顧客の今に寄り添う業態を目指してDXを推進
MarkeZine(以下、MZ):OMOおよびDX推進に伴い、データマーケティングツールの導入をされたと伺いました。どのような経緯でツールの導入を検討したのでしょうか?
清水:近年、お客様の生活スタイルや購買行動が大きく変化していることを踏まえ、弊社内においても、リアル店舗、ECサイトともにデジタルを用いたお客様との接点をもっと増やしていこうという、OMOやDXの考え方が強くなってきました。
清水:このOMOおよびDX推進の取り組みの1つとして、社内にあるECと店舗の顧客データ、売上データ、ECサイトの訪問データといったデータを活用することで、よりお客様に満足いただけるサービスを提供したいと考え、マーケティングオートメーション(MA)やデータ統合ツール(CDP)の検討を開始しました。
たとえば、お客様にお届けするメッセージのパーソナライズも実現したいことの1つです。これまで以上にお客様一人ひとりに寄り添ったコミュニケーションを実現するため、本格的に着手したいという想いがありました。
ツール選定基準は「データ統合から施策まで一気通貫」
MZ:ツールを選ぶにあたり、どのような基準がありましたか?
清水:ツール選定においては「統合したデータを、複数のツールに連携することなく、分析から施策までを一気通貫で実現できるかどうか」という点を重視していました。
弊社の場合、店舗においては顧客データや売上データが店舗ごとにあります。またECサイトにおいては「阪急のコスメ、フード、ファッション、メンズ」そして「阪神」「ギフト」と合計6つのカテゴリに応じたサイトがあり、それぞれで受注データやサイト訪問データが存在します。そのため、これらの大量のデータを統合する必要がありました。
また、店舗やECのデータを統合できたとしても、データの活用先であるメール配信やLINE配信、ECサイトへのポップアップ表示、データ分析といった機能がツールごとにバラバラに分かれてしまっていると、ツールごとにデータのつなぎ込みが必要になってしまい、その分手間や工数がかかってしまいます。そのため、なるべくデータの統合から分析や施策の実施まで一気通貫で実現できるツールを探していました。
「ノーコード」「つなぎ込み不要」でリソースを大幅削減
MZ:御社では現在、データマーケティングツール「b→dash」を活用していると伺いました。導入した理由を教えてください。
清水:データの「統合」と「活用」の観点でそれぞれ説明します。
まずは「統合」の観点ですが、一般的なMAツールやデータ統合ツールでは、データの集計や統合にはSQLを書く必要がありますが、弊社の場合はそのSQL作業を別途外注しなければなりませんでした。しかしb→dashでは、SQLが要らずノーコードでデータの集計や統合が可能であったため、外注がそもそも不要となり、やり取りする時間や費用を削減できました。この点が非常に良かったです。
また、「活用」の観点で申しますと、b→dashはデータ統合、メール配信、LINE配信、シナリオ、レコメンド、Web接客、データ分析などの複数の機能をAll in Oneで提供しているため、機能間でのデータのつなぎ込みが必要ありません。「データ分析した結果をそのままセグメントしてシナリオに使える」「レコメンドのデータを連携なしでメールに差し込める」というようにデータ分析から施策まで一気通貫で利用できる点もb→dashを選択した理由の1つです。
MA経由のCV数が約4倍、店舗からECへの送客率を約3.5倍に
MZ:b→dashを使うことで、実際にどのようなことが実現できたのでしょうか?
木下:様々な施策を実現できていますが、大きく成果が出た施策としては、お客様の年代別に、お客様の反応やアクションに基づいてお送りした「ステップメール」が挙げられます。
木下:まずb→dashのデータ加工の機能を用いて、お客様の誕生月データをもとに年代を算出し、その年代に応じたセグメントでメールを送信した上で、お客様のメール開封、サイト流入などの行動に基づき、異なるご案内のメールが次のステップとして届くよう、MAのシナリオを分岐させました。
具体的なシナリオとしては、メールを開封しなかったお客様にはキャンペーンのご案内をし、開封してくださったお客様は、さらにサイト流入したかどうかで分岐を行い、流入したお客様にはECサイトの閲覧履歴に基づいたおすすめ商品をご案内する、流入しなかったお客様にはECサイトの閲覧数が多い商品をご案内する、といった内容です。
元々、年代別に商品をおすすめするメール施策は行っていましたが、単発でのメール配信のみで、ステップ化したメール配信は実施していませんでした。単発配信時とステップ配信時でメール経由でのCV数を比較すると、約2倍に改善できています。
この他にも、店舗で商品を購入いただいたお客様に対してECサイトでの購入をおすすめする施策なども実施しています。これらを含め、様々な施策を工夫して積み重ねていったことで、前年対比でMA経由のCV数を約4倍、店舗からECへの送客率を約3.5倍にさせることができました。
大容量のデータ統合により分析が高度化
清水:施策と合わせて、b→dashを活用したデータ分析にも取り組んでいます。こちらもできるようになったことは多くあるのですが、効果的だったのはECサイトの訪問データを活用した分析ですね。
元々b→dashとは別にサイトアクセス解析ツールは導入していたのですが、ログデータの量が膨大になり、購買データなどと統合して分析をすることが難しい状態でした。一方 b→dashでは、サイト訪問データや購買データなどの容量が大きいデータでもスムーズに統合が可能です。
たとえば、1ヵ月以内にCVがあったお客様のうち、「1週間以内にサイトにアクセスした方が何名いるか」「2週間以内は何名か」「1ヵ月以内は何名か」といった分析や、お客様の LTV向上に向け、購入状況や訪問状況などの状況別にRFM分析を行い、関係性に変化のあったお客様へ施策を実施するといったことがスムーズにできるため、分析に基づいた施策が非常に行いやすいですね。
実施すべき分析や施策を理解するまでのサポートも重要
MZ:最後に、現在OMOやDXの推進および、それに伴うデータマーケティングツールの導入を検討している企業へメッセージをお願いします。
木下:清水がお伝えした「データの統合から分析や施策の実施まで一気通貫で実現できるか」という点はもちろん重要なのですが、もう1つツールを選定される際に検討するべきポイントがあるとすると、サポートの観点だと思います。
データの統合から活用まで一気通貫で実施できる環境があったとしても、そもそもデータを活用してどのような分析や施策をしたいかという点がしっかりしていないと、成果にはつながりにくいです。
弊社においてもお客様満足度を向上するためや、売上を上げるためにどういう分析や施策をするべきか、というのは非常に悩んだのですが、b→dashのカスタマーサクセスの方が、弊社がやりたいことを丁寧に聞いてくれた上で他社事例なども交えて、実施するべき分析や施策の提案をしていただけたのでとても助かりました。
また、b→dashの場合はカスタマーサクセスの方による提案やアドバイスの費用が追加でかからない点も非常にありがたかったです。さらに、どういう分析や施策を実現するかが決まったあとに行うデータの操作についても、弊社のデータの持ち方を理解した上で、丁寧に説明、回答してくれるのでとても助かっています。
OMOおよびDX推進に向けて、「データの統合から分析や施策の実施まで一気通貫で実現したい」「分析や施策に必要なアドバイスを受けたい」といった要望がある企業にとって、b→dashは良いツールだと思います。
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