YouTubeは6月22日、日本版公式ブログにてYouTube動画のコンテンツやフォーマットのトレンドを紹介する「YouTube カルチャー&トレンドレポート 2021」を公開した。また、同ブログでは発表したレポートの中から「リアルタイム性(Immediacy)」「インフォーマル感(Informality)」「没入体験(Immersiveness)」の 3 つのキーワードととも に2020 年のYouTubeのカルチャーとトレンドを紹介した。
ライブ配信によりリアルタイムで時間を共有
外出自粛にともない、多くの音楽コンサートやイベントが中止となった。それに代わる場として、ライブ配信が活用されている。日本では過去12ヵ月の間に64%の人がライブ配信を視聴した。
たとえば、まふまふ氏は2020年5月に、全世界のファンに向けて、東京ドームでの無観客無料配信ライブをYouTubeのライブ配信で行った。8万人を超える人がYouTubeで同時視聴をし、動画の視聴回数は300万回を突破した。
また長時間にわたる“チャレンジ企画”によって視聴者との一体感を生み出したライブ配信の事例もあった。東海オンエアは48時間ウォーキングマシンを交代で歩き続け、サンシャイン池崎氏は「ジャスティス」を1万回叫んだ。どちらのライブ配信も、達成の瞬間には多くの視聴者が立ち会った。
さらに韓国のアーティストBTSのチャンネルで新タイトルの「Butter」にちなんで公開された、1時間以上におよんだバターが溶けていくASMRライブ配信は、世界中のファンたちを一つの場所に集め、リリース発表の瞬間を共有する仕掛けを作り出すことに成功した。
「素」を見せることが主流な表現に
YouTubeでは、フィルターの少ない「素」を見せることが主流な表現になりつつある。
THE FIRST TAKEは、一発撮りによりアーティストの素の姿や、質の高い音楽を届けている。同チャンネルは、登録者数450万人以上、総視聴回数は10億回を超えている。
また自宅で撮影やビデオ会議をすることが一般的になるにつれ、より多くの人がオンラインプラットフォームに動画を投稿するようになっている。日本では47%の人が過去12ヵ月の間に動画コンテンツをオンラインに投稿した。
指原莉乃氏の約30分におよぶメイク術の詳しい解説や、車椅子で生活されているかしわせチャンネルの「夫が障害者になった妻の壮絶な1日ルーティーン」といった日常動画など、クリエイターのありのままを見せた自己表現が視聴者の関心を集めた。
好きな世界に深く浸れる没入体験が求められている
動画コンテンツにて、視聴者が知りたい、好きな世界に深く浸れる没入体験が求められていることもわかった。
緊急事態宣言や外出自粛が続く中、視聴が増加した動画ジャンルの一つが、川の流れ、波の音など、自然の音や映像だ。また花見の時期には、全国の桜を映したハイクオリティな映像も人気となった。Googleの調査によれば、2021 年3月時点において、日本でYouTubeをテレビ画面で視聴する人は2,000万人以上にのぼると指摘。実際に訪れることができない場所を動画で楽しんだという。
また、ゲームコンテンツのコラボレーションでは、参加するプレーヤーごとに異なる視点の動画が生まれた。たとえば、さまざまなオンライン大会が開催されてきたApex Legendsに関連する動画の2020年の平均視聴回数は、2019年のリリース以降と比べ、350%増加した。
また、マインクラフト上で複数のプレーヤーがコラボレーションし架空の物語を作ってゲーム配信を行ったDream SMPは、ファンアートが生まれるなど視聴者をも巻き込んだ没入体験を生み出した。
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