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WHO/WHATを解き明かす、上流マーケティングの10ステップ

正しい「セグメンテーション」で事業の成功確度を引き上げる──ターゲット、潜在ビジネスサイズの捉え方

セグメンテーションの分類方法

 ここからは具体的なセグメンテーションの設計方法を説明します。

 セグメンテーションにおいては、どのように対象の顧客を分類していくかの指標を設計することが非常に重要です。潜在顧客の分類区分については様々な軸があります。

 一般的な分類項目として、

  1. デモグラフィック
  2. ジオグラフィック
  3. サイコグラフィック
  4. カテゴリーへの関与レベル(使用・非使用・購買頻度など)
  5. ブランドへの関与レベル(認知・未認知・使用経験有無、ロイヤリティなど)
  6. 競合使用状況
  7. カテゴリーニーズ(使用・購入する目的)

 などが挙げられます。

 これらの分類項目を用いて、どのようにターゲットを定めていくかを綿密に検討していくことが大切です。

 たとえば、デモグラフィックと呼ばれる年齢や職業、家族構成での区分や、ジオグラフィックと呼ばれる居住地などの情報だけでは、前段で話したようなボヤッとしたターゲット像になるでしょう。

 一方、自社ブランドのカテゴリーへの関与度や、カテゴリーに対するニーズ、自社ブランドや競合ブランドの状況を踏まえてセグメンテーションをすると、自ずと何を伝えると自社ブランドに振り向いてくれるかのヒントが多々出てきます

 ただし、分類するカテゴリーを多くしすぎると、一つ一つのセグメントのボリュームが小さくなる上に、情報量が多すぎて処理できなくなってしまうため、3~4つの指標でセグメントを切っていくことをお勧めします

 プロダクトやサービスのカテゴリーや事業フェーズによって、分類の方法は千差万別ですが、下記にいくつかお勧めの分類パターンを列挙します。

【パターン1】toC向けで、発売して10年も経っておらず、認知率も30%に満たないブランドの場合(ただしカテゴリー自体はある程度成熟している)

 代表的な例:化粧品、日用雑貨、食品、飲料、サプリメント、運動ジム、アパレル、などのカテゴリー内で比較的新興ブランド

  1. デモグラフィック:ターゲットの年齢
  2. カテゴリーへの関与レベル(使用・非使用・購買頻度など):自社が存在しているカテゴリーの使用・購買頻度
  3. 競合使用状況:自社が存在しているカテゴリー内で、現在使用しているブランド
  4. カテゴリーニーズ:自社が存在しているカテゴリー内におけるニーズ・目的

【パターン2】toC向けのサービスやブランドで、歴史が長く、認知率も非常に高いブランドの場合

 代表的な例:化粧品、日用雑貨、食品、飲料、サプリメント、運動ジム、アパレルなどのカテゴリー内で比較的成熟したブランド

  1. デモグラフィック:ターゲットの年齢
  2. ブランドへの関与レベル:自社ブランドへの関連性(認知・未認知・使用経験有無、離脱、ロイヤルなど)
  3. 競合使用状況:自社が存在しているカテゴリー内で、現在使用しているブランド
  4. カテゴリーニーズ(1):自社が存在しているカテゴリー内で、現在使用しているブランドを買った理由
  5. カテゴリーニーズ(2):自社が存在しているカテゴリー内で、現在使用しているブランドの不満点

【パターン3】toB向けで、まだマーケットに競合が少なく、ホワイトスペースにサービスを提供しているサービスの場合

 代表的な例:バックオフィス系SaaSなど

  1. デモグラフィック(1):ターゲット対象者の役職
  2. デモグラフィック(2): ターゲット対象者の企業の業種
  3. 競合使用状況:自社が存在しているカテゴリー内で、現在使用しているサービス
  4. カテゴリーニーズ:自社が存在しているカテゴリー内におけるニーズ・不満点

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セグメンテーションの実行方法

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この記事の著者

木村 元(キムラ ツカサ)

株式会社Brandism
代表取締役

ユニリーバに2009年に入社。約12年間、ラックスやダヴなどのブランドマーケティングを経験。国内を中心とした360°のプロモーションから、グローバルのブランド戦略や製品開発まで、幅広く従事。ロンドン本社にてダヴを担当し、グローバル全体のブランド戦略設計をリードした後、20...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/11/21 09:30 https://markezine.jp/article/detail/40594

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