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成果を出すマーケターに共通する行動パターンとは?知っておきたい50のポイント【お薦めの書籍】

 成果を出していくために、マーケターはどのように力を付けていけばいいのでしょうか。本記事では栗原康太氏・黒澤友貴氏が第一線で活躍するマーケターの行動パターンを体系化した書籍をピックアップ。すぐに実務に応用できる行動の一部を紹介します。

成果を出すマーケターに共通する行動パターンとは?

 今回紹介する書籍は、『マーケター1年目の教科書』(フォレスト出版)。著者は、才流の代表取締役社長である栗原康太(くりはら・こうた)氏と、ブランディングテクノロジーの執行役員CMOである黒澤友貴(くろさわ・ともき)氏です。

『マーケター1年目の教科書』<br />栗原康太(著)・黒澤友貴(著)フォレスト出版 1,800円+税

『マーケター1年目の教科書』
栗原康太(著)・黒澤友貴(著)フォレスト出版 1,800円+税

 栗原氏は2011年にIT系上場企業に入社し、BtoBマーケティング支援事業を立ち上げ。事業部長、経営会議メンバーを歴任。2016年にBtoB営業・マーケティング活動のオンライン化支援を行う才流を設立し、代表取締役に就任しました。「才能を流通させる」をミッションに掲げ、カンファレンスでの登壇、業界紙での執筆、取材など精力的に活動されています。

 黒澤氏は、新卒でブランディングテクノロジーに入社し、中小・中堅企業向けのマーケティング支援に10年間従事。現在は同社の執行役員CMOに就任されています。「日本全体のマーケティングリテラシーを底上げする」をミッションに10,000人近くのマーケターが集まる学習コミュニティ「#マーケティングトレース」を主宰しています。

 凄腕のマーケターと言えば、誰もが思いつかないようなアイデアを提案したり、組織や顧客の抱える問題を鮮やかに解決したりするイメージを持たれる方も多いのではないでしょうか。

 「あのマーケターは特別だ」「センスがいいから成果を出せた」と思われがちですが、栗原氏と黒澤氏は「マーケターに求められる能力を、センスといった感覚的な言葉で片付けてしまってはいけない」と言います。また「センスが良い人がマーケティングの成果を出しているわけではなく、とるべき行動を理解している人が成果を出している」とも続けました。

 では実際、マーケターはどのように行動していけばいいのでしょうか? 本書では、調査・戦略・集客・提案・支援に分け、合わせて50の行動について書かれていますが、本記事では「戦略」パートの一部をご紹介いたします。

ペルソナは妄想で書かない

 自社のマーケティング活動を設計するうえで、ペルソナを明確にすることは欠かせない作業の一つです。ペルソナは商品を実際に使ってくれるであろう典型的なユーザー像のことを指しますが、ペルソナを作ることでチームでの共通認識が持ちやすくなります。

 しかし、ペルソナはどうやって明確にすればいいのでしょうか? 本書では3つのポイントが紹介されていました。

ポイント01 妄想でペルソナを作らない
ポイント02 アクションにつながるペルソナを心がける
ポイント03 ペルソナ作成に時間をかけすぎない

 BtoB商材に対するペルソナの定義であれば、年齢・性別・業種・売上規模・部署や役職・普段の情報収集行動・業務上の問題などがよく使われます。こうした設定を、妄想で作らず、定量調査・定性調査を駆使して根拠を持ったペルソナ作成を心がけることが重要です。

 またペルソナがマーケティング行動につながらなければ意味がありません。今回の例は BtoB商材のため、BtoC商材で使うような「休みの過ごし方」などを入れても実用性は低いと言えます。一方、「普段見ているメディア」「業務の関心事」などは行動に直結しやすい項目です。

 ペルソナを作成する際、最終目標をどこに置くかを考え、ペルソナを定義していくことも重要だと同書では指摘されています。加えて「チーム内で一定の共通認識を持てることが一番重要なため、時間をかけすぎないこともポイント」だと語られていました。

会社の「ビジョン」をマーケティング組織に取り込む

 その他にも、マーケティング活動のありたい姿を描いていく中で「自分たちが3年後どのようになっていたいかを言語化することから始める」のが良い、と本書では指摘されています。10年では長すぎるうえ、先が見通せないことが多く、逆に1年だと、短すぎて大きなビジョンを明確にしづらい。そのため「3年をイメージしながら足元の数字もしっかり積み上げられている状態を目指していくことが良い」と言い、3つのポイントが紹介されました。

ポイント01 まずは荒くてもいいから形にする
ポイント02 チームに共有する
ポイント03 足元の成果をしっかり出す

 自社の事業戦略などと照らし合わせ、どのような状態になっていれば自分たちの「勝ち」と言えるのか、その条件を形にしておくことが重要です。理想のマーケティング活動をするための、勝利条件から逆算して「マーケティングチームのとしてあるべき姿、やるべきことを決めていきたい」と語られていました。また、ポイントは「最初から完璧に仕上げようとせず、日々の発見や変化を反映しながら、完成度を高めていく」ことが重要だと言います。

 本書ではこうしたマーケティング行動のポイントに加え、実践者のインタビューも収録されています。マーケティング1年目の方はもちろん、ベテランの方々にお薦めの書籍です。本書を通して、改めて基礎を見直し、実務に活かしてみてはいかがでしょうか。

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この記事の著者

齋藤 ゆう(編集部)(サイトウ ユウ)

大学卒業後、広告代理店に入社しマーケターに。その後、事業会社に転職。金融・美容分野のマーケティング・企画・運営・セールスに携わる。2020年、翔泳社に入社しMarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/12/06 09:00 https://markezine.jp/article/detail/37566

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