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MarkeZine Day 2025 Retail

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顧客の声に応え続けたら、市場が生まれた。「伊良(いよし)コーラ」がクラフトコーラブームを作れた理由

ニーズに応え続け、クラフトコーラ市場を拡大

――マルシェやファーマーズマーケットで出店するところから始め、今では成城石井やナチュラルローソンでの取り扱いもある伊良コーラですが、どのようにしてクラフトコーラ市場を拡大してきたのでしょうか。

 最初は平日にサラリーマンとして働きながら、ファーマーズマーケットにフードトラックで自ら出向いていました。当時は本当にただ出店しているだけで、これといった戦略もなかったです。自作のシロップを炭酸水で割り、クラフトコーラとして販売していました。

 すると、よく来てくださるお客様から「シロップだけの販売はしていないのか」と問い合わせいただくことが増えたんです。そこでお土産用のシロップの販売を始めました。

 その後、飲食店や映画館からのお問い合わせがあり、その声にも応えるべく飲食店向けの卸をスタートしたんです。この辺りからフードトラック特集などでテレビ番組から取材を受けるようになりました。

 メディア露出が増えていく中で冬になり、フードトラックで販売していることを発信しても販売機会の損失になるのではと考えるようになりました。そこで、テレビなどを見た方がすぐ購入できるよう始めたのがECです。お土産用のシロップを販売することで、フードトラックに来るのが難しい方でも伊良コーラを体験できるようにしました。

 メディア露出の増加もあってか、伊勢丹など小売での販売もスタートし、結果としてフードトラック、EC、飲食店、小売店の4つのチャネルで販売できるようになりました。

――ひたすらに目の前のお客様の声に応え続けた結果、クラフトコーラ市場が自然発生し拡大していったのですね。自らPRや広告には取り組んでいなかったのですか。

 広告などのプロモーションはまったくしてこなかったです。クラフトコーラ市場も始めた当時は存在しなくて、完全のプロダクトの力で取材をしていただいておりました。タイのメディアから伊良コーラに関して取り上げられることもありました。

――今はシロップと瓶コーラの販売を行っていますが。瓶コーラはどのようないきさつで販売を始めたのですか。

 瓶コーラは高島屋さんにお声がけいただいたことがきっかけです。お中元用にボトルタイプですぐ飲用できるものが欲しいとのことで、その声に応える形で開発しました。それが現在成城石井やナチュラルローソンなど様々な小売店に置かれています。

実店舗はクラフトコーラの体験・理解の場に

――現在は今取材している下落合、そして渋谷に実店舗を構えていますが、実店舗を始めたのはなぜでしょうか。

 飲食店の卸やEC、小売店とチャネルを広げる中で、フードトラックでの出店が難しくなってきたためです。下落合は私の祖父が営んでいた和漢方工場の跡地があったので、そこに実店舗を開きました。その後、より多くの方にクラフトコーラの接点を作り、発信を強化するために渋谷に実店舗をオープンしました。

――実店舗を展開する中で大事にしていることはありますか。

 実店舗はクラフトコーラを体験し、文化を理解してもらう場所として捉えています。下落合は現在販売しているシロップなどの製造も行っている場所なので、聖地巡礼してもらうようなイメージにしています。

 渋谷はクラフトコーラ文化を発信していく場所にすべく、コラボレーションやワークショップの実施を検討中です。

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クラフトコーラ市場が作り出せた要因は?

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/12/26 07:30 https://markezine.jp/article/detail/40839

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