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「事業をどう伸ばすか」から会話してテレビCMを実施。Chatworkとノバセルが見出した戦い方とは?

「事業をどう伸ばすか」から会話できるパートナーを求めていた

MZ:パートナーを選ぶ際に重視したこと、ノバセルさんに決定された決め手について教えてください。

大森:競合の動きも踏まえ、早く成果を出したかったので、失敗する回数は減らしたいと思っていました。そのためテレビCMの成功要因について他社の取り組みなども研究し、以下の3要素を満たすパートナーさんとご一緒しようと考えました。

(1)事業そのものや顧客の気持ちを理解して、戦略を一緒に考えてもらえる
(2)その戦略に基づいたクリエイティブを作ることができる
(3)PDCAを早く回せる

 ノバセルさんが他の代理店さんと大きく違ったのは、コミュニケーション戦略やテレビCMに行き着く前に、「事業をどう伸ばすか」について論理的に会話させてもらえたことです。

 またノバセルさんは、母体であるラクスルさんが自分たちの身銭を切ってテレビCMを放映し、勝ち切ったノウハウをお持ちです。それを共有したり再現してもらうことで、成功の確度が上がるのではないかという期待も大きかったですね。

立花:我々としては「ビジネスパートナー」であることは当然の姿勢です。ビジネスに貢献しようとすると、Chatworkさんの利益創出構造やユーザー獲得方法から考えていくことが欠かせません。自分たちでChatworkを使いこんで解像度を高め、競合他社のツールも使い、その違いを1人のユーザーとして理解しようと努めました。それがあって初めて、テレビCMの話に進むことができます。

 またノバセルには、BtoB/BtoCの事業会社でマーケティングを経験してきたメンバーが多数いますし、我々自身のサービスに多額の投資をしてテレビCMを運用し、事業を成長させています。大森さんもおっしゃるように、痛みは一緒です。

大森:もうひとつ、社内調整をするマーケター目線で言うと、やはりテレビCMはコストが大きいので、経営陣の理解を得ることが非常に重要です。経営陣に上申する際、どうやって説明し、納得してもらうかのハードルが高いのです。その点、ノバセルさんからいただいた資料をベースにして論理立てて説明したことで、社内からの理解も得やすかった。当社でもスムーズに事が進みました。

ノバセルが提案したのは、便益を言い切ること

MZ:続いて、テレビCMの企画・制作についてうかがいます。今回のクリエイティブが生まれた背景は?

ノバセルテレビCM制作事例 _Chatwork_ヒーロー・中小企業社長篇 15s

立花:N1インタビューなどの各種調査から、製品が市場に浸透をしていない段階で細かい優位性を語っても差が目立たず勝ちきれない、ということが見えてきました。一方、Chatworkさんはビジネスチャット国内利用者数No.1*という強みがある。その立ち位置を活かし、「ビジネスチャットならChatwork」と言い切って便益を伝えることが有効と結論づけました。

 これをクリエイティブに落とし込む際、出てきたアイデアが“サービスの擬人化”です。戦隊ヒーローのようなキャラクターを登場させて社名を連呼し、浸透を狙いました。

大森:実は当社でも、機能で差別化していくのは難しいという認識はありました。その中で、立ち位置を活かした“言い切り”を提案していただいたことは大きかったですね。

 またChatworkという会社はとても真面目な社風で、プロダクトもシンプルがゆえにどちらかと言うと硬派で地味なイメージをユーザーに与えてしまっている印象があります。テレビCMも同じタッチで制作してしまったら、他社のテレビCMの中に埋もれてしまうのではないかという懸念があったのですが、それに対して、今回のクリエイティブはパンチが効いていますよね。最初に経営陣にクリエイティブを見せた時、「これは外資系の競合他社はやらない戦い方だ」「国産ベンチャーの我々だからこそできるという反応で、すぐに採用が決まりました。まずは目を引くところから始めて、そこから徐々にプロダクトの優位性やビジネスチャットの利点を伝えていく戦略を描いています。

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わかりやすい訴求が奏功し、各エリアで認知率が上昇

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この記事の著者

那波 りよ(ナナミ リヨ)

フリーライター。塾講師・実務翻訳家・広告代理店勤務を経てフリーランスに。 取材・インタビュー記事を中心に関西で活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2022/01/31 11:30 https://markezine.jp/article/detail/38027

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