Facebookは19日、都内で記者説明会を開き、同社が提供するSNSサイト「Facebook」が日本語に対応したことを発表した。日本国内からFacebookにアクセスするとサイトが日本語で表示される。すでに英語版を利用しているユーザーはアカウントページから言語の設定をすることで、日本語表示に切り替えることができる。
創設者兼最高経営責任者であるMark Zuckerberg氏は、「Facebookは多くの情報を、多くの人と共有化するということを目的にしている。今回日本語サイトを提供できることを非常に喜んでいる」と述べ、2004年2月のサイト創設以来、4年間で成長してきた経緯を説明した。
Facebookの成り立ち
Facebookは、Mark氏が大学在学中に「自分の友達と、自分の情報について共有したい」という思いから立ち上げたネットサービスで、同じような思いを持っていた大学生に支持されて全米中に急速に広がった。その後は利用者の増加に合わせ、写真の共有やグループの作成機能など、情報を共有するための仕組みを追加している。
さらに、デベロッパープラットフォームというFacebook上にユーザーが自由にアプリケーションを作成できる仕組みを公開。すでに30万人が参加し、2万を超えるアプリケーションが登録されている。こうした背景をもとに、現在のアクティブユーザー数は全世界で7000万人、米国外のユーザーは 3分の2ほどになっているという。
Facebookの特徴
Facebookは、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)と呼ばれるもので、友人や家族と自分の情報を共有しながら、インターネット上でコミュニケーションをとることができる。日本ではmixiやGREEなどがサービスを展開している。
Facebookの大きな特徴は「実名制」という文化が根付いていることがあげられる。名前はもちろん、プロフィール画像や出身校、電話番号などもリアルな情報が登録することが推奨されており、簡単に本人の情報を特定したり、確認したりすることが可能になっている。
そのため、個人情報に対する安全性については十分に考慮されており、登録した情報を「どの範囲まで見せるか」「誰に見せないか」といった設定を細かく行うことができる。「例えば、フォトアルバムを作成したときに、友人とは共有するが、親には見せないということができる。検索で引っかからないようにすることもでき、何でも公開するというシステムではない」(Mark氏)
ローカライズはユーザーの手によって
次いで、インターナショナルマネージャーのJavier Olivan氏がローカライズについて説明し、今回の日本語化にあたってはFacebookの日本語ユーザー430人がおよそ3週間にわたって行ったことを紹介した。
これは「ユーザーにとって一番良いものは、使い慣れたユーザーが知っている」という同社の考えにもとづいたもので、翻訳の内容確認はプロの翻訳家が行っているが、他の言語でも同様の手法がとられているという。
日本での勝算は
日本にはすでにmixiというSNSがあるが、日本での勝算について尋ねられたMark氏は、「Facebookには『リアルピープル・リアルコネクション』という実名でのつながりをそのままインターネット上で展開する特徴がある。アメリカにもMySpaceというSNSがあり、Facebook は後発のサイトだったが、MySpaceよりも急激にユーザーを増やしている。裏を返せば、多くの人が実名でのつながりを求めているのではないかと思う」と、実名制による差別化を日本市場でも生かしていく考えを述べた。
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