最も多い実施目的は「テレビCMのリーチ補完」
前回の第1回の記事では、CTV広告市場の全容と期待されるマーケティング価値について紹介しました。今回は実際にCTV広告が活用されている目的、予算配分やクリエイティブの考え方、直近の実態についてお伝えしたいと思います。
まず、CTV広告の実施目的として最も多いのが「テレビCMのリーチ補完」です。その他の効果を期待している広告主様もいますが、「インターネットを通じてテレビデバイスへ広告配信する」というCTV広告の特性から、弊社のお取引においては「テレビCMのリーチ補完」を目的に広告出稿を検討される広告主様が多い印象です。
多くの広告主様が「テレビCMにおけるリーチの頭打ち」に対し課題を感じていると思います。そして、これまではWebの動画広告がその解決策として重宝されてきました。そこにCTV広告が登場したことで、新たなリーチ補完の手段として期待が寄せられています。
テレビ画面に対する注視度(どれだけのユーザーが実際に画面を見ているか)を計測し、“視聴の質”を加味したリーチ計測を行っているTVISION INSIGHTSによると、テレビCMとCTV広告(YouTube広告をテレビデバイスで視聴している方)を比較した結果、テレビCM視聴時よりCTV広告視聴時のほうが、20%ほど注視度が高かったというレポートも存在します。
指名検索増加を目的に出稿するのも効果的
指名検索数の増加を目的として出稿するケースもあります。テレビCMでリーチできない層にCTV広告でリーチを図り、ながら視聴でWeb検索のアクションを誘引するという狙いです。
第1回でもお伝えした通り、CTVを視聴しながらスマホで検索、という行動は一般化しており、弊社の自主調査(2022年3月、2,000人を対象に調査)では85%の方が『テレビ画面を視聴中に検索することがある』と回答しています。TwitterやInstagramなどのSNSで検索する方も多く、アンケートに回答した20代の約半数がSNS検索を行っています。