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「メタバースって何?」いまさら聞けない基本情報からマーケティング効果、活用時の心得を徹底解説!

 ここ最近、マーケティング業界でも登場頻度が上がっている「メタバース」という概念。何となく把握はしていても、どのような活用方法や効果があるのかを理解しているマーケターはまだ少ないのではないでしょうか。本記事では、企業やブランド向けにメタバースの構築支援を行うSynamonのCOO・武井氏が、メタバースの定義から市場概況、マーケティング効果を解説。メタバースの持つ可能性をマーケター目線で紐解きます。

メタバースはバーチャル世界で活動できる仕組み

 現在「メタバース」には様々な定義が存在していますが、シンプルに表現すると「3DCG技術でバーチャルな世界を構築し、人々の交流や経済活動を含めた様々な活動ができる仕組み」がメタバースであると言えます。

 元々の語源は、超越を意味する「meta」と、宇宙を意味する「universe」から作られた造語で、ニール・スティーヴンスンのSF小説「スノウ・クラッシュ」内の仮想世界を指す言葉でした。しかし今やメタバースという言葉は1つの小説の枠を超え、一般概念として浸透しつつあります。

 メタバースと聞いて「VR」や「NFT(非代替性トークン)」といったキーワードをイメージされる方も多いのではないでしょうか。実は、メタバースにとってVRやNFTは必須ではなく、バーチャルな体験やエコシステムを拡張する要素の1つという位置づけです。

 これまで2次元の世界だったインターネットが3次元の空間を持つメタバースに進化することで、現実により近い体験、さらには現実を超える体験すらもデジタル上で提供できるようになるというのがメタバースの持つ根幹の価値と言えます。

ディズニーらトップ企業が参入する3つの背景

 ではなぜ今メタバースが注目を集めるようになったのでしょうか。その背景には経済・社会・技術という3つの要素が絡み合っています。

 1つ目の経済的要因として、2021年10月末にFacebookが社名をMetaに変更し、メタバース企業になると宣言したことが挙げられます。この出来事がメタバースの隆盛を引き起こした最大の起爆剤となったのです。その後、ディズニーやNIKEといった巨大ブランドもメタバース領域への参入を発表。さらに、NFTをはじめとした暗号資産への投資の一部がメタバースの文脈に合流し、大きな話題となったことも重なりました。このような背景から、メタバースは大きな経済成長が期待できる分野として、グローバル規模のメガトレンドになりつつあるのです。

【クリック/タップで再生】FacebookがMetaへの社名変更を発表した「Connect 2021」の基調講演

 次に、社会的な要因として2020年以降の新型コロナウイルス蔓延にともなうバーチャルサービスの台頭が挙げられます。この時期に任天堂の「あつまれ どうぶつの森」や、Epic Gamesの「フォートナイト」といったゲームを中心に、3DCGで作られたバーチャルな世界に集う文化が広く世間に浸透しました。また、ビジネス面でもテレワークやウェブ会議が当たり前のものとなり、オンライン上で人に会うという行為への心理的なハードルが急激に下がったことも成長要因の1つです。

 最後に技術的な要因として、スマホやタブレットなどの端末スペックの向上が挙げられます。つまり、多くの人が携帯する端末から3DCGをベースとしたバーチャル世界へ手軽にアクセスできるようになりつつあるのです。

 また、Meta社が2020年後半に「Quest2」という高性能なスタンドアロン型VRデバイスを発売。同商品は全世界で1,000万台以上売れています。こうした技術的な基盤整備がメタバースの普及を下支えしているのです。

出典:Quest2

出典:Quest2

 メタバースの話に必ず付随するのが「過去にセカンドライフ(※)が失敗したので今回も一時的なブームで終わるのではないか」という懸念です。しかし、セカンドライフがブームになった2007年頃とは技術面や社会面で状況が大きく変わっています。メタバースはようやくSF作品の枠を超え、現実世界で実装されようとしているのです。

※2000年代後半に流行した3次元の仮想空間。接続速度の低下やSNSの台頭によりユーザー数が減少した

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この記事の著者

武井 勇樹(タケイ ユウキ)

 新卒でITベンチャーのSpeeeに入社し、SEOを中心としたWebマーケティングのコンサルティング等に従事。その後、イノベーションの最先端であるシリコンバレーでビジネスを学びたいと考え、渡米してUC Berkeley ExtensionのThe International Diploma Programs(IDP...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/01/27 09:00 https://markezine.jp/article/detail/38143

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