増えるメディア接触時間、消費者は情報の波に“溺れている”
1995年に創業し、2021年7月にはエイジアから社名を変更したWOW WORLD。これまでCRMアプリケーションシリーズ「WEBCAS」の開発・提供に注力してきた。
WEBCASの提供開始から20年が経過した2022年、同社が新たにローンチする製品がCDPソリューション「WOW engage(ワオエンゲージ)」だ。開発の背景には“情報過多”という社会情勢があったと美濃氏は語る。
「iPhoneが日本に上陸した2007年以降、人々のインターネットメディアへの接触時間は増え続けています。特に『携帯電話/スマートフォン』を介したメディア接触時間の伸びは顕著で、2021年には1日あたり139分と、2011年に比べて115分も増加しているのです(博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所「メディア定点調査2021」より)」(美濃氏)
また美濃氏は、米国の調査会社The Radicati Groupの調査結果も引用。2021年の1人あたりのEメールのトラフィック数は約3,196億通、ユーザー数は約41億人で、2025年には3,764億通、ユーザー数は約46億人に上るという。この結果を踏まえ「企業が消費者に発信する情報量も毎年増加していく」と美濃氏は予測する。
情報過多な社会であるがゆえ「あえて送らない」という選択肢
このままいけば生活者はあふれる情報を処理しきれず、情報アレルギーになってしまうのではないか──そんな課題意識から「必要なことを必要なタイミングで必要な場所に届けるツール」として生まれたのがWOW engageだ。
WOW engageは、企業が持つ顧客情報と購買行動履歴などのデータをCDPで統合。集まったデータを統計学に基づいて分析することで、情報発信のタイミング・手段の最適化を支援する。
WOW engageのコアにあるのは「統計学を用いて消費者を“深く”理解した上で、配信すべきでないと思われる情報はあえて送らない」という思想だ。情報過多の社会において、同社は「発信頻度の高さがユーザーの離脱につながっている」という仮説を立てたのだ。