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マーケティングの近未来

NHK受信料廃止を実現する、「データ配当金」と「デジタル公共事業」

 米国大手IT企業・プラットフォーマーを数社にわたり経験してきた著者によるコラム。NHK受信料制度を廃止するビジネススキームについて、著者の提言を記す。

NHK受信料無償化を実現する「デジタル公共事業」構想

 NHK受信料制度を廃止すべき時期にきている。「英文化相、BBCの受信料制度廃止を示唆」(英文化相、BBCの受信料制度廃止を示唆 - BBCニュース)と英国BBC自体が報じている。廃止は、もちろん簡単ではないが、NHKの受信料制度も時代遅れの「強制サブスク」(参照:「NHKが絶対に死守したい「受信料ビジネス」の全貌」)になっていて、イギリスと同じ状況だ。

 「1st Party Dataプラットフォーマー」の時代、NHKの視聴ログデータを有効活用すれば、受信料制度を実質的に廃止できると私は考えている。では、どのようにNHK受信料を無償化するのか? その仕組みとカラクリについて説明していく。私は、これを「デジタル公共事業」だと捉えている。

 まず、「1st Party Dataプラットフォーマー」のコスト優位性を、旧来型の「レガシーネット広告モデル」との比較で確認したい。図表1の左側の棒グラフに「3rd Party Dataの場合」と記載した。棒グラフは「CPMの構造」の内訳を示している。

 「3rd Party Dataの場合」は、純粋に3rd Party Cookie/Dataのみに依存するDSPベンダーのコスト構造モデルになる。これが「レガシーネット広告モデル」の代表で、3rd Party Cookie/Dataに依存する点ではGoogle広告もここに入るが、「システム費」についてはGoogle自社配信システムと自社1st Party Dataおよび3rd Party Dataも活用できる為、DSPベンダーよりはGoogle広告のほうがコスト優位性がある。

 また、Google広告は、1P媒体(自社媒体:Google検索やYouTubeなど)も持っている。その点でもDSPベンダーよりは優位性がある。そのため、Googleを「レガシーネット広告モデルのプラットフォーマー」と位置付ける。

図表1:1st Party Dataプラットフォーマーのコスト優位性(タップで画像拡大)
図表1:1st Party Dataプラットフォーマーのコスト優位性(タップで画像拡大)

(注)「DSP費(10%)」などのパーセント表示は、仮に入れている。実際には、使用するシステムやデータ、契約条件などで変動する

 これに対して右側の棒グラフは「1st Party Data」の場合だ。代表例はAmazon広告とMicrosoft広告になる。この2社は、ここ数年で広告売上を急激に拡大している訳だが、その理由は「1st Party Dataプラットフォーマー」のコスト優位性があるからだ。

 その優位性を活用して、広告主に競争力のあるCPMを提示できる。その結果、広告主のコストパフォーマンスがよくなる。広告主はパフォーマンスの良い広告により多くの予算を割り当てていく。結果的に、Amazon広告とMicrosoft広告が急成長している。

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現時点の構造では、AmazonとMicrosoftが優位に

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この記事の著者

ヴァイオレット・エヴァーインディゴ(ヴァイオレット・エヴァーインディゴ)

1990年代に米国西海岸に留学し、シリコンバレーで就職。1998年のGoogle誕生に衝撃を受け、ネット広告・デジタルマーケティング領域に職域を転換。2000年代初めに帰国。米国大手IT企業・プラットフォーマーを6社経験。デジタルマーケティングのコンサルティングを生業とする。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/07/16 09:00 https://markezine.jp/article/detail/46044

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