12月23日、TBWA HAKUHODO、PR TIMES、FUKKO DESIGN、TABIPPO、READYFORの5社は『新しい時代に対応する観光復興ガイド2022-全国の事例48選-』を発表した。
行動が規制される期間が長かった2021年。人々にとっては観光しづらく、観光事業者にとっては厳しい状況が続く中、SNS上の投稿(2,018万2,690件)を分析すると、人々の旅行に対する意向は上がっていることがわかった。同ガイドは、コロナ禍の観光業界に向けて役立つガイドを作りたいという考えから、分析から見える兆しと、その事例をまとめたもの。今回が第三弾となる。
2021年の旅行に対するSNS上の投稿(※)で特徴的だったのは、「不安」の減少と「期待」の増加。2020年と2021年とで「不安」に関する投稿は36.4%減少したのに対し、「期待」に関する投稿は7.5%増加していた。
話題別に見ると「旅の目的」に関する投稿が10.6%増加しており、『どんな体験をしたいか』という具体的な旅の目的を投稿する人が目立ってきている。
ガイドでは、そんな人々が求める「旅の目的」として「旅行意欲を高める24の兆し」を紹介。また、具体的な実施施策についても、24の兆しに対して各2件ずつの48件の事例が紹介されている。
※集計期間:①2020年3月1日~2020年11月30日、②2021年3月1日~2021年11月30日
集計対象:「旅行」「旅」「観光」を含むTwitter投稿
集計数:①2,040万3,272件、②2,018万2,690件
ここからは事例の一部を紹介する。
兆しNo.9「繋がり旅」
一人旅から現地での繋がりを求める「繋がり旅」の事例として挙げられるのは、KabuK StyleとTABBIPOが実施した、余白あるプログラムで参加者同士が繋がるきっかけをつくる「トラベルウィーク」だ。
全国5エリアで、現地集合・現地解散で共に旅をするというもの。累計300名以上の参加者による専用オープンチャットや、地域の人々を巻き込んだ現地での交流イベントを開催。フリータイムを設け、また、運営だけでなく参加者も企画できるようにするなど、あえて旅程に余白を設けることで参加者や現地住民の偶発的な繋がりを生み出した。
兆しNo.23「早朝/深夜」
ピークタイム回避にもつながる「早朝/深夜」の活動として、小豆島ヘルシーランドでは路地と古い建物を妖怪の出没スポットに見立て、夜間限定の妖怪イベントを開催。夜しかできない楽しみ方を提案した。
明治時代の呉服屋等をリノベーションした「妖怪美術館」(全4館)では100点以上の妖怪造形作品を展示。飲食店では妖怪をイメージした写真映え抜群のメニューを味わえる。夜ならではの怪しい雰囲気で街の魅力発信につなげている。
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