電通は、インターネットに接続された家電製品のデータ(IoT家電データ)を活用し、統合マーケティングを行うソリューション「domus optima(ドムス・オプティマ)」(β版)の提供を開始する。同取り組みにより、IoT家電データから、生活者の潜在的な需要を発見し新たな顧客体験の提供を目指す。
第一弾として、広告主へIoT家電データを活用した広告配信と効果検証が可能なソリューションの提供を開始する。
約40万台のIoT家電データ(エアコン・空気清浄機・オーブンレンジ・自動調理鍋・洗濯機)の、利用時間や利用方法などから生活者の潜在的な需要を推定し、インサイトの発見・分析の上、広告配信と効果検証が可能。
IoT家電データは、利用している日時、使用されている機能などが含まれており、AIoT家電データの利活用を推進するシャープからの提供により、データの利用許諾を得て顧客の同意を得た範囲で活用する。
なお、トライアルとして大手食品メーカーでは、オーブンレンジを使用するユーザーに対し、温めるだけで本格料理が作れる商品をデジタル広告で訴求。結果、CTRを35%改善することができた。
また、ファミリー向けの中型オーブンレンジを所有し、冷凍食品の「あたため」機能の利用が多いユーザーからの広告への反応が高く、今後の商品の訴求方法についてより顧客満足度を高めるためのインサイトを得ることができた。
電通グループはこれまで、IoT家電のひとつとしてテレビ機器のデータを活用した「STADIA」の開発・運用を進めてきた。今回リリースした「domus optima」(β版)は、STADIAと連携したマーケティングソリューションとして開発しており、テレビ視聴データやスマホの位置情報データなど、「People Driven DMP」のデータとの連携が可能。
将来的には、例えば季節の食材を使った料理特集がテレビ放送されているタイミングに合わせ、番組を視聴し、かつオーブンレンジを使うユーザーへ、レンジで簡単に調理できる料理のレシピについてスマホや家電を通じて知らせるなどを実現していく。