メーカーと小売、プラットフォームの協力体制を強化し1to1を促進
MZ:「LINEで応募」の実施を受けて、これからどのようなデータ活用を進めていきたいですか?
根岸:今後、メーカーとしてのデータ活用は大きく2つの方向性で強化したいと考えています。1つは、小売店様との協働です。これまで、小売店様からは分析用の購買データをご提供いただき、カテゴリーマネジメントを行ってきました。今後は、お客様へ直接アプローチできるような形でデータを活用していきたいです。
そして2つ目は、LINEさんをはじめとしたプラットフォームとの連携です。個々のショッパーに対してアプローチできる仕組みを整えたり、効果的にリーチできるようなソリューションも一緒に作っていきたいと考えています。
MZ:これからますますメーカーや小売店の中で1to1のデータ活用が進んでいくと思われます。LINEでは、これをどのようにサポートしていかれますか?
江田:P&G様とのお取り組みのように、メーカーとショッパーが直接つながる仕組みを提供するとともに、各リテール事業者様へソリューションを提供する「リテールパートナープログラム」でも支援を強化していきます。
2022年1月以降にリリースを予定している「LINE POP Media」は、来店客をLINE Beaconでキャッチし、店内にいるユーザーへLINEから情報を発信するという仕組み(※)です。ユーザーが店内にいるタイミングで、キャンペーンなどのお得な情報を届けることができます。最適なタイミング・最適な手段で発信できるよう、さらにブラッシュアップを重ねていきたいです。
(※)「位置情報の取得を許可」をオンにしているユーザーに対してのみ配信が可能。
より楽しいトータルショッピングジャーニーの実現へ
MZ:終わりに、今後の展望をお聞かせください。
根岸:P&Gでは、お客様の買い物の流れを「トータルショッピングジャーニー」と呼んでいます。買い物をする前・買い物の最中・買った後と、複数の接点でショッパーにより良い情報やサービスをご提供し、トータルショッピングジャーニーをより楽しく、進化させていきたいです。
コロナ禍を受けてECが伸びていますが、お店に買い物へ行く楽しさを再発見されているお客様もいらっしゃいます。オフライン、オンラインとどちらのチャネルも活用しながら、買い物の時間をより良い時間にしたいと考えています。
そして、私たちP&Gの「毎日の暮らしをよりよいものに」と、LINEさんが生活を支えるインフラとして目指している「Life on LINE」のビジョンには共通するところが多いと感じています。ぜひ、これからも長期的な取り組みを続けていきたいです。
江田:「ブランド価値をどのようにエンドユーザーへ伝えていくか?」を考えた時、キャンペーンに応募するといった体験も含めた買い物体験がより重要な要素になっていくだろうと実感しています。また、先日実証実験を行った「NFTを活用した新たなデジタル景品」の取り組みも含め、ワクワクするような買い物体験をお届けするため、引き続き「LINEで応募」やLINEの販促領域の様々なソリューション、テクノロジーを活用し、P&G様をサポートしていければと思います。