国内広告関係者の調査でわかった、5つの発見
IASが2月3日に発表したIndustry Pulse Reportは、2021年12月に日本のデジタル広告関係者125名に対し行った、2022年に業界が直面するであろう課題や期待される機会に関するアンケート結果がまとまっている。回答者は広告主/ブランドをはじめ、広告代理店、DSPやアドネットワーク関連企業など様々な立場の関係者となっている。
IASの日本法人のカントリーマネージャーを務めている山口氏は、この調査結果の中から、以下5つの視点でポイントを紹介した。
1.2022年日本の最優先メディア環境とフォーマット
2.デジタル広告業界が直面する深刻な問題
3.モバイル-テクノロジーの進化がもたらす好機と課題
4.デジタル動画-優先度第2位
5.ソーシャルメディア-優先度第3位
1.2022年日本の最優先メディア環境とフォーマット
まず、最重要メディアと捉えているものを各社に質問したところ、日本ではモバイル環境が60%で1位となった。2位にはデジタル動画(53%)、3位にはソーシャルメディア(45%)が続いた。
また、IASはアメリカでも同じ調査を実施。1位は日本同様モバイル環境(76%)だったが、2位がソーシャルメディア(72%)、3位がデジタル動画(61%)と順位が入れ替わっていた。さらに、IASのCMOを務めるトニー・マーロウ氏によると、「アメリカのデジタル動画では、コネクテッドTV(CTV)やストリーミングに対する投資が行われている」という。
2.デジタル広告業界が直面する深刻な問題
2つ目は、デジタル広告業界が直面する深刻な問題について調査。日本では、第三者クッキーの非推奨化が1位、2位がデータプライバシー法と、データ活用に関連した課題に対する懸念が強いことがわかった。
この結果に対し、山口氏は「我々もコンテクストターゲティングやクオリティアテンション(IASの計測指標)を提供して、課題の解決を支援したい」とした。
3.モバイル-テクノロジーの進化がもたらす好機と課題
3つ目は、モバイル環境のテクノロジーの進化がどのようなチャンスと課題を生むかを調査。日本では、2022年にインターネットユーザーの81.2%が、モバイルを介してメディアを利用するようになる予測だという。また、アンケートでは73%が「モバイル環境においてはアドフラウドがより深刻な問題になる」と回答した。