国内商取引の3分の1を担うインフォマート
――まずはインフォマート様について教えてください。
水谷:インフォマートは見積・発注・請求などの帳票系業務を軸に、商取引の様々な業務をデジタル化するサービス「BtoBプラットフォーム」を運営しています。特徴はDtoD(データtoデータ)方式でサービスを提供する点です。
多くの帳票はPDFをメールで送ったり、紙に印刷して郵送したりしますが、当社のサービスはPDF化もしません。データを入力するだけでやり取りが完結します。当社のプラットフォーム内であれば、どの取引でも同じIDを利用できる点も特長です。
元々は飲食業界の方々に向けたサービスでした。個人経営の飲食店様に対してパソコン購入のサポートから、キッチンの真横でシステムのレクチャーをするような泥臭いこともしてきた歴史があります。データがお客様のビジネスを変化させると信じてきた、社風としてもデータに非常に重きを置いている会社だと思います。
おかげさまで2023年に25周年を迎え、現在では建設・物流・情報通信など幅広い業界に対してサービスを展開しています。導入企業数は日本企業のおよそ3分の1にあたる105万社、年間流通金額は約44兆円です。
ビジネスチャンスを作るフロー型データの蓄積にAsk Oneを採用
――データの重要性を知る御社が社内外・オンライン・オフラインを問わず活用できるマルチチャネルフォーム「Ask One」を導入した背景は何でしょうか?
水谷:事業力アップのためにも、マーケティングの入り口から既存顧客のデータまで一気通貫で管理できる仕組みを社内に作りたいと考えていました。管理したいデータはストック型とフロー型の2つ。ストック型は、会社の住所、担当者の部署や役職のような基本的な情報を着実に蓄積する、いわゆる企業データベースです。
フロー型はその名の通り瞬間的に活用していくデータです。お客様や営業が行動を起こしたタイミングの記録や、各接点におけるお客様との会話から獲得する「泥臭いデータ」ですね。ビジネスの機会を逃さないためにはフロー型データが重要で、その取得にAsk Oneが有効ではないかと考えました。
ゆくゆくは社内全体で活用したいと考えつつも、まずはスモールスタートで展示会オペレーションの効率化および最適化への活用を考えました。しかし、蓋を開けてみると様々な担当者が自主的にAsk Oneを活用し始めているのが当社の現状です。
Ask Oneは新規リード創出にも、既存顧客の課題把握にも活用できる
――では、Ask Oneの具体的な活用方法をうかがえますか。
丸山:最初は展示会で名刺を読み取って2、3問の質問に答えてもらうベーシックな使い方をしました。今ではSalesforce、Account Engagementと組み合わせることにより、お客様情報の取り込み・管理を自動化しています。マーケティング担当者は、展示会の運営後や翌日に手作業で行っていた作業がなくなり負担が減りましたし、営業やインサイドセールス(以下、IS)からは、お客様情報提供のリードタイムが短くなった上に、展示会でお客様と会話した内容もSalesforce上で確認できるので「電話でのアプローチがしやすくなった」と評価を得ています。
泉:展示会翌日の午前中には、展示会で得たお客様のお悩みやニーズも共有された状態で「架電リスト」が完成しています。お客様の記憶が新しいうちに電話をかけ、内容をしっかりと引き継いだ会話ができるようになりました。また、その場でアポの日程調整ができなくても、事前にお送りしているサンクスメールに日程調整のURLを記載しているため、そちらから商談のお申し込みをご検討いただくといった促しもできています。
丸山:展示会の翌日に架電ができるということ自体がAsk Oneの導入で実現したものです。初動アプローチが早くなったことにより、次回のアポ日程確定や資料請求など、次のアクションに確実につながっていると思います。
泉:Ask Oneのおかげで名刺処理業務が圧縮され、マーケティング担当者もお客様対応に時間を充てることができるようになりました。展示会がお客様の声を聞ける非常に有意義な場所になり、マーケティング施策にも影響を与えていると感じます。
――永島さんは展示会やセミナー運営のメイン担当ではなかったそうですが、どのようにAsk Oneを活用されているのですか?
永島:私のミッションは既存のお客様の課題に対して、当社のオプションをご提案し解決に導くことでした。そこで、Web上で最近よく見かける性格診断のように、お客様課題に適したオプションを紹介する「最適オプション診断」を企画しました。
自社のWeb制作チームに依頼する予定でしたが、上司から「これはAsk Oneでやったほうがいい」と勧められ利用した流れです。UI設計からローンチまでチーム内で完結できた上に、契約後の「お客様の現状課題」を把握できました。Ask Oneは展示会用ソリューションだと思っていたのですが、認識が改まりましたね。
「これやりたい」をマーケター自身が実現できる
――Ask Oneを活用される中で感じるメリットを教えてください。
水谷:展示会後の処理スピード向上、素早い架電など、ISの動きを活性化できた点は大きいですね。そしてすべての活動をフローデータとして蓄積できている点が、将来を見据えての最大のメリットだと思います。
Ask OneはUIのカスタマイズが容易で、コーディングなどの知識がなくてもコンテンツが作りやすい点も非常にありがたいです。多様な表現ができるので、アイデア次第で社内外どのチャネルでも活用できます。
加えてSalesforceはもちろん、スケジュール管理に使用しているTimeRexなど、他ツールともシームレスに連携できることも大きいです。特にSalesforceは当社の社内システムのベースです。既存レコードにAsk Oneの回答を紐づけ、いろいろな条件でマッチングできています。
丸山:展示会で考えると、名刺管理にともなう手作業やミスが減り、会期中1営業日あたり2~3時間/人は削減できている点です。また、以前は経験の多い営業担当とそれ以外の部署のメンバーのセールストークの差が大きかったのですが、たとえばAsk Oneのフォーム項目に無料商談の設問を設けることでヒアリング内容が平準化され、普段お客様との接点が少ないメンバーも現場で積極的に名刺交換を行えるようになりました。
永島:展示会やオフライン施策だけでなく、オンラインマーケティングにも活用できるところが良いですね。思いついた施策をマーケター自身がすぐに形にして試せています。
ツール活用が自走する理由とは?
――インフォマート様ではAsk Oneの活用が自走していますが、そのポイントは何だと思いますか?
水谷:先程申し上げたように、システム導入の際はスモールスタートで成功パターンを1つ作り、それを基に広げる方法が良いと思います。当社の場合、まずは営業やISなど多くのメンバーが関わる展示会で稼働させた上で、横展開を考えました。
また、データ管理の仕組み作りを行うプロジェクトの一環なので、Ask One導入時にも各部署のプロジェクトメンバーにツールを紹介していました。そこを起点に急速に社内で広がった印象です。それだけ、皆が欲していたサービスだったという証拠かと思います。
営業がデータ活用の利点を体感できる仕組み作りを
――Ask Oneは「あらゆる顧客接点で営業機会を逃さない」がコンセプトです。この視点で御社は今後、Ask Oneをどう活用していきたいとお考えですか?
水谷:Ask Oneを活用してストック型とヒアリング内容も含めたフロー型の両データをSalesforceに集約する仕組みを構想中です。一番濃い情報は営業担当が掴んでくる、営業プロセス内での会話だと思います。その高精度なフローデータを集積することでナーチャリングに有効活用していきたいです。
まずはお客様の名刺情報を正確に入力してストック型情報としてためる。加えてお客様との会話内容も入力してもらいたいところです。営業に負担が掛からないよう、出先の移動時間内にサクッと入力できる方法を検討中です。
営業担当1人ひとりがすべてのお客様を理解するのは難しいですが、データを活用することで、お客様の体験を良くすることは可能です。新たに発表されたAsk Oneの「参照マジック」を活用し、展示会中に接客したお客様が新規か既存か、担当営業が誰かが瞬時にわかる。出先でもお客様の社名から情報を取得し、頭に入れた上で商談に臨める。といった、セールス的な活用をしていきたいです。
また、現在アウトバウンドコールを外部の会社にお願いしています。セキュリティの関係で外部の会社には当社システムへのアクセス権を付与できないので、そこをうまく共有する仕組みも作っていきたいです。
あらゆる顧客接点で営業機会を逃さない「Ask One」
Ask Oneは、“あらゆる顧客接点で営業機会を逃さない”をコンセプトに、社内外のあらゆる顧客接点における入力インターフェースを統合するマルチチャネルフォームです。
当社が培ってきた誰でも簡単に作成できるインタラクティブなフォーム機能や、Salesforceをはじめとした柔軟な外部サービス連携機能を基に、Sansanの高精度な名刺の即時デジタル化技術を搭載することで、BtoB企業におけるあらゆるタッチポイントで営業機会を逃さず商談化率・受注率・契約継続率を向上します。
Ask Oneの詳細確認・お問い合わせはサービスサイトへ。