マーケティングの知識ゼロで異動
──自己紹介をお願いできますか。
吉賀:私はリクルートに新卒で入社して3年間、新卒採用人事に携わりました。そのあと社内の手上げ異動制度「キャリアウェブ」を利用して、マーケティングの部署に異動してきました。2022年の10月から、CRMのチームリーダーをしています。
川島:私も新卒でリクルート(当時のリクルートライフスタイル)に入社して、新卒採用担当を1年半経験しました。私は自分から異動を希望したわけではありませんが、マーケティングの部署に配属になりました。そこで、「じゃらんゴルフ」や「じゃらんレンタカー」などのCRMを担当したあと、チームリーダーも経験。2021年10月に「Air ビジネスツールズ」を扱うSaaS領域の部署に異動して、グループマネージャーをしています。
──マーケティングに興味を持った理由を教えてください。
吉賀:定量的な見方と定性的な見方、両方ができる仕事をしたいと思っていたのですが、それがかなうのがマーケティングでした。定性的な見方は今まで培っていたので、定量的な部分を鍛えたいと思っていました。具体的なスキルとしては、データで物事を明らかにしたり、課題を改善したりすることですね。
──マーケティングの知識は、もともとあったのですか。
吉賀:ほとんどゼロでした。最初は「CRM」が何かさえ、わかりませんでした。
川島:私はプログラミングの経験があったので、ほんの少しだけ知識はありました。でも、業務で使うSQLなどの経験はなかったため、ほぼゼロと言ってもいい状態でしたね。
ステークホルダーが多いほか、用語を覚えることに苦労
──異動後、苦労した点はありましたか。
吉賀:たくさんあります。たとえば、理想像を描いてから現状を分析し、課題解決の方法を探る考え方は、マーケティング部に異動してからより強く意識するようになりました。
採用人事でも、理想と現状とのギャップから打ち手を考えることはありました。しかし異動後はその考えをより深く、広く、精度を上げて行う必要があり、慣れるのに手間取りましたね。あとは社内やお客様を含め、たくさんいるステークホルダーの視点を網羅して理解しなければならないことです。
川島:ステークホルダーが多いのは、本当にその通りですね。その人たちがどんな仕事をしていて、どう連携していけばいいのか、最初はまったくわかりませんでした。
吉賀:専門用語をはじめ、マーケティングの基礎知識もないので、ステークホルダーの情報をキャッチアップするのにも時間がかかりました。
川島:難しいと思ったのは、「ロマンとソロバン」を常に考え続けることです。お客様目線だけを重視していると、費用対効果が悪くてビジネスとして成り立たないことがあります。以前いた採用の現場では有望な学生さんをいかに採用するかが第一で、ビジネスに求められる厳密なコスト意識はあまりありませんでした。
──どのように克服したのでしょうか。
川島:ステークホルダーの仕事内容を把握するために、異動後はしばらく、色々な人をランチに誘っていました。
それぞれの現場でアウトプットが違っていても、思いはみんな同じだということがわかり、仕事がしやすくなりました。結局は、ステークホルダーの仕事内容を理解し彼ら・彼女らの視点を取り入れながら、自分でとことん考え抜いてやっていくしかないと悟りましたね。
吉賀:私も考えた施策の素案などを、それぞれのレイヤーの人に見てもらって、フィードバックを受けて自分の視点を増やしていきました。
あとは専門知識不足を解消するためには、とにかく手を動かすことですね。研修や領域横断の勉強会などで知識を深めました。何よりマーケティングで使う各種ツールを自分の手で動かすことで、実データを見ながらデータ分析や集計、可視化などのスキルをつけることができました。