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広告/マーケティングにおける7つの転換点~『2030年の広告ビジネス』番外編

従来型広告枠の減少と効果減衰【広告/マーケティングにおける7つの転換点】

 昨年、『2030年の広告ビジネス』を上梓した横山隆治氏が筆を執り、新連載を開始。同書に書ききれなかった内容を、全7回にわたってお届けする。第六回は「従来型広告枠の減少と効果減衰」について言及する。

第五回:ID取得型マーケティングの限界はこちら!

従来の「宣伝部」はなくなる

 本連載を通して「広告/マーケティング7つの転換点」について言及してきました。今回はその6つめとして、「従来型広告枠の減少とその効果の減衰」について触れます。

 簡単にいうと、広告原稿をつくって送稿するだけで済むテレビCM枠、デジタル広告枠が減少するため、欲しくても買えなくなるということです。さらにその効果が減衰するので、広告枠を買って広告クリエイティブを入稿するというスタイルだけでは、宣伝部の活動は十分とは言えなくなります。広告枠の買い付け以外にも、もっと知恵を使った企画開発が必要です。せめて部門の名前だけでも、「企画宣伝部」とか「宣伝企画部」とかにしてみましょう。

従来型広告枠の減少、その真意とは?

 まずは、「従来型広告枠の減少」について説明しましょう。ここで論じているのは、テレビCMとデジタル広告の枠のことです。

 もちろん新聞や雑誌、ラジオの広告枠、サイネージほかの広告枠もあります。しかし、既にこれらはテレビとデジタルのインプレッション数に比べると小さな量で、補完メディアといえます。これらはテレビやデジタルに組み合わせることで初めてその効果が発揮できるものと考えていいでしょう。

 そして、テレビ・デジタル以外のメディアでターゲットを動かせる特定のカテゴリーはありますが、広告費から考えても、概ね広告展開の主役にはなりえません。このような背景から、ここではテレビとデジタルの広告枠で論じます。

 この連載の四回目「フリークエンシー理論の破綻」で紹介しましたが、テレビCMとデジタル動画広告のインプレッション数を比較した図表を、今一度ご覧ください。

2018年の関東地区の4週間の数字
2018年の関東地区の推定値
2023年の関東地区の4週間の数字
2023年の関東地区の推定値

 この2018年から2023年への推移において、一番の注目点はテレビCMのインプレッション消費の急激な高齢化です。辛うじてテレビ/デジタル両方のインプレッション数を足し上げたものはこの間に微増していますが、今後はテレビのインプレッション数の減少に、デジタルのインプレッション数の増加が追い付かなくなります。つまり、広告枠は少なくなるのです。よく考えれば当たり前のことですよね。人口が減っているんですから。

 先ほど新聞・雑誌・ラジオ・サイネージ等についてはこの議論から外して考えていると言いましたが、当然これらの媒体も人口が減ることでインプレッション数が減ることは明白です。

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この記事の著者

横山 隆治(ヨコヤマ リュウジ)

横山隆治事務所 代表取締役
ベストインクラスプロデューサーズ 取締役
トレンダーズ 社外取締役

1982年青山学院大学文学部英米文学科卒業。同年、旭通信社(現・アサツー ディ・ケイ/略称:ADK)に入社。インターネット広告がまだ体系化されていなかった1996年に、日本国内でメディアレップ事業を行う専門会社「デジタル...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/05/13 09:00 https://markezine.jp/article/detail/45543

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