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D2C企業と探る、BX(ブランド体験)の可能性

「一時の売上よりお客様の利益」ファンケルの長期的ブランド戦略とは

 Webが生活の一部になったことで消費者の興味・関心は細分化され、単一のメッセージを広く発信するだけでは消費者を動かすのが難しくなってきた。この状況でマーケティングの課題を解決し、売上拡大に必要な概念「BX(Brand Experience:ブランド体験)」をテーマに、wevnal代表の磯山氏が各社の考え方や取り組みを伺う本連載。第11回は無添加化粧品やサプリメントを取り扱うファンケルの通販営業本部 営業企画部 部長 長谷川敬晃氏(取材:2023年7月時点)に話を聞く。

真面目すぎるくらい、正直に顧客と向き合う

磯山:ファンケルさんと言えば、化粧品とサプリメントが二大事業ですね。本日はブランドの作り方や理想とするあり方についてお聞きしたいと思っています。最初に、ファンケルさんがブランド作りで大事にしていることを教えてください。

長谷川:ファンケルは他社と異なるブランドの作り方をしていると思います。我々はファンケルブランドを何よりも大事にしていて、ファンケルブランドの中で各事業を育てていくイメージを持っています。そのため、現時点では個別ブランドのブランドマネージャーは置いていません。

株式会社ファンケル 通販営業本部 営業企画部 部長 長谷川敬晃氏
株式会社ファンケル 通販営業本部 営業企画部 部長 長谷川敬晃氏

磯山:確かに「ファンケル」というブランドイメージは強力ですよね。ブランドの理念やコンセプトはどのようなものですか?

長谷川:ファンケルは元々、1970年代に社会問題になっていた化粧品公害に対して「女性を美しくするものが女性を苦しめてはならない」という創業者の正義感から誕生しました。

 ファンケルでは、どの事業でも適切な商品を作り、提供することで世の中の「不」を解消し、社会問題を解決したいという思いが根底にあります。

磯山:スタンスメッセージとして掲げている「正直品質。」も、今お話しいただいた思いが反映されているのでしょうか。

長谷川:言葉そのままの正直という意味もあれば、馬鹿正直みたいなところもあったりして(笑)、少し不器用かもしれない企業姿勢がよく現れているワードだと思います。ファンケルという会社は、良くも悪くも真面目で少し不器用なんです。会社の利益よりもお客様のためになることを優先します。

 サプリメントの成分が何時間後にどこでどのように溶けるかまでとことん考えて商品を作っていますし、化粧品がお客様の肌に合わなかったら無期限で返品を承ります。

磯山:まさに「正直品質。」な商品・サービスを提供しているんですね。

長谷川:広告やLPなどのクリエイティブも、お客様に正しく伝えたいという思いから、どうしても文字が多くなって野暮ったくなってしまうこともあるのですが、それも当社らしさだと思っています。

「お客様のため」という共通認識で動く

磯山:長谷川さんが所属する通販営業本部の営業企画部は、社内でどのような役割を担っているのですか?

長谷川:通販営業本部には、クリエイティブ制作や販売促進企画など様々な部隊がありますが、我々営業企画部はそれらに当てはまらない「その他」の仕事をしています(笑)。

磯山:その他となると、かなり担当範囲が広そうですね。

長谷川:たとえば、MA(マーケティングオートメーション)の運用やアプリの開発、自社ECサイトのサービスリリースにともなうシステムの改修などを、システム部門やシステムベンダー様と一緒に取り組んでいます。

 マイページに購入履歴を表示させたいと要望があった場合、営業企画部で表示の見せ方やデータの流れを考えて、システムベンダー様に案を作って依頼します。その後、システムベンダー様側から提案をもらったり、システム部の意見も取り入れたりしながら作り上げていきます。

磯山:実際に手を動かすのはシステム部やシステムベンダー様ですが、どういう風に改修するかを営業企画部が考えているんですね。

長谷川:お客様にご利用いただく画面のすべてをシステム部隊任せにするのは、営業として違うのではないかと思うんです。「お客様にどう感じてほしいか、どのような画面にするか」という要件は、我々営業側が意思を持って決めるべきだと思っています。

磯山:他の会社だったら、ブランドマネージャーが全部意思決定して一気通貫で行いますよね。ファンケルさんはブランドマネージャーを置かない体制ですけど、「ファンケル」というブランドで各部門がつながっているのかなと感じます。

長谷川:そうですね。社内全体が強く企業理念に共感し、『常に「お客様のため」を一番に考える』という同じ方向を向いています。

 たとえば、弊社の商品に「コアエフェクター」という無添加の薬用シワ改善美容液があります。ファンケルではやや高価格帯の商品なのですが、「無添加の化粧品を研究し続けてきたファンケルだからこそ作れた商品」で、「スキンケアに悩むお客様にはぜひおすすめしたい商品だ」と社内全体が同じベクトルを向いた印象がありました。

 だからこそ、製造部門はもちろん良いものを作るし、クリエイティブ制作や販売促進企画もスムーズな仕事ができたので、やや高め価格帯にもかかわらず発売当初から多くのお客様にご愛顧をいただくに至ったんだと思います。

磯山:統括するブランドマネージャーを置かなくても、意思統一がされているんですね。

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この記事の著者

磯山 博文(イソヤマ ヒロブミ)

株式会社wevnal 代表取締役 2008年大手インターネット企業に新卒で入社し、メディアレップ事業、新規事業開発に携わる。2011年4月に株式会社 wevnal を創業し、LTV最大化を実現するBXプラットフォーム「BOTCHAN」を展開。累計導入社数は600社を超える。 12期目を迎えた2021...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/11/28 09:00 https://markezine.jp/article/detail/44177

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