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成果の出るオウンドメディア運用の秘訣とは──クイックな立案・検証でPDCAを高速で回す

 近年、定番施策としてある程度定着しているオウンドメディア。広告とは違ったアプローチができる反面、運用の工数や効果が出るまでに時間がかかる点が懸念材料にもなるだろう。SEOツール「SEARCH WRITE」を提供しオウンドメディア運用支援を手がけるPLAN-Bによると、成果を上げるためには押さえるべきノウハウがあるという。本記事では、同社の百々雅基氏と松本健吾氏に、その秘訣をうかがった。

情報収集段階から接触することで信頼を得る

──お二人の現在の立場をお聞かせください。

百々:私はマーケティング部を立ち上げ、部長としてマーケティング活動全般をマネジメントしています。

松本:私はオウンドメディアPINTO!の運用と、SEOツール「SEARCH WRITE」のマーケティングを兼任しています。

──オウンドメディア運用により、企業はどういった効果が期待できるのでしょうか。

百々:オウンドメディアでの情報発信を行うことで商品購入までに消費者と何度も接点を持てる点がメリットだと考えています。そのため購入段階までに信頼を醸成できる効果が期待できます。

 しかしどんな企業でもオウンドメディア運用が有効なわけではありません。オウンドメディア運用と相性が良いのは、購買までに検索行動を行いながら慎重に意思決定をする事業です。そのためBtoBやBtoC商材の中でも高単価で、購買までしっかり検討をする不動産、美容・医療、スクール系などは相性が良いですね。

松本:広告集客は、効果が上下するなど成果が不安定な面があります。広告とは別にオーガニック検索から集客できるチャネルとしてオウンドメディアを持ち、安定してリード獲得ができるようにしておくことに意義があると思います。

 またセールス担当からオウンドメディアが受注に貢献したとお声をいただくこともあります。問い合わせ数などでは測れない効果が多くあるのが、オウンドメディアだと思います。

株式会社PLAN-B マーケティング部 松本健吾氏
株式会社PLAN-B マーケティング部 松本健吾氏

正しくSEOコンテンツを提供すれば効果が出る

──貴社でもオウンドメディアのPINTO!を運用されていますが、どういったきっかけで始めたのでしょうか。

百々:以前はテレアポと紹介が主なリード獲得方法でした。しかし限界を感じ始め、2017年にPINTO!を立ち上げました。

──オウンドメディア運用を始める懸念点として、費用対効果の不確実性や効果が出るのに時間がかかることが挙げられます。PINTO!を始める際に、どうクリアされましたか。

百々:弊社ではSEOサービスを提供しているので、正しい方法でSEOを意識したコンテンツ作りをしていけば、着実に成果がついてくると知っていました。そのため意思決定がしやすかったです。効果が見えないものに取り組み始めるのは怖いことだと思いますが、数年後には必ず大きな売上を作るチャネルになるだろうとわかっていました。

 また経営層とも合意を取った上での進行だったので、スムーズに始まりました。オウンドメディアの効果は、数字だけでは表せないものもあるので、それを承知でやり切ることを経営層と合意形成することは重要です。

施策のPDCAを運用に乗せるSEOツール

 本記事で登場するSEOツール「SEARCH WRITE」。その特長や機能を詳しく紹介する資料が無料でダウンロードできます。

オウンドメディアは「続ける覚悟」を持って取り組む

──一度は取り組んだものの、中止したという話も良く聞きます。そうならないためにはどうしたら良いでしょうか。

百々:オウンドメディア運用は「成果が出るまでに時間がかかる」前提を持って始めることが大切です。制作ペースにもよりますが、成果が見えるまでに1年ほどかかります。記事の本数にすると50~100本以上必要です。

 また最初からコンバージョンを成果指標とせず、フェーズごとに目標となる指標を変えていくことが重要です。はじめは記事公開本数などのアクション量を目標にすることがおすすめです。一定のペースでの記事公開が運用に乗れば、次にセッション数の向上を目指します。最後にセッション数とコンバージョン率を掛け合わせて見ていくのがよいでしょう。

株式会社PLAN-B マーケティング部 部長 百々雅基氏
株式会社PLAN-B マーケティング部 部長 百々雅基氏

──どのくらいの予算の見積もりをしておけば良いでしょうか。

百々:中途半端に手を出して途中でやめて成果が出ないのが一番もったいないので、1年は続けることを前提に予算を確保することが必要です。また毎月最低4本ほどは記事を公開しないと効果は出づらいため、そのリソースを用意しましょう。

──オウンドメディアの集客チャネルとしてSEOが挙げられますが、SNSとの使い分けについてはいかがですか。

百々:SNSでは受動的な情報収集、SEOは何か解決したい課題がある際の能動的な情報収集の場です。自社の商材ではどちらに注力すべきか、あるいは両方行うのか、持てるリソースから判断すると良いでしょう。ただSEOに注力することで、より自社が獲得したい顧客層へアプローチしやすい傾向はあると考えています。

松本:コンテンツの集客を行う場所は、自社のターゲットとしている層がどこで情報収集しているのかに合わせるのが良いと思います。「競合がやっているから自社もオウンドメディアやSEOに取り組む」「流行っているからSNSに取り組む」といった動きはおすすめしません。必ず自社のお客様の行動に沿って実施していく必要があります。

分析はスピーディにし、PCDAを素早く回す

──PINTO!の運用体制を教えてください。

松本:弊社ではSEOやインターネット広告、サイト制作など複数のプロダクトを扱っており各ジャンルの記事を作成しています。事業ごとのマーケティング担当者がどのキーワードを狙うのかを考え、執筆は外部のライターに発注しています。また構成案や執筆後の原稿は現場のコンサルタントがチェックをする体制にしています。

百々:コンテンツにおいて質を担保することが欠かせません。質を担保するには、現場経験がある人が関わることが重要です。一次情報をコンテンツに入れ込むことで質を上げたいので、すべてを外注することは難しいです。執筆や編集作業はお願いできても、戦略面やコンテンツ品質など事業理解が必要な領域は社内で担保することが求められます。

──成果を上げるために気を付けるポイントを教えてください。

松本:施策量が担保できる体制であることが大切です。キーワード選定などの戦略部分で差は出ますが、実行量がなければ戦略も、絵に描いた餅に終わってしまいます。しっかりと施策量を担保するために効率的な運用をすべく、何に時間をかけるかは強く意識しています。

 加えて公開した記事の振り返りをすることも重要です。どの施策が成果につながったかを見ていかないと、施策の方向性が合っているのか、次にやるべきことは何なのかを判断できません。

 PINTO!の運用ではリライトを行った後、成果から仮説が外れたら、追加施策を打つことが日常茶飯事です。実験し、振り返り、次につなげていくことを繰り返すことが成果を出すためのポイントです。

──振り返りはどのくらいのスパンで行うべきですか。

松本:メディアや施策によって適切なスパンは変わってくると思いますが、1週間~1ヵ月くらいになるでしょう。PINTO!では2週間ほどで見るケースが多いです。

百々:時間の使い方について、分析に時間をかける人も多いですが、検索アルゴリズムは変化も多く、何が正解かは時間をかけて分析してもわからない部分もあります。なので分析はある程度にして、ユーザーに向き合いコンテンツを作り、試行回数を増やすと良いでしょう。そして成果の振り返りを行い、次の仮説をたて、検証する。このようにPDCAサイクルをいかに早く回すかが、成果を出す上で一番大切です。

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SEOツール「SEARCH WRITE」の活用で効率的に成果を上げる

──「SEARCH WRITE」は、オウンドメディア運用にどう活用できるのですか。

松本:オウンドメディア運用のPDCAを効率的に回すことができ、面倒な成果の記録や振り返りが行いやすくなっています。3つのポイントで説明しますね。

 まずはキーワード選定についてです。キーワードを見つけたい場合、軸キーワードを入力して、関連キーワードを洗い出します。候補を見つけたらチェックを入れて、タスクリストに追加します。また競合サイトとの比較を行い、競合サイトが上位表示されていて自社ができていないキーワードをピックアップする方法もあります。

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左:関連キーワードを探す、右:該当キーワードの競合サイトを上位表示(クリック/タップで拡大)

松本:リライトすべきキーワードも「自社キーワード分析」機能から選定できます。順位などで絞り込み、リライト候補を見つけてタスクリストに追加します。タスクリストに追加したものは以下右図のように管理され、次に行うべきアクションがわかるようになっています。

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左:バブルチャート上になっており直感的にキーワードを分析、右:ToDoリストへタスク化することができPDCAが回しやすい仕組みになっている(クリック/タップで拡大)

松本:次はコンテンツ作成についてです。コンテンツの構成を作る機能から、上位表示されやすいコンテンツの文字量、見出しの数、入れるべきキーワードなどがわかるので、それを元に仮説を立てコンテンツの構成を作っていきます。

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(クリック/タップで拡大)

松本:最後は成果記録です。完了させたタスクのボタンを押すといつ・どんな施策を行い、数字が変化したかを見ることができます。完了日や担当者ごとにタスクや結果を見ることができる点が、現場担当者としては推しポイントです。

 おかげで施策の成果がわかりやすく、運用が軽減されています。データの分析や施策の記録はツールを使って効率化することで、コンテンツ品質のチェックなど必要な部分に時間を割けています。

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(クリック/タップで拡大)

──各作業は、ツールを使うことでどれくらいの時間配分で行えますか。

松本:キーワードの選定は30分ほどです。ユーザーの仮説を立て、検索意図や見出しを決めるといった記事の構成を作成するのは、1記事あたり30分~1時間以内くらいです。そこから執筆を外部パートナーにお願いしています。

──競合ツールと比較した強みを教えてください。

百々:一番大きいのは、PDCAを回しやすいところです。市場やユーザー、ニーズの変化によって検索結果は大きく変わります。また競合もSEOを意識しているので、同じキーワード・同じ記事を作成しても、ガラッと順位が変化することもあります。せっかくコンテンツを作成したにもかかわらず、放置してはどんどん効果は薄れてしまいます。成果を見てリライトや新規コンテンツを追加する、さらに結果を見て追加施策を打つというPDCAを回すことが、SEOにおけるオウンドメディア運営に必要です。SEARCH WRITEではそれが実現できます。

ツールの使い方ではなくSEO支援を行っていく

──ツールを導入したものの使いこなせないという話もありますが、貴社では支援体制を構築していますか。

松本:ツールの設計として、不要な機能をつけないように強くこだわっています。機能追加は便利に見える反面、成果を出すために利用する機能は限られるからです。

 またカスタマーサクセスメンバーが伴走することにより、インハウスでのSEOスキームの構築も行っています。コンテンツの品質チェックなどを一緒に行いながら、運用体制を作るサポートをしています。

百々:前提として、どんなツールを使っても正しいやり方を知らないと成果は上げられません。弊社では、ツール導入の支援ではなくSEO自体の導入を支援するスタンスでカスタマーサクセスを行っています。だからこそ最初にSEOのやり方からレクチャーし、ツール内のチャットでSEOに関することも質問できるよう整えています。

──今後の展望についてお聞かせください。

百々:SEARCH WRITEはお客様が大事にしているところや苦戦しているところをカスタマーサクセスが日々収集しプロダクトに反映しています。今後もより使いやすいツールへとアップデートし続けていきたいと思います。

松本:PINTO!を通してもお客様が疑問に思ったことを実行に移していけるよう実用的なコンテンツを発信していきたいです。SEOに限らず、インターネット広告やサイト制作事業も行っているので、デジタルマーケティング全般において一層深くお客様の課題解決をしていけたらと思っています。

施策のPDCAを運用に乗せるSEOツール

 本記事で登場するSEOツール「SEARCH WRITE」。その特長や機能を詳しく紹介する資料が無料でダウンロードできます。

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この記事の著者

平田 順子(ヒラタ ジュンコ)

フリーランスのライター・編集者。大学生時代より雑誌連載をスタートし、音楽誌やカルチャー誌などで執筆。2000年に書籍『ナゴムの話』(太田出版刊)を上梓。音楽誌『FLOOR net』編集部勤務ののちWeb制作を学び、2005年よりWebデザイン・マーケティング誌『Web Designing』の編集を行...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/03/06 11:00 https://markezine.jp/article/detail/41445