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第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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Cookieレス時代のネット広告を考える~利用者保護とマーケティング成果を両立するために(AD)

獲得件数17%UP!CCIが実証した「Facebook/Instagramリード獲得広告」の活用法

 Facebook/Instagram広告は日々使用していても、「Facebook/Instagramリード獲得広告」を知っているマーケターはまだ少ないかもしれない。その名称から一見すると「リードを獲得するためだけのソリューション」と思われるかもしれないが、通常の広告と同様にサービスを露出しながらリードを獲得し、広告効果の高いターゲットオーディエンスを拡張できる、Cookieレスの影響を受けず最適化を図れるなど、実は様々なメリットを持つ広告メニューだ。本稿では、CCIが自社のマーケティングで実証した「Facebook/Instagramリード獲得広告」の活用方法を紹介する。

CCI自社のBtoBマーケティングについて取材

MarkeZine編集部(以下、MZ):はじめにみなさん自己紹介をお願いできますか?

白岩:CARTA COMMUNICATIONS(以下、CCI)の白岩と申します。私は、現在、企業のSNSマーケティングを総合的にサポートするコンサルティングサービス「CCI Social AdTrim(以下、AdTrim:アドトリム)」のチームに所属しています。コンサルタントとしてオーガニックの運用から広告のプランニングまで複数の企業のSNSアカウントを見ているほか、AdTrimのBtoBマーケティングにもコンサルタント業務と並行して従事しております。

浮田:CCIの浮田です。私はソーシャルメディアチームという部署に所属し、企業のソーシャル広告の運用コンサルティングを行っています。Facebook Japanさんとはいつも密に連携を取りながら、新しい試みにトライするなど色々な施策を一緒に進めさせていただいております。

【左】株式会社CARTA COMMUNICATIONS Social AdTrim アカウントコンサルタント 白岩すみか氏【中央】同社 Social Media 運用コンサルタント 浮田康介氏【右】Facebook Japan株式会社 エージェンシーパートナーチーム 長谷川氏
【左】株式会社CARTA COMMUNICATIONS Social AdTrimアカウントコンサルタント 白岩すみか氏
【中央】同社 Social Media 運用コンサルタント 浮田康介氏
【右】Facebook Japan株式会社 エージェンシーパートナーマネージャー 長谷川卓見氏

長谷川:Facebook Japanエージェンシーパートナーチームで広告代理店様のサポートを担当させていただいております、長谷川です。広告代理店の皆様と協業し、新しい広告商品やソリューションの活用を促進したり、より多くのクライアント様にMetaのソリューションを活用していただけるように新しい取り組み事例を作ったりするのが私の主な役割になります。

MZ:CCIの提供するAdTrimについて、もう少し詳しく教えてください。

白岩:CCIと言うと「“ウェブ広告”を主に扱う広告代理店」のイメージがまだまだ強いかもしれませんが、SNS広告の運用もずいぶん前から展開しており、加えてSNSアカウントのオーガニックの運用代行を手掛けるチームも存在していました。AdTrimは、社内の中で分散してしまっていたSNSマーケティングにおける人材や知見を集結させる形で、2020年6月からご提供しているサービスです。

 クライアント様から「広告運用とオーガニックを別々の代理店に依頼している」という話を時々聞きますが、本来、SNSマーケティングは広告運用とオーガニックの両軸で考えることが重要です。AdTrimは、戦略設計から施策のプランニング、オーガニックや広告の運用までをワンストップ・ワンチームでサポートできる点を強みとしています。

まだあまり知られていない?「Facebook/Instagramリード獲得広告」とは

MZ:今回は、AdTrimのBtoBマーケティングで、CCI自らが実行した広告施策についてお話を伺っていきます。AdTrimのBtoBマーケティングでは、どのような施策を行われているのですか?

白岩:まずはサービスの認知拡大を第一に、リードの獲得・育成も行っています。メインはやはりウェビナーの開催になりますが、自社ウェブサイトへの誘導をかけたSNS広告や検索広告も展開しています。また、単純に問い合わせを促すよりも、我々の知見を何かしらご紹介するほうがよいと考えており、広告は基本的にホワイトペーパーをフックにしています。

MZ:SNS広告では、「Facebook/Instagram リード獲得広告(以下、リード獲得広告)」を積極的に活用されていると聞きました。

白岩:はい。我々のターゲットは、SNSマーケティングに従事している方、SNSのアカウント運用に関わっている方などです。そのような方々は、競合や一般ユーザーがどんなSNS投稿をしているのかリサーチするために、FacebookやInstagramをよく見ていると思います。そのため、AdTrimのBtoBマーケティングにおいてFacebook/Instagramはサービスの露出に最適な媒体です。

CCI「AdTrim」で展開していたリード獲得広告のイメージ
CCI「AdTrim」で展開していたリード獲得広告のイメージ

 そのなかでリード獲得広告を活用しているのにはいくつか理由がありますが、通常の広告と同様にサービスやサービスロゴの認知拡大を図りながら、同時にリードも獲得できるというメリットは、やはり大きいですね。また、まずは自分たちでリード獲得広告を使って、知見を得てから、それをクライアント様に展開していきたいという考えもありました。

高いユーザビリティが離脱率を抑える

MZ:ここで、リード獲得広告がどのようなソリューションなのか、紹介をお願いできますか?

長谷川:ソリューションの名前の通りではありますが、「リードを獲得したい」という広告主の目的を果たすのに最適な広告商品です。最大の特長は「ユーザビリティの高さ」。通常の広告では、たとえば、ホワイトペーパーをダウンロードしたり、ウェビナーに登録したりするのに、広告から外部のサイトに遷移して必要な項目をイチから入力する必要があります。ですがリード獲得広告では、利用者のすべての体験がMetaのプラットフォーム内で完結します。また、Facebookのプロフィール設定でお名前や住所などを登録している場合は、フォーム内にその情報が自動入力される形になっているので、さらに無駄な手間がかかりません。広告主側のメリットとしては、このシームレスな広告体験により、離脱率を大きく抑えられるという効果があります。

リード獲得広告の入力フォームのイメージ
リード獲得広告の入力フォームのイメージ

MZ:基本的には、BtoB企業が使うソリューションなのでしょうか?

長谷川:BtoB企業だけでなく、検討期間の長いサービス・商材を提供されている企業にも活用いただいております。たとえば、不動産や金融、自動車などの業界ですね。最近では、自動車の試乗予約を促す目的でリード獲得広告を活用いただくケースも多いです。

白岩:私も最近Instagramを見ていて「カタログ請求をしたい」となった時、「フォーム入力じゃなくて、リード獲得広告だったら簡単なんだけどな」と思ったことがありました。今使われている業界業種以外にも、活用の可能性は広いのではないかと思います。

★BtoCのEC企業もメルマガ会員の獲得を目的にリード獲得広告を使用

参考記事:『ファン創造×新規獲得が要 売上EC比率40%のKEENがInstagramリード獲得広告を使う理由』

獲得効率の良さだけでなく、Cookieレスの影響を受けないメリットも

MZ:CCIから見て、リード獲得広告の特長はどのようなところにあるでしょうか?

白岩:長谷川さんのお話にもあった「ユーザビリティ」は、やはり大きな特長だと思います。私も情報収集のためウェビナーに参加したり、ホワイトペーパーをダウンロードしたりしますが、フォーム入力に手間がかかりそうだと、忙しい時はつい後回しにしてしまいます。利用者の入力の手間がかからないというのは、離脱率の改善、リード獲得率の向上につながるのではないかと考えていました。

 また、広告主側のメリットとしては、出稿が圧倒的にラクです。ホワイトペーパーを使える広告商品は、Facebook/Instagramに限らず他のメディアにもありますが、通常は広告とホワイトペーパーの入稿から掲載までに時間と手間がかかります。その点、リード獲得広告はFacebook/Instagram広告の管理画面から、思い立った時に簡単に出稿できます。ホワイトペーパーや入力フォームの変更も管理画面上で簡単にできるので、とても使い勝手がよいと感じました。

浮田:運用型広告だからこそのコスト効率のよさもありますよね。一般的にリード獲得の広告商品は、1件=〇〇円とリード単価が決まっている予約型のメニューが多いですが、Facebook/Instagram広告は運用型なので1件あたりの獲得コストを大きく下げることが可能です。

長谷川:ありがとうございます。私からもう1つ挙げさせていただきたいのが、「Cookieレスの影響を受けない」という点です。コンバージョンAPIを既に導入いただいている企業の場合は一概には言えませんが、広告から外部サイトに遷移すると、Cookieレスの影響からどうしてもデータに欠損が起きてしまうのが実情です。一方、リード獲得広告はMetaプラットフォーム内で完結するので、そうした問題が起こりません。Cookieレスの影響を受けずに、機械学習を回していくことで、より高い広告効果を上げていけるという点で、これからの時代に適したソリューションであると考えています。

リード獲得件数は17%アップ、CPAは14%ダウン

MZ:実際にリード獲得広告を活用してみて、どのような成果がありましたか?

長谷川:今回CCIさんには、「リード獲得広告で獲得したリードを用いて、類似拡張したオーディエンスへ広告を配信した場合、どのような成果が出るか?」という新しい試みにチャレンジしていただきました。元々、「性別や年齢、役職など定性的なターゲット設定で運用するより、獲得リードの類似オーディエンスを使うほうが、より質の高いリードを安価に獲得できるのではないか?」と推測していたのですが、これを実証できるような結果がCCIさんの施策から導くことができました。

浮田:今回の施策は、A/Bテストで比較検証を行いました。

【A】従来と同じくデモグラフィックのターゲット設定と、LP訪問者へのリターゲティングでリード獲得広告を出稿

【B】【A】の今までの配信オーディエンスに追加して、リード獲得広告で獲得したリードをもとにFacebook/Instagram内で類似していると思われる利用者に向けてリード獲得広告を出稿

 A/Bテストの結果、【B】のキャンペーンのほうが高い広告効果が見られ、具体的にはリード獲得件数がプラス17%、CPAがマイナス14%という数値を記録しました。我々としても、類似拡張のほうが獲得効率はよいだろうという肌感はあったのですが、CPAの改善も見られたので、収穫の多い取り組みになったと思っています。

CCI「AdTrim」で展開していたリード獲得広告のイメージ
CCI「AdTrim」で展開していたリード獲得広告のイメージ

MZ:運用してわかったリード獲得広告の活用のポイントはなにかありますか?

浮田:入力フォームの作り方次第で獲れるリードの質が変わるという気づきがありました。フォームの入力事項を細かくすればするほど質の高いリードが獲れますが、ある程度リードの獲得件数を確保したいという場合は、利用者が手軽に入力できるようフォームを簡略化する必要があります。要はここのバランスがポイントになってくるので、CCI内でも今後改善していく必要があるところだと考えています。

認知露出×リード獲得・育成を両軸で強化していく

MZ:今後、リード獲得広告をどのように活用していきたいですか?

白岩:ウェビナーの集客でもリード獲得広告は活用できると思っており、今後トライしてみたいと考えています。また、今回、リード獲得広告を回してみて、やはり広告クリエイティブによって成果に大きな違いが出ることもわかりました。冒頭でお話しした通り、Facebook/InstagramはAdTrimとのマッチング性が非常に高い媒体ですので、サービスの露出の仕方、見せ方も引き続き改善を続けていきたいと思います。

MZ:では最後に、エージェンシーパートナーのお立場から、CCIに期待していることをお聞かせください。

長谷川:今回はリード獲得広告の新たな活用方法をテストしていただきましたが、CCIさんとは、他にも色々な分野で実験的な取り組みをさせていただいております。広告代理店でありながら、Metaのソリューションをまず自社のマーケティングで試用してさくだっているので、広告主への提案の説得力が違うと感じており、Facebook Japanとして非常に感謝しています。今回のような新しい取り組みからまた新たな事例を作り、広告主の皆様により広くより効果的にMetaのソリューションを使っていただける機会を共に創出できるよう、引き続き強力なパートナーシップを築いていければと思います。

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この記事の著者

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2022/10/20 12:00 https://markezine.jp/article/detail/40065