自分が作りたい・飲みたいものを商品に
――伊良コーラの商品開発の中で、大切にしていることを教えてください。
一番大事にしているのは、「自分が飲みたいか、作っていて楽しいか」という視点です。伊良コーラを購入いただく方の多くは、自分と近い年齢層になっています。売れる商品を作るためには、売りたい人の気持ちに立つ必要があると思いますが、伊良コーラの場合は自分が作りたいもの、飲みたいものを欲しい人がいたので、自分の舌を大事にしています。
――自分の舌が納得した段階で、商品化していくということでしょうか。
そうですね。最近知り合いに「味を追求する感覚が他人より優れている」と言われたのですが、この言葉がとても印象に残っています。自分の過去を振り返ってみても、学生時代から世界中でその土地ならではの食べ物を探すのが好きで、納得できるものが見つかるまで探し続ける癖があって。ときには3時間近く店を探し回って結局何も口にしなかったこともありました(笑)。
昔から他人よりも味に対するこだわりが強かった分、自分の舌が下すジャッジがかなり信頼できるんだろうなと思います。
釣りのように仮説を検証してきた
――伊良コーラを立ち上げて以降、コーラのレシピ改善を繰り返し行ってきたと思いますが、どのように味を改良してきたのでしょうか。
味の改良は釣りに似ていると思っています。バス釣りが好きなんですけど、1匹のバスを釣るためにルアー1つとっても大きさや重さ、色、動きなど様々な要素の組み合わせで最適なものを選択します。また、ルアー以外にも場所や時間、釣り竿、釣り方までたくさんの要素を検証しているわけです。
コーラの味を改良するときも一緒で、仮説を立てた上で様々な原料を組み合わせながら微調整をしていく。このPDCAを高速に回すことが大事だと思います。
――自分の舌でジャッジするとのことでしたが、他の方に味見してもらうことはないのでしょうか。
もちろん知り合いの方などに試飲はしてもらっています。立てた仮説通りの味になっているかを検証するために、いろんな方に飲んでもらいながら調整は行い、最終的なジャッジは自分で行います。