建設業では、あまり重要視されていないことがわかった。

 9割近くの企業が「データマネジメントがマーケティングの成果に重要」と答えてはいるものの、業種の特性によって考え方に差があるわけだ。

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データ活用を重視する企業の約半数「具体的な施策に着手」

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この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2021/04/06 14:33 https://markezine.jp/article/detail/35731

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