広告予算の変化
次に、広告種類別の予算について見てみよう。昨年に比べ予算が「増えた」という回答は「デジタル広告」の44.7%が突出しており、以下「テレビ」8.0%、「屋外・交通広告」7.8%と続く。「減った」という回答では「雑誌」の11.2%が最も多く、「新聞」10.8%、「屋外・交通広告」9.4%となった。
2020年から2022年までの経年比較で確認すると、「新聞」は「利用していない」の回答が6.7%増えている。逆に「テレビ」は「増えた」という回答が1.7%増、「デジタル広告」は10.2%増とコロナ禍以降の傾向は継続している。「屋外・交通広告」も「増えた」という回答が3.8%から7.8%とほぼ倍増している。
デジタル広告予算の変化
デジタル広告のみに注目すると、昨年比で予算が「増えた」という回答が最も多かったのは「検索連動型広告」の33.6%だった。さらに「動画広告」は26.9%、「ディスプレイ(静止画バナー)広告」は26.2%と、高い割合が続く。「減った」という回答が最も多かったものは「ディスプレイ(静止画バナー)広告」と「タイアップ広告・記事広告」でともに6.8%である(図表3)。
予算の増減を2020年から2022年までの経年比較で見てみると、「検索連動型広告」「ディスプレイ(静止画バナー)広告」「動画広告」は「増えた」の回答が2020年から2021年にかけて減少し、2022年に回復している。それぞれの3年間の増減は、「検索連動型広告」は32.5%から31.5%、そして33.6%へ。「ディスプレイ(静止画バナー)広告」は24.7%から24.3%、そして26.2%へ。「動画広告」は27.2%から24.8%、そして26.9%となった。「メール広告」は「増えた」が2020年の15.3%から2022年には12.6%になっており、減少傾向のようだ。
デジタル広告の予算増加は著しいが、デジタル広告の出稿をやめているケースも少なくない。そこで本レポートでは、その理由を尋ねている。すべての広告で1位となった理由は「十分な費用対効果が得られなかったため」である。また、広告別では「動画広告」は53.6%、「検索連動型広告」は43.2%、「ディスプレイ(静止画バナー)広告」は41.9%がそれを理由としている。また、「より効果のある広告にシフトさせたため」「もともとトライアルで出向していただけであり、その後出稿していない」という理由も上位となっている(図表4)。
デジタル広告は効果が可視化されやすく、投資には積極的でもコストに見合う成果が得られなければ取りやめる判断も早いと言えるだろう。
「十分な費用対効果が得られなかったため」という理由で出稿をやめた割合の多い動画広告は、一方で近年影響力が増している手法でもある。回答者が出稿している端末は、「PC」が44.2%、「スマートフォン」が42.8%、「タブレット端末」が36.4%となった。「出稿するつもりはない」という回答については、「タクシー」が74.0%、「テレビ(コネクテッドテレビ)」が66.5%、「デジタルサイネージ」が64.8%と半数を大きく超え、消極的な姿勢がうかがえる。
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