「ノーコード」「つなぎ込み不要」でリソースを大幅削減
MZ:御社では現在、データマーケティングツール「b→dash」を活用していると伺いました。導入した理由を教えてください。
清水:データの「統合」と「活用」の観点でそれぞれ説明します。
まずは「統合」の観点ですが、一般的なMAツールやデータ統合ツールでは、データの集計や統合にはSQLを書く必要がありますが、弊社の場合はそのSQL作業を別途外注しなければなりませんでした。しかしb→dashでは、SQLが要らずノーコードでデータの集計や統合が可能であったため、外注がそもそも不要となり、やり取りする時間や費用を削減できました。この点が非常に良かったです。
また、「活用」の観点で申しますと、b→dashはデータ統合、メール配信、LINE配信、シナリオ、レコメンド、Web接客、データ分析などの複数の機能をAll in Oneで提供しているため、機能間でのデータのつなぎ込みが必要ありません。「データ分析した結果をそのままセグメントしてシナリオに使える」「レコメンドのデータを連携なしでメールに差し込める」というようにデータ分析から施策まで一気通貫で利用できる点もb→dashを選択した理由の1つです。
MA経由のCV数が約4倍、店舗からECへの送客率を約3.5倍に
MZ:b→dashを使うことで、実際にどのようなことが実現できたのでしょうか?
木下:様々な施策を実現できていますが、大きく成果が出た施策としては、お客様の年代別に、お客様の反応やアクションに基づいてお送りした「ステップメール」が挙げられます。
木下:まずb→dashのデータ加工の機能を用いて、お客様の誕生月データをもとに年代を算出し、その年代に応じたセグメントでメールを送信した上で、お客様のメール開封、サイト流入などの行動に基づき、異なるご案内のメールが次のステップとして届くよう、MAのシナリオを分岐させました。
具体的なシナリオとしては、メールを開封しなかったお客様にはキャンペーンのご案内をし、開封してくださったお客様は、さらにサイト流入したかどうかで分岐を行い、流入したお客様にはECサイトの閲覧履歴に基づいたおすすめ商品をご案内する、流入しなかったお客様にはECサイトの閲覧数が多い商品をご案内する、といった内容です。
元々、年代別に商品をおすすめするメール施策は行っていましたが、単発でのメール配信のみで、ステップ化したメール配信は実施していませんでした。単発配信時とステップ配信時でメール経由でのCV数を比較すると、約2倍に改善できています。
この他にも、店舗で商品を購入いただいたお客様に対してECサイトでの購入をおすすめする施策なども実施しています。これらを含め、様々な施策を工夫して積み重ねていったことで、前年対比でMA経由のCV数を約4倍、店舗からECへの送客率を約3.5倍にさせることができました。
大容量のデータ統合により分析が高度化
清水:施策と合わせて、b→dashを活用したデータ分析にも取り組んでいます。こちらもできるようになったことは多くあるのですが、効果的だったのはECサイトの訪問データを活用した分析ですね。
元々b→dashとは別にサイトアクセス解析ツールは導入していたのですが、ログデータの量が膨大になり、購買データなどと統合して分析をすることが難しい状態でした。一方 b→dashでは、サイト訪問データや購買データなどの容量が大きいデータでもスムーズに統合が可能です。
たとえば、1ヵ月以内にCVがあったお客様のうち、「1週間以内にサイトにアクセスした方が何名いるか」「2週間以内は何名か」「1ヵ月以内は何名か」といった分析や、お客様の LTV向上に向け、購入状況や訪問状況などの状況別にRFM分析を行い、関係性に変化のあったお客様へ施策を実施するといったことがスムーズにできるため、分析に基づいた施策が非常に行いやすいですね。