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D2C企業と探る、BX(ブランド体験)の可能性

データだけで顧客は見えない―パーソナライズビューティケア「FUJIMI」に学ぶ顧客インサイトの捉え方


 Webが生活の一部になったことで消費者の興味・関心は細分化され、単一のメッセージを広く発信するだけでは消費者を動かすのが難しくなってきた。この状況でマーケティングの課題を解決し、売上拡大に必要な概念「BX(Brand Experience:ブランド体験)」をテーマに、wevnal代表の磯山氏が各社の考え方や取り組みを伺う本連載。第13回はパーソナライズビューティケアブランド「FUJIMI」やヘアケアブランド「GINZUBA」を展開するトリコのマーケティングDiv.のWEBチームリーダー成田美月氏とブランドチーム小野亮祐氏に話を聞く。

情報があふれる世の中で本当に必要なものを

磯山:トリコさんの「FUJIMI」は、パーソナライズされたサプリメントやスキンケア商品、プロテイン等を扱うD2Cのパーソナライズビューティケアブランドです。

 最初に出てきたときはとても衝撃的で、「パーソナライズサプリって何だ」と世の中がざわついた覚えがあります。

成田:今でこそパーソナライズ製品はたくさんありますが、当時はパーソナライズという概念はあまりありませんでしたね。パーソナライズサプリの発売当初、同じような商品は全然ありませんでした。

磯山:パーソナライズに取り組むことになったきっかけは何だったんですか?

成田:元々弊社は、美容商品や健康食品を紹介するメディア運営が主要事業でした。記事を作るためにいろいろな商品を試していると、中には謳っている内容と実際の商品が全然違うことが結構あるんですよね。

磯山:ありがちですね。

成田:それならば、自社でお客様の願いを本質的に叶えられる商品を作ろうと考えたのがきっかけです。

 商品や情報があふれる現代社会では、お客様が欲しいものを見つけるのですら大変だという課題があるので、パーソナライズでそういうところを解決できればと思っています。

トリコ株式会社 マーケティングDiv. WEBチームリーダー 成田 美月氏
トリコ株式会社 マーケティングDiv. WEBチームリーダー 成田 美月氏

磯山:最初の商材としてサプリを選んだのはどういう理由からでしょうか?

成田:代表の花房が、当時忙しすぎて肌荒れに悩んでいたんです。肌が荒れると自信もなくなり、自己肯定感も下がるという体験をしたからこそ、同じ思いを抱えるお客様に自己肯定感の上がる商品を提供したいという思いでサプリの事業を始めました。

磯山:自信や自己肯定感を上げるというのが、「私らしい美しさで、私をもっと好きになる」というミッションにもつながっているんですね。

オフラインはお客様の悩みに直接向き合える貴重な場

磯山:最近の「FUJIMI」は実店舗などのオフライン体験にも力を入れていらっしゃいます。今までWebをメインに展開されてきて、そこが強みでもあると思いますが、オフラインでパーソナライズというのは難しい面もあるのではないでしょうか?

小野:おっしゃる通り、弊社はWebに強い会社としてやってきました。しかし、Webに触れない方々にどうやって商品の価値を見出していただくかを考えると、オフラインの体験は必要です。

 ただし、量販店の棚に置くだけではFUJIMIの特長であるパーソナライズが失われてしまいます。そこで、週末にポップアップストアを展開する形で、スタッフがお客様と会話をしながら、用途や目的に合った商品をご提案するようにしています。

磯山:Web上ではボタンで選択してパーソナライズするところを、会話しながら探っていくわけですね。

小野:オフラインでは、プロテインを中心に展開しています。プロテインというと「おいしくない」というイメージを持たれる方もまだまだ多くいらっしゃいますし、定期便でまとめて買うのに抵抗がある方も多いでしょう。

 オフラインならば試飲もできますし、スタッフとコミュニケーションを取りながら自分に合うものを探すことも可能です。弊社ではオンラインでは叶えられない体験に重点を置いてポップアップストアを展開しています。

トリコ株式会社 マーケティングDiv. ブランドチーム 小野亮祐氏
トリコ株式会社 マーケティングDiv. ブランドチーム 小野亮祐氏

磯山:オンラインとオフラインの融合には、すごく可能性があると思っています。

小野:我々は、普段ネットを通してお客様を見ているので、どうやったら届くのかをイメージするしかありません。オフラインでは目の前にお客様がいるので、目の前のお客様にとって何が必要なのかを直接考えることができる貴重な機会になっています。

磯山:小野さんご自身も現場に立つんですか?

小野:はい、私も現場に入っています。お客様の悩みを直接聞き、それに対してうちの商品ならこう解決できますよとご提案できるのは、現場でしかできない体験ですから。

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この記事の著者

磯山 博文(イソヤマ ヒロブミ)

株式会社wevnal 代表取締役 2008年大手インターネット企業に新卒で入社し、メディアレップ事業、新規事業開発に携わる。2011年4月に株式会社 wevnal を創業し、LTV最大化を実現するBXプラットフォーム「BOTCHAN」を展開。累計導入社数は600社を超える。 12期目を迎えた2021...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/05/14 12:57 https://markezine.jp/article/detail/45509

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