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LINEマーケティング活用最前線(AD)

データ活用のジレンマを解消するには?カゴメとサントリーのLINE活用事例から語られた「循環」を生む鍵

 ユーザーの詳細な行動や嗜好を把握し、パーソナライズされた顧客体験を可能にする、顧客データの活用。しかし、多くの企業にはそれが進まない「ジレンマ」がある。2024年5月に行われたイベント「Hello Friends W!th LINEヤフー」では、企業によるLINEのデータ活用に多くの成功事例を持つトランスコスモス株式会社の石田千香子氏とLINEヤフー株式会社の寺山健太郎氏が登壇。顧客LTV向上に向けたCRM施策やOMO施策の事例を用いながら、ジレンマの解消に必要な考え方や、LINE公式アカウントやLINEミニアプリを通じた体験の設計の肝について語った。

One-ID化を推進してもデータ活用が進まないジレンマ

 デジタルマーケティングやカスタマーサポートなどを支援するトランスコスモス。「LINEヤフーPartner Program」において2024年度の「Technology Partner」のコミュニケーション部門「Premier」に認定され、数々のバッジを取得している。登壇した石田氏は2012年の入社以降、サイト立ち上げ、リニューアルPMを経て、デジタルマーケティング戦略プランナーとして従事。業界・メディアを問わず、デジタルメディア領域の戦略立案業務を推進している人物だ。

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トランスコスモス株式会社 CX事業統括 DI事業本部 事業推進統括部 DIプランニング1部 石田千香子氏

 このトークセッションでLINEのデータ活用をテーマに選んだ背景として、石田氏はトランスコスモスが配信するメルマガ「trans+」の配信実績について話した。

 「メルマガの反応率が最も良かったのは、LINEのデータ活用をテーマにしたものです。逆にいうと、『データ活用』の部分に、企業の皆様がまだまだ課題を持っているのではないかと感じました」(石田氏)

 近年、多くの企業がOne-ID化を進め、CDPを導入し、社内部門を横断するデータ活用チームを作っているが、思うようにプロジェクトが進んでいないと石田氏は指摘する。

 「ご担当者に話を伺っても、思うようにプロジェクトが進んでいないような印象を受け、『データ活用はOne-ID化をすれば進むものなのか?』という疑問が出てきました。一定の仕組み化はできているはずなのに、施策に落とし込んで実行するまでには至らない。そんなジレンマがあるのではないでしょうか」(石田氏)

 その最大の原因は「エビデンスの圧倒的な不足」だと石田氏は主張する。

ハードルを乗り越えるための「エビデンス」が生まれる場

 石田氏によれば、データ活用には四つのハードルがある。

 1番目は「データ収集と管理の仕組み化」だ。One-ID化や推進チームの設立もここに含まれる。続いて2番目に「施策へのデータ活用企画」となるが、ここまでのハードルを越えるだけではデータ活用は進まない。3番目のハードルは「社内外の連携」だ。ツールだけでなく「人」を巻き込み、意見を一つにまとめなければならない。そして4番目には、それらの「実行コスト」が必要になる。

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 「実はこの3番目と4番目にある『人』『時間』『お金』の問題が、データ活用が進まない最大の理由です。これらのハードルを越えるために必要なのが、『よし、やろう!』と人を巻き込み、予算を捻出させうる『エビデンス』の創出です」(石田氏)

 このエビデンスを創出するためのソリューションが「LINEを活用する」ことだと石田氏は指摘する。

 その理由は二つある。まず、LINE公式アカウントでつながる「友だち」はLTVが高いユーザーであり、そのデータを資産として有効活用すれば、結果に反映されやすいこと。もう一つは、「実証実験」に最適な場所であることだ。LINEの広告配信やメッセージ配信などの機能を活用することで柔軟なテストが可能となる。

 LINEの特長を十分に活かし、エビデンスを創り出すことで、社内外のメンバーに納得してもらい、巻き込むことができる。連携が取れればリソースの調達にもつながるというわけだ。

 ここでLINEを軸としたデータ活用の成功例として石田氏が挙げたのが、食品の大手総合メーカー「カゴメ」の事例だ。

SNSフォロワー4倍、継続購入率1.6倍を実現━━カゴメの事例

 カゴメの事例においてトランスコスモスが実施したことは主に二つ。一つはLINE公式アカウントの発信強化だ。乱立するSNSアカウントを整理し、各媒体のカゴメLINE公式アカウントで各種情報やキャンペーンを発信。ユーザーの囲い込みを狙った。

 もう一つが、LINEとCDPの連携。具体的には、トランスコスモスが展開するAPI連携ソリューション「DEC Connect」をハブに、LINEのユーザーデータ基盤とCDPを連携し、ユーザーの属性に合わせた情報を配信。その結果からLTV 向上に効果のある施策を分析し、可視化していった。こうしたユーザーのLTVを最大化する取り組みを現在も実施中だという。

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 これら一連の施策は「実証実験」という位置づけで行われたものだ。

 「SNSは費用対効果が見えづらく、実際に購買につながったのか疑問視されがちです。LINEを活用し成果を数値化することで、施策効果を可視化することに成功しました」(石田氏)

 カゴメではこれらの施策により、自社で収集・保有する1st Partyデータの活用が促進された。メディアごとの役割定義を行った上で施策を打てるようになり、店舗、通販を問わず「一人の顧客」へ最適なマーケティングを行うことが可能となったのである。

 結果ははっきりと現れた。この施策により各SNSのフォロワーは4倍以上に増加。LTVを計測したところ、フォロワーと非フォロワーを比較して、継続購入率が1.6倍、購入単価も1.2倍になったという。

 カゴメのこの事例は、「ユーザーにSNSをフォローしてもらい、コミュニケーションを継続的に取ることが非常に重要な指標となりうる」ことを示している。

 「分析レポートを考察しながらSNSからLINE施策への流れを繰り返すことで、勝ちパターンを生み出すマーケティングの実施が可能になりました」(石田氏)

顧客フレンドリーな体験提供の視点が不可欠

 ここで寺山氏から石田氏に質問がなされた。

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LINEヤフー株式会社 マーケティングソリューションカンパニー ビジネスデザイン統括本部 OAセールス本部 アカウント営業3部 部長 寺山健太郎氏

 「データを活用する上では、施策の方針やテーマが不可欠です。どのような視点が必要なのでしょうか?」(寺山氏)

 この質問に対して石田氏が語ったのは「顧客フレンドリーな体験」の重要性だ。

 「売上向上や効率化という企業視点のデータ活用には、目先の数値に踊らされるデメリットがあります。最も重要であり近道となるのは、生活者に喜んでもらえるサービスアイデア、つまり顧客フレンドリーな体験ではないでしょうか」(石田氏)

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 顧客が興味を惹かれない体験ばかりではそもそもデータが集まらない。顧客フレンドリーな体験を目指せば、データが集まり、さらに新たな活用へという循環が生まれる。寺山氏もフレンドリーな体験の重要性には同意を示す。

 「顧客フレンドリーを重視するのはLINEヤフーも同様です。我々のサービスを活用いただき、体験の機会をデジタル化することで、よりニーズに合った情報やレコメンドがユーザーに届けられます」(寺内氏)

リアルイベントでの案内&データ収集に活用━━サントリーの事例

 LINEヤフーには顧客フレンドリーや体験のデジタル化といった観点から展開するソリューションの一つに、アプリプラットフォーム「LINEミニアプリ」がある。LINEの利用者であれば、他のアプリをダウンロードすることなく、様々なサービスが利用できるものだ。

 「9,600万人以上のユーザーがいるLINEだからこそ、ネイティブアプリをダウンロードしないユーザーにも幅広くサービスを提供できる」と寺山氏。注文完了通知や予約リマインドなどを確実に届けられるため、ユーザーにとっての利便性が高い点も特徴だと説明する。

 2024年5月時点で、LINEミニアプリにおけるリリース済みサービス数は14,000件以上。会員証やモバイルオーダー、順番待ち受付や販促キャンペーン、薬局における処方予約など多岐にわたる。

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 石田氏も「自宅近くのお店でもLINEミニアプリが使われていて、身近に感じるようになってきた」と話し、いち生活者としても実感しているサービスの広がりを伝えた。当然、トランスコスモスの支援する企業でもLINEミニアプリによるサービス向上の成功事例があるという。

 LINEミニアプリ活用の成功事例として伝えられたのは、2023年7月から8月に札幌の大通りで開催された大規模ビアガーデンでのOMO施策だ。サントリーが展開する店舗内でトランスコスモスが提供する「MINI APPLI STUDIO」が活用された事例だ。

 サントリーは、100万人が来場するこのビアガーデンで「行動履歴のデータ取得」と「ファン化促進」を実現したいと考えていた。そこでトランスコスモスに「イベントで来場客を効率良く案内するサービスの実現」と「イベント後のデータ活用に役立つユーザー行動履歴の取得」をリクエストしたという。

売上の約36%がミニアプリ経由・データ収集も実現

 石田氏らは、イベント前から当日、イベント後に至るまでの顧客体験を想定してミニアプリを設計。ミニアプリによる客席の事前予約を可能にした。当日は年齢確認アンケートで顧客情報を取得し、お持ち帰り用のビールが当選するガチャコンテンツを実装して待ち時間も楽しめるようにしたという。

 加えて、「ビアガーデンの後に室内でゆっくりしたい」という要望を想定し、イベント後に会場近辺の店舗で使える二次会クーポンを案内。収集した顧客データはサントリーのLINE公式アカウントと連携することで、後のLINE施策に活用できる状態になる。

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 結果、モバイルオーダーからの売上は全体の36%を占めた。また、二次元バーコードを読み込んだ参加者のうち約7割にあたる約27,000人がアンケートに回答。多くの顧客データの収集が可能となった。

 「27日間のイベント期間中、一度もエラーなく完遂できた点が最大の成果です」と石田氏。サントリーからの評価も高く、2024年に開催予定のイベントでも同じLINEミニアプリの活用が検討されているという。

 石田氏は最後に、今回のテーマに関連した自社サービスを紹介してセッションを締めくくった。

 「サントリーのモバイルオーダーを実現した『DEC Connect』は、LINEサービスに特化したトランスコスモス独自のツールです。APIを利用して、外部ツールや外部DBとシームレスな連携を行うことで、企業とユーザーとのコミュニケーションを最適化します」(石田氏)

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 「ユーザーに合わせたキャンペーンのための配信に限らず、LINEミニアプリでの対応、LINE通知メッセージの送信といったリテンションの場面でも活躍しています。メールの代替手段としてLINE通知メッセージが浸透してきたこともあり、非常にニーズが高まっているソリューションです」(石田氏)

※LINEアカウントと紐づいた行動データの取得・活用にはユーザーの許諾が必須となります。

※「LINE通知メッセージ」はLINEヤフー株式会社が提供する、企業からの利便性の高い通知を企業のLINE公式アカウントから受け取ることができる機能です。本機能の利用に同意することで、個別のアカウントを友だち追加することなく、簡単に通知メッセージを受け取ることが可能になります。対象はLINEヤフー株式会社がユーザーにとって有用かつ適切であると判断したものに限定され、広告目的のものは配信されません。

※「LINE通知メッセージ」に関して詳しく確認したい場合は、こちらをご参照ください。

※「LINE通知メッセージ」の受信設定を確認・変更したい場合は、こちらをご参照ください。

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高山 透(コウヤマ トオル)

フリーカメラマン。雑誌の撮影などを主にしています。

最近では、webの撮影も多くなってきました。日々の生活は、朝タブレット端末をながめながらコーヒーを飲み、のんびり1日が始まります。 休みの日は、新宿御苑に行ったり、子供と遊んで過ごしています。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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提供:LINEヤフー株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2024/07/05 10:00 https://markezine.jp/article/detail/45821