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マーケ施策には、賞味期限がある! BtoBマーケティング10億円分の“実体験”を公開

非ターゲットのリードが新規事業創出につながる

 次は、「資本効率が悪くなっていく」問題です。数多くの見込み客と接点を持てたものの、半分が「非ターゲット」で、当初はそれらをあまり意味のない接点として扱っていました。ターゲットの比率を高めるためのLP改善などを実施し、関係ないリードをいかに省くかに尽力していたのです。

 しかし、これもまた結果的に無駄な取り組みでした。非ターゲットとの接点はいくら対策してもなくならないものです。そこで我々は発想を変え、本来の対象外のターゲットを意識した事業を立ち上げたのです。

 結果的に、追加のマーケティングの費用をかけずに新しいサービスを軌道に乗せることができました。新規事業がうまくいかない理由はマーケティングにあることが多いのですが、そこを逆手にとることができた事例です。

──気がつかなければ単なる“しくじり”として終わっていたものも、マイナスをプラスに転じることができたのですね。ターゲティング以外の事例もうかがえますか。

 マーケティング戦略の面では、「成功体験を引きずってしまった」失敗もありました。一時的に良い成果が出る施策はあっても、永続的に再現性のある施策はないと思います。SNS広告しかり、顧問契約もしかりで、多くの施策では、継続的に当初と同じ程度の成果を出し続けることは難しいと考えています。

 そこで、あたりまえではありますが、期間をずらしながら複数の施策を多面的に試さなければならない時代になっていると強く感じました。早い段階で検証を行い、2~3ヵ月のスパンでCPAの目安ラインを決め、短期の振り返りを行う必要があるとの結論に達したのです。

「分業」のはずが「分断」に

──なるほど。施策の頭打ち問題に対しても、ルールを決めて対処されているわけですね。組織に関する実体験も伺えますか?

 The Modelなどに代表される分業型組織へのチャレンジの中で、「分業」のつもりが「分断」になってしまう失敗がありました。案件が増えるとバトンの受け渡しが難しくなり、タイムロスが生じてしまったのです。The Model型自体が悪いのではなく、流行りのものに乗ればうまくいくわけではないと改めて学びました。

 そこで、各部門を横断したMTGをセットし、ターゲット像、KGIのすり合わせを実施しました。そのすり合わせをした上で各部門のKPI達成に向けて動くことで、より効率が上がり分断が解消されました。

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この記事の著者

石田仁志(イシダヒトシ)

IT系フリーライター、記者。IT系の業界紙で記者として15年活動、編集部門のトップを経てフリーに。エンタープライズ系からTech系、組込み系まで幅広い領域を取材。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/11/15 12:00 https://markezine.jp/article/detail/40533

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