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決済データで市場を紐解く!三井住友カードの「Custella」(AD)

初回のDM配信で目標値を達成 サントリーウエルネスの「Custella Promotion」活用事例

 「セサミン」シリーズなどの健康食品を販売するサントリーウエルネス。新たな顧客接点を開発する目的で三井住友カードの販促支援サービス「Custella Promotion」を活用したところ、初回のDM配信で早々にKPIの目標値を達成し、トライアルの申し込み率は最も良い時で他のDM媒体の1.5倍を示したといいます。本記事では、サントリーウエルネスの藤澤氏と同社のダイレクトマーケティングを支援するKEIMAの木本氏、三井住友カードの荒木氏を取材。サントリーウエルネスのブランド思想を紐解いた上で、Custella Promotionの選定理由や成果に寄与した要因をうかがいました。

全ての消費を網羅したキャッシュレスデータ

MarkeZine編集部(以下、MZ):まずは皆様の自己紹介をお願いします。

荒木(三井住友カード):三井住友カードのマーケティング本部データ戦略部で「Custella」の推進およびマーケティング活動に従事しています。Custellaとは、当社が保有する膨大なキャッシュレスデータを活用し、現状分析から施策の実行まで一気通貫して行うマーケティング支援サービスです。民間企業様から自治体様まで幅広いクライアント様に利用いただいています。

三井住友カード マーケティング本部 データ戦略部 推進企画グループ 部長代理 荒木仁志氏
三井住友カード マーケティング本部 データ戦略部 推進企画グループ 部長代理 荒木仁志氏

荒木(三井住友カード):我々は衣食住のモノ消費だけでなく、サービス・体験のコト消費など、全ての消費に関するキャッシュレスデータを保有しています。「消費を通じて日本を豊かにしていきたい」そんな思いでサービスを提供しています。

木本(KEIMA):私は、企業のダイレクトマーケティングを支援するKEIMAで代表を務めています。

KEIMA 代表取締役社長 木本達也氏
KEIMA 代表取締役社長 木本達也氏

木本(KEIMA):サントリーウエルネス様とは、前職時代を含めると約10年のお付き合いです。エージェンシーと連携しながら、施策立案から実行まで幅広く支援しています。サントリーウエルネス様が提供したい価値・メッセージをお客様に適切に届けるべく、メディアプランニングはもちろん媒体開発やデータ施策も手掛けています。

藤澤(サントリーウエルネス):私は2018年にサントリーホールディングスに転職し、現在はサントリーウエルネスでお客様との接点作りを担うメディア部門に所属しています。デジタル広告やテレビCMを担当しているほか、広告企画と呼ばれる全体のメディア設計やアロケーションも兼務している状況です。

サントリーウエルネス メディア部 藤澤周平氏
サントリーウエルネス メディア部 藤澤周平氏

サントリーの広告に脈々と流れる3つのDNA

MZ:サントリーウエルネスの事業についても紹介いただけますか。

藤澤(サントリーウエルネス):サントリーは、2代目社長である佐治敬三が掲げた「生活文化創造企業」という目標のもと、お子様からご年配の方まで幅広いお客様との接点を構築するために、様々な事業を展開しています。その中でサントリーウエルネスは、健康食品や美容商品を中心に提供することでお客様一人ひとりに伴走し、ウエルネスライフを実現したいと考えています。

MZ:サントリーウエルネスは、テレビCMなどのマス広告からデジタル施策まで、様々な領域で販促活動を展開されています。活動の根本にあるブランド思想や、施策を実行する際に重視しているポイントなどがあれば教えてください。

藤澤(サントリーウエルネス):サントリーウエルネスに限らず、サントリーの広告には主に3つのDNAが流れていると私は考えます。1つ目は「エトヴァス・ノイエス(Etwas Neues)」です。ドイツ語で「新しい何か」を意味する言葉に則り、お客様にとって新たな価値をご提案します。

 2つ目は「人間らしくやりたいナ」です。これはかつてウイスキーの広告に使われていたコピーで、サントリーの前身・寿屋宣伝部に在籍していた開高健氏が生み出したものです。コンクリートジャングル状態だった高度経済成長期の日本において「人間らしさを見失わずにいよう」と投げかけたメッセージは、現代にも通用すると考えます。3つ目は人生の応援歌であろうとする「人間賛歌」です。

健康課題に向き合い、適切なコミュニケーションで商品理解を促す

藤澤(サントリーウエルネス):サントリーウエルネスは3つのDNAに加え、お客様の健康課題と向き合う必要があります。そこで、不安や不満などの“不”に焦点を当てることにより、健康課題の解決を目指しています。

木本(KEIMA):サントリーウエルネス様は広告に対して確固たる思いをお持ちです。そのため、ブランドを守りながら広告を出稿することが重要となります。事業である以上KPIは当然シビアに評価されますが、だからといって「売れれば良い」ということではありません。大切なのは、適切なコミュニケーションを通じてお客様に商品を正しく理解していただくこと。そして、理解いただいた上で利用していただくことです。

MZ:消費者の不安を煽るような健康食品の広告を目にすることもありますが、そのような広告はサントリーウエルネスのブランド思想とは反するということですね。

藤澤(サントリーウエルネス):そうですね。業界全体の健全化にも貢献したいと考えていますし、日々その方法を模索しています。

MZ:サントリーウエルネスでは「DHA&EPA+セサミンEX」および「セサミン」の販促において、三井住友カードの「Custella Promotion」を活用しているとうかがいました。このサービスを選んだ理由についてお聞かせください。

藤澤(サントリーウエルネス):どんなに崇高なブランドビジョンやポジショニング、クリエイティブを持っていても、お客様に価値が届かなければ意味がありません。創造した価値を適切な形で伝達するべく、木本さんと媒体の選定をする中で出会ったのがCustella Promotionでした。

 三井住友カード様が抱える会員データベースには、商品の価値を理解してくださる方がたくさんいらっしゃると感じたんです。また、DMを通じたアプローチによって、これまでの広告宣伝活動ではアプローチできなかったお客様との接点を開発できると考え、活用を決めました。

初回配信で目標を達成!圧倒的な獲得効率の高さ

MZ:Custella Promotionの具体的な活用方法と、得られた成果を教えてください。

木本(KEIMA):2021年に、Custella Promotionを通じて商品のターゲット層であるシニアの方にDM/eDMを配信しました。商品のトライアルを経て本品の定期購入に至る流れが多いため、半年ほどかけてトライアルと本品購入それぞれに対するDMの貢献度を測定しました。

木本(KEIMA):測定した結果、初回にも関わらずKPIの目標値を達成することができたんです。これには私も藤澤さんも驚きました。普通は初回の結果を基にターゲットや訴求内容をチューニングしながら目標達成を目指すのですが、Custella Promotionの場合は初回から達成することができたわけです。こんなことはなかなか起こりません。

 トライアルの申し込み率は、最も良い時で他のDM媒体の1.5倍でした。ちなみに、DMの訴求内容はほとんど変えていません。データクリーンルームで相性の良いお客様を推定してDMを配信した時よりも高い数値を示しました。他の媒体でDMを配信すると、最初に強い反応が出るものの、その後の本品購入につながりにくいことがあるのですが、Custella Promotionではそのような傾向も見られませんでした。

MZ:想定していた以上の結果を受けて、藤澤さんはどう感じましたか。

藤澤(サントリーウエルネス):この結果は三井住友カード様の会員に対して適切なコミュニケーションが実行できたことの証左でもあるので、率直にうれしかったですし、安心しました。新しいお客様との接点を非常に効率良く作ることができたため、現在も継続してCustella Promotionを活用しています。

年齢と決済額のセグメントだけで高い成果が出た理由

MZ:Custella Promotionと言えば精緻なターゲティングが強みの1つとして挙げられますが、今回はどのようなセグメントを行ったのでしょうか。

荒木(三井住友カード):Custella Promotionでは、仮説を基に詳細な属性・購買情報でセグメントを行うか、AIを用いてターゲティングを行うのが一般的ですが、今回はあえて年齢と決済額のみでセグメントを行いました。幅広いお客様から支持されているサントリーウエルネス様の場合、最初から細かくセグメントを行うよりも、まずは基本的なセグメントで配信を行い、結果を基に修正をかけていくほうが良いと考えたからです。

荒木(三井住友カード):クレジットカードは決済手段なので、会員様の購買意欲は高いと言えます。加えて三井住友カードは幅広い年齢層の方々にご利用いただいています。当社が長年築いてきたブランド力と、サントリーウエルネス様の誠実なブランドコンセプトが一致したからこそ、初回から大きな結果に結びついたと考えています。

MZ:活用を通じて実感したCustella Promotionの強みを教えてください。

藤澤(サントリーウエルネス):リアルで活発な消費活動をしている方にデジタル上でアプローチできる点と、デジタルだけではなくDMでも接点が持てる点ではないでしょうか。当社の場合は幸運にも初回で獲得効率が合いましたが、各ブランドのターゲットに応じたセグメントによって効率改善が図れる点も魅力の1つだと思います。

木本(KEIMA):荒木さんと「どうすればサントリーウエルネス様にとって良い結果になるか」という視点で建設的な議論ができた点もありがたかったです。精緻なターゲティングの重要性は認めつつ「ターゲットが狭ければ良い」というわけではありません。広くあまねく様々な方にサントリーウエルネスさんの商品をお届けしたいという気持ちもあります。相反する2つの思想を両立させるために、三井住友カードさんから一歩踏み込んだ提案をしていただけるのは非常に心強いです。

顧客が気付いていない変化を先回りして発見する

MZ:今後Custella Promotionを通じてどのようなことにチャレンジしたいとお考えですか。

藤澤(サントリーウエルネス):今後はカスタマイズによってさらなる効率改善が期待できると考えています。三井住友カード様の加盟店データをはじめ、会員のライフステージやライフイベントなどのデータが、インサイトを捉えるための鍵になりそうです。販促はもちろん、お客様の解像度を上げるためにもCustella Promotionを活用していきたいです。

荒木(三井住友カード):当社の分析支援サービス「Custella Analytics」なら、DMに反応した会員のデータを分析することができます。顧客解像度の向上においてお力になれるかもしれません。サントリーウエルネス様は非常に幅広い商品ラインナップをお持ちなので、DHA&EPA+セサミンEXやセサミン以外の商品でもCustella Promotionを活用していただきたいですね。

木本(KEIMA):今回は商品を試したことのないお客様との接点を作る目的でCustella Promotionを利用しましたが、今後は一度離れてしまったお客様から再びお買い求めいただくきっかけ作りにも活用していけたらと考えています。

 また、決済データを定点観測して購入履歴を追っていくと、一人ひとりの方の行動変化が見えてきそうです。たとえば、全国各地でクレジットカードを利用していた方が、急に同じ町内だけで決済するようになった場合、体調や環境の変化があったのかもしれません。サントリーウエルネス様と三井住友カード様が力を合わせれば、お客様自身が認識していないような変化を先回りして捉え、価値を届けることもできるのではないでしょうか。

荒木(三井住友カード):健康食品を購入している方々の、スポーツ・ジム消費や旅行消費、病院における消費額の変化などを仮説ベースで可視化すると、新しい示唆が得られるかもしれませんね。機会があればぜひ提案させていただきたいです。

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2023/01/27 10:30 https://markezine.jp/article/detail/40852