※本記事は、2022年7月25日刊行の定期誌『MarkeZine』79号に掲載したものです。
マーケティングとデータで企業変革をドライブする
――イーデザイン損保は、CX向上を目的としたビジネスモデルのDXを推進し、インシュアテック保険会社(※1)への変革を強力に進められてきました。2021年11月には、デジタル戦略に基づく第一弾として新自動車保険「&e(アンディー)」を発売されています。
はい。従来の自動車保険は、事故にあったときに補償してもらうためのものでした。実際にお客さまからも「日々の生活では役に立たない」「保険のこと自体あまり考えたくない」「面倒くさい」といった声をいただいており、こうしたお客さまの不満をテクノロジーの力で解決できないか? と考えたところから「&e」の開発は始まっています。「&e」では、事故時の補償はもちろんですが、IoTセンサーとスマートフォンアプリを連携させて日々の運転をスコア化したり、事故にあわれたときはセンサーが検知した情報とスマートフォンのGPSデータを使用したりと、最新のテクノロジーを顧客体験(CX)に紐づけることにこだわってサービスを設計しています。
また、遡ると、イーデザイン損保の変革は約3年前から始まっています。新中期計画を発表し、ミッション・ビジョン・バリューを再定義したのは2021年4月でしたが、ベースにある考え方や構想については、以前から社長の桑原がクルー(社員)に提示していました。基幹業務システムの刷新、「&e」の企画開発、ミッション・ビジョン・バリューの再定義、この3つを並行して進めてきた形ですね。
――そうした変革が進んでいる最中の2021年4月にイーデザイン損保にジョインされた友澤さんのミッションは?
私は現在、東京海上ホールディングスのシニアデジタルエキスパートと、イーデザイン損保のCMOという2つの職務を担当させていただいております。大きく言うと東京海上グループ全体のDXが私のミッションなのですが、ホールディングス全体で青写真を描いて、変革を進めていくのは、やはりなかなかに難しい。そこで、イーデザイン損保の事業にディープダイブし、マーケティングや企業アライアンスの領域でDXをリードする役割を担っています。
具体的に、入社してから今日まで私が行ってきたのは、従来のマーケティングの在り方からのアップデートです。保険業界のマーケティングの課題として、価格競争に依る部分が非常に大きいことがあります。また、社内の様子を見ると、過去の出稿スタイルを踏襲し、勘と経験をベースにマーケティングを行っているような状況でした。こうした従来のマーケティングを「パーパスドリブン」×「データドリブン」に変え、お客様に「&e」やイーデザイン損保が目指す世界観を伝えていく、共感を得ていくということに挑戦中です。