SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

フルファネルで効果を発揮するAmazon Adsとのマーケティング(AD)

ブランディングに新規獲得に購買貢献も。ネイチャーメイドが継続中のAmazon限定キャンペーン

 Amazonの広告サービス「Amazon Ads」は、フルファネルで活用できる多様な広告ソリューションを拡充している。総合オンラインストアだからこそ有する「充実したオーディエンスセグメント」や「購買への高い貢献度」に限らず、目的設定次第で様々な施策を行える点が特長だ。Amazon Adsの「カスタム広告ソリューション」を活用し、ブランディングや購入への成果を挙げているのは、大塚製薬が販売を行う「ネイチャーメイド」。本稿では、同社で国内マーケティング・コミュニケーションを担当する鈴木ありさ氏に、「カスタム広告ソリューション」導入の背景から具体的な活用方法について聞いた。

Amazon Adsの活用は「ブランディング」が第一目的

MarkeZine編集部(以下、MZ):はじめに鈴木さんの自己紹介からお願いできますか?

鈴木:大塚製薬でネイチャーメイドの国内のマーケティング・コミュニケーションを統括しています、鈴木と申します。私は2017年に大塚製薬に入社し、最初は営業に従事しておりました。2020年11月から製品部に配属となり、今年4月から現職を務めています。

昨年50周年をむかえたネイチャーメイド
昨年50周年をむかえたネイチャーメイド

MZ:今回はネイチャーメイドのマーケティングにおけるAmazon Adsの活用についてお話を伺っていきます。まずは、ネイチャーメイドがどういったブランドなのか教えてください。

鈴木:ネイチャーメイドは、1971年にアメリカ・カリフォルニア州で生まれたブランドです。サプリメント業界のパイオニアであるファーマバイト社による生産のもと、ブランドの誕生から今日まで、高品質への深いこだわりが受け継がれています。その中で、我々のミッションは、“世界の人々の健康に貢献する”という企業理念のもと「毎日の食事を楽しむだけでなく、未来の健康も大切にしたいと思う方々をサポートすること」。ターゲットとしている年齢層に限りはありませんが、30~40代を中心にコミュニケーションを展開しています。

MZ:では、どのような経緯でAmazon Adsの活用に至ったのかをお聞かせください。

鈴木:ネイチャーメイドの販売チャネルはECとドラッグストアが中心で、広告コミュニケーションはデジタルを中心に行っています。年々EC利用者が増加するのにともない、Amazonのオンラインストアで製品の販売を開始したのが2013年のことです。Amazon Adsの活用については、さらなる売り上げ拡大を図る目的ももちろんありますが、それよりも「ブランドの価値を伝えること」を第一に、ブランドの認知拡大および理解促進を目指してAmazon Adsの活用をスタートしました。

購入率やLTV向上のカギは「製品理解」

MZ:認知拡大・理解促進が目的というのは、Amazonが有するリーチ規模あってこその活用ですね。さらに、ネイチャーメイドでは2019年からAmazon Adsの「カスタム広告ソリューション」を活用されています。この活用に至った経緯は?

鈴木:ネイチャーメイドは、お客様の悩みや目的に応じて、その解決をサポートするサプリメント製品を提供しています。ただ、豊富にバリエーションがあるため、あまり知識がないお客様は自分に合った製品を選ぶことができない、選びづらいという課題がありました。

 ですが、しっかり製品を理解して、自分に必要な栄養素であると認識していただくと、購入率はもちろん、LTVも結果的に高くなります。長くネイチャーメイドとお付き合いいただくためにも、お客様の悩み・目的に沿った製品提案ができるコンテンツに魅力を感じ、カスタム広告ソリューションの活用に至りました

 Amazonのオンラインストア内も、テキストや画像を用いてカスタマイズすることはできます。一方で、カスタム広告ソリューションでは、動的なページをデザインしたり、自由にブランドを表現できたりするところがポイントだと思います。

カスタム広告ソリューションとは

 カスタマイズしたランディングページやオンボックス広告(Amazonの配送用ダンボールを広告主のデザインにするもの)など、広告主の目的に合わせて作り上げるソリューション。ブランディング目的だけでなく、マーケティングファネルの様々な段階で消費者に働きかけ、ブランドの認知からコンバージョンまで高めることができる。

様々な角度からアプローチ

MZ:そこで2020年に展開されたのが、こちらのLPのキャンペーンですね。概要をご紹介いただけますか?

鈴木:「サプリメントを必要としているけれど、どれを選べばいいかわからない」というお客様へ、その方に合ったサプリメントをご提案するコンテンツとして展開しました。年齢、性別、健康に関するお悩みなど簡単な質問に答えていただくと、おすすめのサプリメントが表示される仕組みになっています。

説明
性別、年齢、生活習慣に関する3つの質問に答えると、その人に適した製品についてアドバイスが表示される

 結果としては、従来の製品バナー広告と比較し、新規顧客の購入率が2桁上昇となりました。これだけ購入率を高められたということで、製品理解の重要性を改めて実証することができ、収穫の大きなキャンペーンとなりました。

説明
質問への回答をもとに管理栄養士から「健康へのアドバイス」を提示した後、おすすめのサプリメントを提案

MZ:2021年には、また新たなキャンペーンを展開されています。

鈴木:はい。前回のキャンペーンも継続しながら、昨年は新たなキャンペーンも行いました。ネイチャーメイドには、必要な栄養素をバランスよくトータルに摂取できる「スーパーマルチビタミン&ミネラル」という主力製品があります。これをベースにお悩みや目的に合わせてその他のサプリメントをプラスしていただく、という形で製品のご提案をしたのが本キャンペーンです。実施前後で比較すると、「スーパーマルチビタミン&ミネラル」購入者のうち、その他のサプリメントも購入される方の比率が上昇するという成果が得られました。

説明
「スーパーマルチビタミン&ミネラル」の既存顧客に対し、プラスαでおすすめのサプリメントを提案することで、セルアップを狙った

過去2回のキャンペーンを経て、現在展開中のキャンペーンは?

MZ:過去2年間のAmazon Ads活用を経て、現在、ネイチャーメイドのマーケティング戦略におけるAmazonの位置づけはどのようになっているでしょうか?

鈴木:先ほど申し上げたように、第一の目的はAmazon内での売上増加ではなく、製品やブランドへの理解を促すコミュニケーションです。Amazon Ads活用を進めるにつれて、より幅広い層へのアプローチに移行することができていると思います。

 また、健康志向の高まりを受け、プロテインなどの健康食品をはじめ、その他の健康関連製品の需要が近年増加しています。この傾向はネイチャーメイドの製品を購入するきっかけをさらに広げてくれるものと期待しており、長期的なブランディングの場としてAmazon Adsは継続して活用していく考えです。

MZ:なるほど。実際に、今年もまた新たなキャンペーンを展開中とうかがいました。こちらはどのような狙いのもと、どのように設計されたのですか?

鈴木:今回のキャンペーンは、トライアル層を対象に展開しています。昨年実施したキャンペーンの分析から、スマートフォンで広告に接触した方が多く、今回もその接点に注目しています。かつサプリメントの利用目的に応じた共感を意識してキャンペーンを設計しています。

MZ:今回はキャンペーン内で動画も取り入れられていますよね。

鈴木:はい。これまでは、製品理解を促進するためにテキスト中心の表現となっていましたが、今回は利用シーンやイメージを情緒的に示し「共感」を与えられるようなクリエイティブを制作しました。より印象に残り、興味を持てるような表現を試してみようということで、シシドカフカさんを起用し、動画も取り入れています。

日本で初めてAmazonのImagingチームおよびBrand Innovation Labと協同し、広告キャンペーンのクリエイティブを制作

MZ:現時点で得られている成果を教えていただけますか?

鈴木:初動では、過去2年のキャンペーンと比べて一番高いクリック率が出ており、新規獲得率も高く推移しています。まだ運用は続きますが、ROASも過去最高を上回るのではと予測しています。

Amazonだからこそ実感できる、ROASへのインパクト

MZ:計3回のキャンペーン実施を踏まえ、実感しているAmazon Adsの特長は何でしょうか?

鈴木:クリックやコンバージョン数含め、費用対効果がダイレクトに実感できる点に魅力を感じています。また、Amazonだからこそのリーチボリュームがありますし、年間通してアプローチすることにより機会損失も解消できていると思います。

MZ:Amazon Adsで今後実施してみたいと考えている施策などはありますか? 

鈴木:現在展開中のキャンペーンでは、潜在層への広がりを特に感じていますが、顕在層に対して幅広く製品をご紹介していくことも重要です。ですので、今後も幅広くアプローチを進めていきたいと考えています。

 加えて、Amazon.co.jpだけではなく、Amazon DSP」を活用しAmazonが有するいろいろなタッチポイントでお客様とつながることで、 ネイチャーメイドを知っていただく機会をより多く作り、お客様の製品選びや製品利用をサポートするような最適なアプローチを検討していきたいと考えています。実際に、複数の広告接点により広告効果が高くなることは、ネイチャーメイドでも実証済みです。よりお客様の理解度を促進させるようなコミュニケーションを考えていきたいですね。

「信頼できるサプリメントブランド」を目指して

MZ:最後に、ネイチャーメイドのマーケティングの展望をお聞かせください。

鈴木:目下のところでは、ネイチャーメイドには多くのアイテムがあるので、これらの製品を育成していくこと。多様な栄養素を扱った豊富なラインナップを有するネイチャーメイドの強みを活かして、高まる健康ニーズに対応し、独自のポジションを確立することが大きな目標です。

 また、サプリメントのブランドは、差別化がなかなか難しいというハードルがあります。そんな中、お客様にネイチャーメイドを選んでいただくための最後の後押しとなるように、「ブランドイメージ」や「ブランド価値への理解」を促進したいと考えています。信頼できるサプリメントブランドという認知を拡大していくために、Amazon Adsさんと協力しながらさらにブランディングを強化していきたいです。

 サプリメント先進国のアメリカと比較すると、日本のサプリメント市場はまだまだ発展途上にあります。これには社会的背景の違いも関係していますが、これから先、日本でもサプリメントの需要はどんどん高まってくると予測しています。その時、いかにネイチャーメイドの強みをお客様へ伝えられるかが問われてきますので、基礎栄養素を中心とし、正確な情報と高品質という強みをもって、みなさまから一番信頼されるサプリメントブランドを目指していきます

【左】大塚製薬株式会社 製品部 ネイチャーメイド 国内マーケティング・コミュニケーション担当 鈴木ありさ氏【右】同社 Amazonでの広告展開を担当する ニュートラシューティカルズ事業部 eコマース部 係長 杉原大介氏
【左】大塚製薬株式会社 製品部 ネイチャーメイド 国内マーケティング・コミュニケーション担当 鈴木ありさ氏
【右】同社 Amazonでの広告展開を担当する ニュートラシューティカルズ事業部 eコマース部 係長 杉原大介氏

お問い合わせ窓口

Amazonでの広告掲載を検討しているお客様は、こちらの窓口からお問い合わせください。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2022/12/16 14:23 https://markezine.jp/article/detail/39986