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MarkeZine Day 2021 Autumn

「小さく始めたからこそ、上手くいった」日立製作所のBtoBマーケのPDCAサイクルが回るまで

BtoBマーケティングの体制が整った先に見据えるもの

 営業とマーケティングの連携もスムーズになり、BtoBマーケティングの型が固まってきた日立製作所。佐藤氏はさらなる進化を目指し、事業部門間の連携にも力を入れているという。これまでは事業ごとに顧客情報を管理していたため、「お客様のニーズに応えられるソリューションを他事業が持っていたとしても、連携できない状況でした」と佐藤氏は語る。

 そこで佐藤氏は、全部門の顧客情報を統合するためのシステム構築を実行。さらに「ただ集約するだけでは意味がない」、集約したデータを目的に合わせて活用できるようにBIツールの導入を決めた。

 「部門や担当業務によって必要な顧客情報は変わってきます。だから、欲しい情報を簡単に切り出せる状態にしておく必要があると考えました」(佐藤氏)

 佐藤氏によればBIツールの導入を通じて、製品開発、営業、マーケティングの各部門が知りたいことをピンポイントで把握できる動的なダッシュボードの開発を進めているという。

どの事業規模でもスモールスタートが重要

 セッション終盤、佐藤氏はマーケティング立ち上げを成功させた要因について、「まず小さくトライして、改善しながら拡大していったのが良かった」と振り返った。

 「当社の場合、最初は二人から始めて、徐々にチームの規模を拡大し、全社的な取り組みに拡大できました。最初から人数をかけてマーケティング部門を立ち上げるよりも、効果を確認しながら、小さいところから少しずつ大きくしていくのが良いと思います」(佐藤氏)

 また、佐藤氏によれば、「導入するソリューションも少しずつ広げていくのが良い」という。

 「たとえば、システム基盤も『今はこのようなデータだけあれば良い、運用に乗ったら次はこのようなデータを取っていこう』などと、徐々に拡張していけば良いと思います」(佐藤氏)

 確かに、現在は様々なSaaSが登場し、ツール間の連携も行いやすい。そのため、要件定義に工数をかけて大規模な基盤を作るより、必要に応じて大きくしていくほうが運用に乗りやすいのだ。

 そして最後に佐藤氏は、これからデジタルを駆使したBtoBマーケティングに取り組む企業にアドバイスを送り、セッションを締めくくった。

 「デジタルでなんでもできるというのは、違うと思っています。デジタルマーケティングを行うには、営業部門との連携やお客様との対話などアナログな要素をミックスしていかなければなりません。データだけをベースに活動できるものではないことをマーケターが認識しておくことが重要です」(佐藤氏)

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この記事の著者

水落 絵理香(ミズオチ エリカ)

フリーライター。CMSの新規営業、マーケティング系メディアのライター・編集を経て独立。関心領域はWebマーケティング、サイバーセキュリティ、AI・VR・ARなどの最新テクノロジー。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/12/09 09:00 https://markezine.jp/article/detail/37839

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