成果地点は「ユーザー体験」を軸に設定することが最重要
MZ:では、効果的にリワード広告を活用するポイントを教えてください。
柏瀬:先ほど、リワード広告は広告主様の目的に合わせてプロモーションできるとお話ししましたが、本当に重要なことは、ユーザー体験だと考えています。たとえば「会員登録」を成果地点とし、広告主のサービス側で「1ヵ月無料体験」のキャンペーン等を用意するとします。ユーザーはその無料期間で、有料会員としての「体験」を得る。そこで「このサービスはこんな風に使えば良いのか」とか「こんなに便利なんだ」という体験ができれば、サービスの継続利用を検討するでしょう。
つまり、リワード広告によって体験のきっかけを提供し、その後のアクションにつながる設計を作れるかが鍵となってきます。全体としては、LTVが高い商材との相性がいいと思います。数年前からサブスクサービスが拡大してきたことで、リワード広告にも再度注目が集まってきたという側面もあるかもしれません。
ただ、サービスを使ってもらうことを目的とし、その入り口にある「会員登録」という操作を成果地点に設定すると、モノによってはすぐ解約されてしまいます。そこで、その先のワンアクションもセットにした設計が必要です。
MZ:その先のワンアクションとは?
石田:たとえばサブスクサービスなら、会員登録の後に数日間継続利用という成果地点もセットにするなどが例として挙げられます。サービスを繰り返し利用してもらい、ユーザーの日常に入り込むことで、継続利用を促す効果を期待できます。成果報酬として付与したポイントは、無料体験後の有料利用の後押しにもなりえます。
一方ゲームアプリなどでは、チュートリアル突破などの浅い成果地点だけでなく「レベル30までクリアしたら○ポイント」など、ユーザーが深く体験できる成果地点を柔軟に作ると良いでしょう。クライアント様の中で、「ここまで継続してもらえたらその後も継続されやすい」といった地点があるはずなので、その少し手前に置いたり、後ろに置いたり、ユーザーの反応を見ながら柔軟に決めていくのがおすすめです。
インセンティブと成果地点のバランスに注意
MZ:逆に、NGな使い方はありますか。
石田:最近、課金要素がそこまで多くないゲームアプリで、成果地点を「課金」としたいというご要望がありました。課金を成果地点とすることはできますし、獲得も増えるかもしれませんが、それはクライアント様が本当に目的としていることなのかを疑問に思い、別の成果地点を提案させていただきました。闇雲に設定するのではなく、目的を忘れないことが大切です。
柏瀬:NGなパターンは、出稿したが獲得につながらないというパターンと、獲得はできているが費用対効果が合わないという2つのパターンがあると思います。前者が起きやすいのは、ポイント獲得条件が厳しい割にリターンが少ないといった設計。これだと、ユーザーとしては印象が良くないですよね。
このように、インセンティブと成果地点のバランスが悪く、ユーザーがネガティブになる設計はやめたほうがいいでしょう。特にポイ活の潜在層に向けてリワード広告を活用しようとするなら、よりユーザーに受け入れられるような成果地点を設定することが重要です。
費用対効果が合わないパターンとは、ユーザーが十分にコンテンツを楽しんでもらう時間がなかったり、できることが少なすぎたり、きちんとコンテンツを使う前に離脱してしまうことです。これもインセンティブと成果地点のバランスが良くないと言えます。
このインセンティブと成果地点の適切なバランスは、過去の実績から数値として出ていますので、そこは私たちから目的に応じてご提案をさせていただくようにしています。