何ができる?CTV広告の配信設計
最後に、CTV広告を実施する際の配信設計について触れていきます。ポイントは4つあります。
1つ目は「“CTV単体配信”と“デバイスMIX配信”のどちらが効果的なのか」を考えることです。CTVが配信面として有効なのはお伝えしてきた通りですが、CTV(テレビ)だけで広告配信を行うべきか、スマホやパソコンとMIXで広告配信すべきなのかは検討すべきです。
現状は、デバイスMIXで配信しつつ、デバイス別実績を振り返ることができるように設計し、CTV広告のポテンシャルを見る、という広告主様が多数を占めます。
その上で、CTV広告に最適化したクリエイティブを用意したり、配信比率を高めたり、メディアを広げたり、というように段階を踏んでCTV広告の活用を広げていきます。
2つ目は、ターゲティングの設計です。興味関心軸で細かなターゲティングができるという点は、スマホやパソコンで広告を配信することと同様ですが、CTV広告では、「地上波テレビをあまり見ていない層」を対象とした“CMライト層ターゲティング”も可能です。
これによって、テレビというデバイスを使いつつ、テレビCMでリーチできない層に届けることが可能になります。
気になるターゲティング精度
3つ目はターゲティングの精度を理解することです。第1回でも、テレビというデバイスの性質上、スマホに比べるとターゲティング精度がやや低いというお話をしました。
たとえばYouTubeの場合、「そもそもログインしている人が少ないのでは?」という懸念もあります。興味深いデータとして、弊社の自主調査によると「CTVでYouTubeを視聴している方」の50%以上がログインして視聴していると回答しており、スマホやパソコンには劣るものの、ターゲティング精度はある程度信頼できるのではないかと考えています。
また、一人で見ているか(単視聴)、誰かと見ているか(共視聴)という点についても、調査結果では約60%の方が単視聴、35%の方が共視聴と回答しました(残り5%は「ほとんど見ない」)。ターゲティングしている対象と、画面の前に存在するユーザーはおよそ6割の確率で一致するといえそうです。
最後に4つ目のポイントですが、テレビCMの知見を活かすことです。テレビCMにおけるゾーン別のターゲットリーチ分析を行い、CTV広告で補うべき曜日時間帯を明らかにし、配信をそこに集中させるというアプローチも効果的です。すでにテレビCMを出稿している広告主様は、ぜひ試していただきたいです。

第2回は、実践編として「コネクテッドTV広告実施時のポイント」について紹介しました。CTV広告は、今後も活用が広がっていき、これから様々なユースケースが誕生し、細かい部分は変わってくると思います。ただ、基本的なポイントは今回ご紹介した内容が役に立つと思いますので、参考にしていただければ幸いです。
第3回予告:コネクテッドTV広告の投資対効果
次回は、「コネクテッドTV広告の投資対効果」をテーマに、KPI設計や効果検証方法、実際の投資対効果について紹介します。ぜひ、次回もお付き合いください。