10億円以上の予算投資! 実体験から教訓を得て事業拡大へ
──まず、オンリーストーリーさんの事業や特徴と、今回自社の実体験から得たノウハウを公開される意図についてお話いただけますか。
当社はこれまで、決裁者に特化したマッチングプラットフォーム「チラCEO」サービスの運営などの経験を通じて、約8年間決裁者マッチングの領域に特化して事業展開してきました。
その中でさまざまなBtoBマーケティング施策を実施して数々の失敗を経験するとともに、そこから教訓を得て成長を遂げることができたのです。これは多くの企業が活かせる知見ですから、ぜひシェアしたいと考えています。
成功者と同じことをして必ず成功するとは限りませんが、失敗した先人の例から学ぶことで少なくとも同じ間違いをせず、成功への距離を縮めることができるはずです。
──決裁者マッチングサービスを提供するオンリーストーリーさんの失敗が、多くの企業にとって役に立つと考えられた根拠を教えてください。
理由は大きくふたつあります。ひとつめは規模感の問題です。当社はテレビCMからSNS広告、展示会への出展まで20種類以上のマーケティング施策を実践し、10億円以上の予算を投下してきました。さまざまな手法を一定の金額で試してきた経験は、なかなか得難いものだと自負しています。
そしてふたつめは、我々自身が事業を通じて他社の広告・マーケティング支援を行っているからです。商材が異なる、複数の会社の事例に基づいたお話ができるため、情報をシェアする価値があると考えています。
──では、今回公開される実体験をいくつか紹介いただけますか。
まずはターゲティング領域における、「リード単価だけを追ってしまった」問題があります。当社でも一時、リード獲得単価や担当者の商談獲得単価に焦点が当たったことがありましたが、「成約単価が良い施策=リード単価が良い施策」とは限らなかったのです。
たとえば、SNSを使ったリード獲得型広告では、リード1件あたり500円で獲得できましたが、結局商談に進んで成約につながるまではコストも積み重なり、商談成約率も低い結果に陥ってしまいました。そこから、施策を打つ際には「成約に近い指標」で判断するべきだと学びました。