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各顧客にマッチした提案はどこまでできるか “検索体験”にこだわったカシオのサイトリニューアル

顧客の検索意図をAIが汲んで最適化する「Yext Answers」

MZ:「Yext Answers」は、AIの自然言語処理を活用した検索システムですよね。テキストクローリングのように機械的ではなく、ユーザーの検索意図を汲んで最適化した選択肢を提供する、と聞きました。

石附:そうですね。私が最初に「Yext Answers」のサイトを見たときに感動したのは、おっしゃる通り本当にユーザーの意図を踏まえた提案と表示の仕方になっていることでした。提示されていた例ですが、「アメリカンクラブ カロリー数」で検索すると、テキスト検索だと当社の以前のサイトのように不必要なページもすべて羅列されてしまいますが、Yextではカロリー数がまず提示され、次にメニューの紹介が出ていました。

 また、米国のキャンベル社のサイト内検索も、顧客の視点でとても使い勝手がよかったです。「トマトスープ」で検索すると、製品だけでなくレシピやFAQがカテゴリー別に見やすく表示されていました。

MZ:なるほど、それだと自分が欲しい情報もすぐ見つけられ、ランディングした先が意図と違うということも少なさそうです。顧客の意図を汲み、検索体験を向上する点が、導入の決め手になったのですか?

石附:はい、決め手のひとつです。加えて、「Yext Knowledge Graph」というデータベースが、既に使っていたAdobe製品と容易に連携できることも大きかったです。当社は製品数が非常に多く、新しい製品が出る度に相当量の製品データをデータベースに追加するので、データの扱いと活用が円滑にできることは重要でした。

Yext検索からの商品購入率が約3倍に

MZ:では、Yextを導入した成果をうかがえますか?

石附:導入とともに、サイト全体のUI/UXを見直したり検索を少し目立たせたりといった工夫もしていますが、それを差し引いても、数字で目に見える成果が現れています。まず、検索件数が旧サイトの3倍以上に伸びました。

 全訪問のうち、検索を使う人自体はまだ7%と低いものの、以前は3割ほどだった検索後の候補ページのクリック率が、4割近くに改善しています。そして、検索から最終的に商品購買につながった人を比べても、CVRが3倍に増加しました。顧客の期待を裏切らず、ニーズに合ったサイトへ遷移していただくという理想的な顧客体験に近づけているのではないかと思います。

MZ:これは、手応えのある数字ですね。

石附:そうですね、期待以上でした。さらに、直近3月上旬までの実績で、既に売上の25%がYext検索を使った人によるものでした。検索行為をすること自体、興味が高いことの表れではありますが、それでもサイト訪問全体の7%の検索ユーザーが、25%の売上を上げているのは驚きました。検索時に提示する選択肢が、しっかりとその人の意図や期待を汲んだものだったからだと思います。やはり、精度の高い仕組みを導入して顧客ニーズに応えれば、購買行動に確実に跳ね返るのだと実感しました。

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「スーツに似合う腕時計」などのワード提案で検索を促す

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2022/04/20 10:00 https://markezine.jp/article/detail/38644

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