GiftX 飯髙悠太さんのおすすめ
マーケティング含め仕事をしていると、どうしても目の前のKPIに追われてしまうこが多々あります。顧客と向き合うことを絶対に忘れてはいけないのに、どうしても流されてしまうことがあるのではないでしょうか。
『顧客はサービスを買っている―顧客満足向上の鍵を握る事前期待のマネジメント』は、マーケターであれ他の職種であれ、サービスに関わっている以上、顧客を思い・考え仕事をしなければいけないこと、顧客と向き合うことの重要性を再認識するきっかけになります。ぜひ、書籍の内容とご自身の職種や業態と照らし合わせながら読んでみてください。
株式会社GiftX Co-Founder 飯髙悠太氏
2014年株式会社ベーシックにて、マーケティングメディア「ferret」を立ち上げ、執行役員に就任。2019年株式会社ホットリンクに入社し、執行役員CMOに就任。2022年7月に「ひとの温かみを宿した進化を。」をテーマに株式会社GiftX共同創業。自著は『僕らはSNSでモノを買う』、『BtoBマーケティングの基礎知識』、『アスリートのためのソーシャルメディア活用術』。
ヤマップ 小野寺洋さんのおすすめ
ダイレクトマーケティングに携わって20年以上。かつて、『アイデアのつくり方』を読んだことが、自分の編集アイデア、広告アイデア、マーケティングアイデアを大きく広げることになったのは紛れもない事実です。
他の人から「どうやったらそんなアイデアを出せるのか?」と聞かれた時に、私が最もオススメしてきたのがこの本。「アイデアとは有限個のものの組み合わせでしかない」ということがわかった時に、アイデアを出すことはセンスがある人や特殊技能を持つ人だけができるのではなく、自分にもできるんだという自信が湧いてきました。また、忘れたころに「アイデアが降ってくる」ということも大きな気づきです。ルールがあるからアイデアには魅力と深い喜びがあります。自分でアイデアを出すだけでなく、チームメンバーのアイデア発想をサポートする立場の方にもオススメです。
「60分で読めるけど、一生あなたを離さない本」という本の帯の言葉通り、簡単に読めるのに、一生使えるアイデア創出知識が身につくと思いますよ!
株式会社ヤマップ 執行役員・マーケティング戦略本部長 小野寺洋氏
「通信教育(ベネッセコーポレーション)」「飲料・食品(ネスレ日本)」「化粧品・食品(JIMOS、協和)」などのメーカーで、ダイレクトマーケティングおよび消費者コミュニケーションに従事。広告企画をはじめ、販売手法開発、他社との共同事業開発、M&Aなども手がける。2019年7月より株式会社ヤマップにて、登山をテーマとした「ファンベース型」の消費者コミュニケーションを指揮。ロケーション、タイムリー、インタラクティブを駆使したアプリマーケティング活動を推進。趣味は温泉、写真撮影、山登り。佐賀県出身。
良品計画 篠原佳名子さんのおすすめ
もはや誰しもが知る名著ではありますが……。読む度に習熟度が異なり、自分がどこのステージにいるのか明確にわかります。自己成長・変化を感じさせてもらえる本だと実感しています。
はじめて本書を読んだのは29歳の時でした。当時、私は事業会社マーケターの見習いで、本に書いてあることを座学として覚えるようなレベルでした。本の内容を自分ごと化できていたのは、3割程度だったように思います。
立場が変わる度に辞書のように毎年読み返してきましたが、現在33歳になり、ようやく著者のおっしゃることが実際のビジネス、主に事業戦略と照らし合わせられるようになりました。
読む度に自分が気になるポイントが変わり、自分のスキルの健康診断的な役割を果たしてくれるような本です。ずっと手元に置いておくことをおおすすめします。
株式会社良品計画 EC・デジタルサービス部 企画課 篠原佳名子氏
2022年より良品計画 EC・デジタルサービス部にて、“顧客視点のOMO”をテーマにサービスデザイン・コミュニケーション設計・UI/UX改善に取り組む。社外では公益社団法人 日本アドバタイザーズ協会 デジタルマーケティング研究機構 幹事にも就任し、デジタルが当たり前になった世界でのマーケティングの実践研究やセミナー運営を行う。これまではTwitter、トリドールホールディングスにて、マーケティングコミュニケーションの領域で戦略立案と実行を推進
サイカ 高木将臣さんのおすすめ
マーケターにとって、“アカウンタビリティ”は年々重要性を増しています。
以前は良いクリエイティブを創造する右脳的な能力が重視されてきたマーケターですが、デジタルマーケティングの台頭やDXが叫ばれる中、数値的な検証など左脳的な能力も高く求められてきています。マーケティング部門としてプレゼンスを発揮するために、昨今、特に必要性が高まっているのが、社内外に根拠をもってわかりやすく説明する力です。
クリエイティビティとしての右脳とそれを補強する論理的な左脳をかけ合わせ、投資家や経営陣、他部署に対して投資対効果を説明するアカウンタビリティが求められているのです。
この本は、今後のマーケターにとって重要な「問題解決力」「企画力」「説明力」といった左脳的な能力を強化できる内容になっています。問題構造を正しく分解し、わかりやすく伝える技術が求められるマーケターの方にこそ読んでいただきたい一冊です。
株式会社サイカ 執行役員 事業本部 Marketing部 部長 高木将臣氏
株式会社キーエンスに入社し、大手輸送メーカーにFA機器の営業で従事。その後、グリー株式会社にて広告営業を経て、マーケティング部のシニアマネージャーとしてリサーチ・プランニングから実行・分析まで一貫してマーケティング実務を担う。2018年7月よりサイカに参画。CS副部長として入社し、営業、MK部長兼任の後、MAGELLAN事業部事業部長を経て2022年4月より執行役員に就任。
博報堂 藤平達之さんのおすすめ
古川さんの書籍にコメントするのは畏れ多いし、多くの方がキレキレのレビューをされているので「そちらをお読みいただければ……!」という感じなのですが、個人的バイブルです。
優秀なマーケターはクリエイターであり、優秀なクリエイターはマーケターである、ということがよくわかる本です。自分が何者かわからなくなると読み直すのですが、結果、ますます何者かわからなくなるという魔宮のような本です。あと、自分のメンタル次第で刺さるポイントが変わる、リトマス試験紙のような本です。古川さんの元で仕事したいなと思える本であり、いや、してみたくないな、と思える本でもあります。
ものすごく単調なコメントになってしまいましたが、この本自体が、マーケターやクリエイターに対するクリエイティブ・ディレクションになっていると思うので、喝を入れられたい人や迷っている人にはオススメです。読み物としてもわかりやすく、スラスラ読めます。
株式会社博報堂/株式会社SIX Strategic Creative Director/UX Designer 藤平達之氏
2013年博報堂入社。パーパスと生活者発想の両視点から設計したコアアイデアを、様々な手法で形にする。広告・統合コミュニケーションにとどまらず、サービスやプロダクトの開発、番組制作やアーティストのクリエイティブパートナーなども手掛ける。自身のプランニングを「PJMメソッド」 として体系化し、『クリエイティブなマーケティング』(現代書林)として出版。これまでに「2020 60th ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS 総務大臣賞/ACCグランプリ」などを受賞し、セミナーや講演も多く実施。2023年の興味関心は、カヌレとオレンジワイン
花王 廣澤祐さんのおすすめ
本書は一度手に取ったことがある方も多いかもしれません。他方、その分厚さゆえに、購入しても読んでいない、あるいは途中で挫折した方も多いかと思います。
以前、私はMarkeZineの別企画で『経営戦略の思考法』(沼上, 2009)を推薦しました。こちらは経営学の発展の過程や、その背景にある考え方、経営理論の「論理」を鋭く解説しています。
2020年2月掲載「廣澤祐さんの2冊」
・最近、いちばん感銘を受けた書籍:『経営戦略の思考法 時間 展開・相互作用・ダイナミクス』
・マーケターならこれを読むべし!:『次世代コミュニケーションプランニング』
一方、今回の推薦図書は経営学における見取り図や世界地図に近いものと言えます。本書は有名な経営理論について、広範な学術領域をまたぎながら、各理論のルーツを踏まえて整理・分類し、要点を解説しています。実際、本書で扱われる理論は、言葉こそ知らずとも日々のビジネスで皆さんが自然と取り入れているものも多くあるかと思います。私自身、経営学の地図として、ビジネスや大学院での研究の様々なシーンで辞書として活用しています。
経営理論を身近に感じられる良書ですので、GWにぜひ通読に挑戦してほしいと思います。
花王株式会社 DX戦略部門 事業DX推進センター 事業DXサポート部 データドリブンMK推進室 廣澤祐氏
2015年に花王に新卒入社し、デジタルマーケティング部にてメディアプランニングなど広告宣伝業務に従事したのち、化粧品ブランドにてブランドマネジメント業務を担当。2021年よりDX推進担当部門にて会社横断のデジタル化推進業務を担当。2021年に一橋大学大学院 経営管理研究科(MBA)修了したのち、同大学院の経営管理研究科 博士後期課程にてMOTやイノベーション・マネジメントの研究に従事。その他、公益社団法人日本アドバタイザーズ協会 デジタルマーケティング研究機構U35プロジェクトのリーダーやAdvertising Week Asia、Rising Agendaなどのカウンシルを務める