成功した体験がやりがいに
──前業種のスキルセットで、今に活きているものはありますか。
川島:新卒から3年目までは、スキルよりスタンスが大切だと思っています。自分の仕事に当事者意識を持って取り組む姿勢は、どの部署に行っても変わりません。
吉賀:採用人事では、学生さんの立場になって考えることが求められます。その定性的な考え方は、マーケティングでも活かせていると思いますね。そこで立てた仮説に、データに基づく検証を肉付けしていっているイメージです。
──マーケターとしての成功体験を教えてください。
川島:「じゃらんゴルフ」でCRM担当をしていたときに、「ロマンとソロバン」の壁を克服した体験を覚えています。
このサービスでは、キャンペーンやセールを案内するメールマガジンをお客様にたくさん送っていました。ふとお客様目線で考えたときに、「煩わしいな」と感じて。そのことを当時の上司に相談すると、「それをビジネスで解決するのが君の仕事だ」と言われました。
そこでじゃらんゴルフへのロイヤリティを高め、売り上げにつなげていこうと考えました。具体的にはメールマガジンの内容に、ゴルフが上達するコツを盛り込んでみました。結果として、売り上げを伸ばすことができました。この経験で、お客様を大切にしながら売り上げを伸ばしていく面白さを実感できました。
吉賀:「じゃらんnet」で事前予約時のカード決済の還元率を、5%から10%に上げるプロジェクトに携わりました。これは、利用者の予約時におけるカード決済を推進するもので、事業としては今後の成長を図る上でもとても重要な取り組みでした。
そこで私は、LPの新規制作や還元率変更後のキャンペーンの仕立ての検討など、プロジェクトほぼ全てに関わりました。とくに、コストロジック作成についてはメインで担当することになったんです。過去に同様の仕立てのキャンペーン実績がなく、コロナ禍などの市況も加味して見立てる必要があり、とにかく苦労しました。
異動後半年での大型のプロジェクトで、大きな金額が動くのは怖かったですが、結果的にプロジェクトもうまくいきました。

旅行領域マーケティング部 旅行マーケティング1グループ
CRMリーダー 吉賀 まり氏
──マーケターになって良かったと感じる点を教えてください。
川島:事業の最上流から最下流まで、一貫して関われるのが、マーケティングの面白さです。事業を大きくしていくためには、部署や役割といった垣根を越えることがカギになってきます。ですから、自分のスタンス次第で、できることが無限にあるのが良い点です。
吉賀:課題があり、それを検討し、定性と定量の両面から論を組み立てていくことを学ぶことができました。しかも、より広く、深く学べていることが、私にとっては大きいです。このビジネスの原理原則がわかっていれば、他の領域であっても、自分で何かを創り出せるのではないかなと思っています。