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MarkeZine Day 2025 Retail

家計簿発!実購買データから読み解く消費者インサイト

ハッシュタグのデータから「なぜ買ったか?」を捉える!世代別に見る、消費行動の裏側とは

ご褒美消費と結びつきが強いのはどんな店?

 家計簿アプリ Zaimのデータには、「どこで買ったか」という情報が入力されている。そこでチェーン店とハッシュタグに注目し、変数間の関係の強さを示すコレスポンデンス分析でチェーン店とハッシュタグのプロットを実施。買い物に対してどのような感情を持っている時にどのチェーン店が利用されているのかを調べた。

 その結果、「#ご褒美」は「コンビニ」「カフェ」「ファストフード」「菓子」系チェーンとの結びつきが強いことがわかった。したがって、日常の中にもご褒美消費として捉えられる買い物があることがわかる。

 「#おトク」「#応援」は「スーパー」や「ディスカウントストア」系チェーンとの結びつきが強くなっていた。また、「#買ってよかった」は「100円ショップ」と「ファッション」との結びつきが強い。自分の趣味に合うファッションアイテムを買えた時の嬉しさや、低価格でいい商品が買えた時の満足感を表していると思われる。

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 ここまでは、アプリの画面上にデフォルトで配置されているハッシュタグを中心に分析した。続いては、ユーザーが独自に記録した「オリジナルハッシュタグ」が付けられたレコードを見ていく。

 以下はユーザーが設定している、オリジナルハッシュタグの例をいくつかまとめたものだ。世代により設定するタグの傾向が異なっていることがわかる。

Z世代・ミレニアル世代・X世代、各世代にとって特別な意味を持つ消費ジャンルとは

 次に、ハッシュタグと同時に記録されたメモ欄内のコメントについて、その結びつきをテキストマイニングによって分析した。オリジナルハッシュタグによる分析はタグそれぞれの件数が多くないため特徴が見えにくいが、テキストマイニング分析ならば特徴をつかむことが可能となる。加えて、意識データと購買データを同時に分析できるため、商品カテゴリーや特定の性年代に絞って分析を行うこともできる。

 以下の図は、食費カテゴリーに付けられた「#ご褒美」と結びついたコメントを、ワードクラウドで表示したものである。

 文字の大きさはスコアを表現しており、単語の出現回数だけでなく、「特定のレコードに特徴的に出現している」という重要度を加味した値がスコアとして現れる。同じ色の単語は近いグループに属することを示しており、位置が近い単語同士は出現傾向が似ているものとなる。

 「(お)トク」「自己投資」など頻出ハッシュタグに用いられる単語だけでなく、オリジナルハッシュタグにも用いられた「よい」「美味しい(おいしい・美味い)」といった感想を表す形容詞や、「鰻」「クレープ」といった品名も多くコメントとして付けられている。

 また、以下の図はコレスポンデンス分析により世代とジャンルのプロットを行ったものとなる。タグを付けることの多いジャンルの買い物が各世代のプロットされた位置に近くなるため、その世代にとって特別な意味を持つ買い物であるといえる。

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 図を見ると、Z世代にとっては「エステ・ネイル」「洋服」「アクセサリー」など自分を磨き着飾るような支出が、他の世代と比較して特別な意味を持っていると捉えることができる。

 一方ミレニアル世代は、「ジム・健康」など自身の健康に関係する支出や「飲み会」といった人との交流が、X世代では「家電」「薬代」など必要支出がタグ付けされる傾向が見られる。タグの付けられ方にも、世代によって特性が出ていることがわかる。

 以上、連載の第2回となる本稿ではハッシュタグのデータをもとに世代ごとのインサイトを分析した。次回は、エリア消費をテーマに、特定地域の消費トレンドを紐解いていく。

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この記事の著者

佐田 栄治(サタ エイジ)

株式会社Zaim ビジネス事業部 データアナリスト。シンクタンク、データマーケティングサービス、大手量販店チェーン等を経て2022年にZaim入社。数理モデルを利用した購買データからのマーケティング施策立案を長年行い、現職では家計簿データからの消費者インサイト分析に携わっている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/12/06 08:00 https://markezine.jp/article/detail/40569

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