SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

【特集】ターゲティング大変革期の到来

AIで進化するGoogle広告の今。成果を上げるために必要な3つのポイント

AI時代にGoogle広告で成果を上げるための3つのポイント

 広告配信の自動化が進む中、今後Google広告でより成果を上げていくためのポイントは大きく3つあります。

 1つ目は「クリエイティブの多様性」です。機械学習の良さを活かすにはクリエイティブのバラエティが必要になってきます。たとえば化粧品の広告を配信する際には、女性向けのクリエイティブだけではなく、男性向けクリエイティブやプレゼント需要を意識したものなど、いくつかのパターンを用意しておくと、AIがどんどん学習していき、自然と適した人に適したクリエイティブを当ててくれるようになります。ターゲットが限られている商品だったとしても、たとえば通勤中と寝る前では商品の見え方が変わってくるはずなので、ひとつのペルソナしかなくともメッセージは複数個用意しておくといいでしょう。

 2つ目は「学習データ」です。ある意味、これからは「AIを育てていく」ことが重要になります。広告配信の結果が出たら、よりパフォーマンスを最適化していくために、AIに適切なフィードバックを行っていく必要があります。その際に重要なのがデータの「量」と「質」です。学習を最適化していくためにはある程度のデータ量が必要となります。しかし当然ながら、間違った情報を与えてしまうと、AIは間違った方向に学習してしまうため注意が必要です。

 たとえばよくある間違いとして、実際に購入につながった広告ばかりを高く評価するケースです。そうすると、AIは購入をしてくださった人ばかりに配信するようになるため、だんだんと既存顧客ばかりに広告が配信されてしまうようになります。既存顧客が商品を買ってくださることはもちろん嬉しいことですが、広告の目的が新規顧客との接点づくりであるなら、広告としてはそんなにポジティブなフィードバックをしないほうがいいと思われます。

 最後3つ目は「体験の構築」です。これまではユーザーに一度接触できたら、その後いつまでもリターゲティングができたので、極端なことを言えば、初回接触の体験がそれほど良くなくてもリカバリーができました。ところがCookie規制に伴い、今では広告は一期一会の時代になりました。そのため、初回接触時の体験が非常に重要になります。

 おすすめなのは、マイクロコンバージョンを作り、初回接触時に1st Party Dataを得る方法です。たとえばリードタイムが長い商材の場合、広告で購入までつなげようとするのではなく、まずは「LINEの友だちになってもらう」ことをマイクロコンバージョンとして設計しておきます。そうすると、「LINEの友だちから次のステップまでの転換率が〇%だから、マイクロコンバージョンは〇件でいい。ということは、この運用で大丈夫……」というように、広告を評価する基準ができます。こうしたマイクロコンバージョンをたくさん作ることは、データの量を担保することにもつながるので、ぜひ取り入れていただきたいです。

プライバシーに配慮しつつ広告成果を測る、コンバージョンモデリング

 Google広告でもう1つ押さえておきたいのが「コンバージョンモデリング」です。コンバージョンモデリングとは、ユーザーのプライバシーを保護しながら、広告の成果を計測できる評価モデルです。

 プライバシー保護の観点において、今広告配信では「ユーザーが不快となるターゲティングを行うこと」「ユーザーの許可なくユーザーがどこから来たのかを調べること」、大きくこの2つが禁止されています。ですが、たとえば広告AでBさんという人がLINEの友だちになってくれたということがわからなくとも、広告Aで30人がLINEの友だちになってくれたというところまでは知りたいですよね。

 コンバージョンモデリングでは、プライバシーに配慮するための様々な理由によって、コンバージョンの一部が広告インタラクションに紐づかない場合に、機械学習を使って効果測定のギャップを埋めていき、広告の影響を評価できるようにしてくれます。

 一部のモデリング手法自体は公開されていますが、コンバージョンモデリングのアルゴリズムにはまだまだブラックボックスの箇所が多いです。ですが、1つの評価指標として見る分には非常に優れたものだと思っています。これからの時代、そもそも1つの評価指標だけを見るのはあまりよくないため、今後はGA4(Googleアナリティクス4)やデータクリーンルームなどの数字も見て、総合的に判断していく力が求められるでしょう。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
【特集】ターゲティング大変革期の到来連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

岩本 智裕(イワモト トモヒロ)

株式会社オプト マーケティング・アセット本部 執行役員:VP

2015年(株)オプトにエンジニアとして入社。アプリデータマネジメントツール「Spin App」の開発プロダクトマネージャー、2017年より、スマートデバイステクノロジー部 部長に従事、「ADPLAN」、「SpinApp」、「TRIVER」、...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2024/08/05 09:30 https://markezine.jp/article/detail/46215

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング